第9話 雪の思い出 ①
というわけで久しぶりの更新です。うん、本当にすみません。
今回は白雪視点ですが、話し的には頑張って長めに……
「雪兄の馬鹿!!」
それは朝リビングに起きてきてからの事だった。
「だから悪かったって言ってるだろう。」
「お気に入りのカップだったのに………割っちゃったのはしょうがないとして、それを隠そうとしてたでしょ」
「そ、それは……」
今回の喧嘩はちょっと長そうだな……ちょっとした喧嘩くらいだったらすぐに仲直りするんだけど………
「お姉ちゃん、お兄ちゃん、そろそろやめにしよう。朝ごはん冷めちゃうよ」
「そ、そうだ。しぃの言うとおりだ。」
「誤魔化そうとしないで、もう雪兄なんか知らない。どうせ私達は本当の兄妹じゃないんだから……」
この時、お姉ちゃんは言ってはいけない言葉を口にしてのかもしれない。だって、お姉ちゃんがそういった瞬間、お兄ちゃんはお姉ちゃんの頬をはたいのだから………
「あっ……」
「ゆ、雪兄?」
お姉ちゃんも何が何だか分からないでいた。私はお兄ちゃんの方を見ると、ただただ震えていた。
「ご、ごめん」
お兄ちゃんはそう言い残して家から出て行くのであった。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「あ、うん、私は大丈夫だけど………雪兄はどこいっちゃったんだろ?」
「わからない。やっぱりお姉ちゃんがあんなことを言ったから……」
「雪兄……少し気になったんだけど、どうして雪兄はあそこまで私たちのことを大切にしてくれるんだろうね?」
「どうしてだろう?お姉ちゃんは何も聞いてないの?」
「うん、全然」
何も分からずじまいであった私達。だけどその時……
「あら?ご飯の時間だっていうのに、雪那はいないのね」
「それにしても騒がしかったけど何かあったのか?」
お母さんとお父さんの二人が起きてきた。そうだこの二人ならきっと……
「お母さん、お父さん。実は……」
私は今朝の出来事を話した。するとお父さんは……
「なんだとあの馬鹿息子は!!こんなに可愛い妹に手を出すとは……」
「落ち着きなさい。あなた。今回の件に関しては小雪。貴方が悪いわよ。」
「私が………」
「そうね。貴方に話すべきね。あの子があなた達を大切にしている理由を……」