番外編 エイプリルフール
というわけで、今回も番外編となっております。
雪那「というか、本編はいいのか?」
なかなか思いつかなくって………とりあえず今回の主役は白雪です。
『本日はエイプリルフールとなっております』
朝、ニュースを見ていると気になる単語が出てきた。エイプリルフールって何だっけ?
「……お姉ちゃん。エイプリルフールって何?」
「ん、えっと今日は嘘ついても許される日だよ。」
「…………そっか、それじゃ………お姉ちゃん、大嫌い」
「あはは、じゃあ、私も白雪のこと、大嫌いだよ」
二人してそんな嘘を付いていると、お兄ちゃんがようやく起き出してきた。今日の朝ごはんは私が当番だったから、お兄ちゃんはいつもより遅めだった。
「おはよう、二人共」
「おはよう、雪兄」
「おはよう、お兄ちゃん。そうだ、お兄ちゃん大嫌い」
「……………………………」
何故かお兄ちゃんはその場で固まってしまった。どうしたんだろ?
「………えっと、ごめん、しぃ。俺、何か悪いことしたか?」
「えっと、雪兄。実はさっき白雪が………」
「うん、お兄ちゃん。私に悪いことしたよ。」
「……………………………」
またお兄ちゃんが固まってしまった。本当にどうしたんだろう?そのままお兄ちゃんは自分の部屋へ戻っていってしまった。
「これ、私のせいだよね。あとで雪兄に説明しないと………」
朝ごはんを食べ終わったあと、私は日課である散歩に出かけることにした。お姉ちゃんは部屋に閉じこもったお兄ちゃんに何か説明していたみたいだった。
「……今日もいい天気。」
「ん?白雪」
急に声をかけられ、振り向くと裏月くんがいた。右手には買い物袋を持っていた。買い物帰りかな?
「何してるんだ?」
「……散歩だよ。裏月くんは買い物帰り?」
「あぁ、ちょっと皐に言われてな。嘘なんかつくんじゃなかった」
「……あれ?今日は嘘ついても許されるんじゃないの?」
「いや、エイプリルフールでも言っていい嘘と悪い嘘があるからな。まさか嘘をついた瞬間、あのシスコンを殴りに行こうとしたからな」
一体どんな嘘をついたんだろ?あれ、それじゃ私がついたのって悪い嘘かな?
「……ねぇ、裏月くん。あのね」
「ん?」
私は裏月くんに今朝の嘘の話をした。すると裏月くんは少し怒った顔をした。
「それは駄目な嘘だろ。相手がアイツだったからまだいいけど、俺だったらすごい傷ついているぞ。」
「……そうだよね。あとでお兄ちゃんに謝らないと……」
「そうだな。でも嘘とはいえ、そんなに傷つくって……アイツ本当にシスコンだな」
裏月くんはそうつぶやくのであった。
「…………裏月くん。ごめんね。話聞いてもらって……」
「別にいい。というかお前、エイプリルフール知らないって、いくら寝ていたからってな……」
「………寝てる間、色々と勉強とか常識とかよく分かんなくなったから………今度蕾さんに保健体育を教えて……」
「やめろ。それは絶対にやめたほうがいい。」
何故か裏月くんは必死に止めるのであった。なんでだろう?そうだ、1つだけ嘘をつこう
「裏月くん。嘘ついてもいい?」
「何だ?」
「私は、裏月くんのことが大嫌いです。だからく抱きしめてほしくない。」
私がそう言うと裏月くんはため息を付き………
「これでいいか?」
私のことを優しく抱きしめてくれた。
「俺もお前が大嫌いだ」
「うん」
というわけで、短めですみません。
小雪「ところで皐くんはどんな嘘をつかれたの?」
皐「えっと(言えない。小雪ちゃんが雪那に襲われたって)」
それで雪那は?
小雪「夜になってようやく誤解がとけたよ。嘘はコリゴリだね」
まぁ今回はね