第0話 始まる前の物語
という訳で、新たに設定を変えたEPISODE SNOWの始まりです。
小雪「やっぱり私が主人公?」
そうなるね。
白雪「……私は?」
まぁ、もう一人の主人公ということで………
雪那「というか、書けるのか?」
がんばります。
これはこれから始まる物語の前の話。
私には両親がいない。中学生の頃、母は重い病で倒れ、父そんな母を見舞いに行こうとした時に事故で死んでしまった。その後、後を追うように母も病死した。両親が死んだそんな私はずっと悲しい思いをしていた。だけどそんな私を励ましてくれていたたった一人の家族。妹の白雪。だけど、そんな白雪は………
「し……らゆき?」
交通事故に遭い、いつ目を覚ますかわからなくなってしまった。この瞬間、私は一人ぼっちになってしまった………
「お母さんも、お父さんも死んじゃって……白雪も……目をさましてくれない………私……もう生きていけないよ……」
私は自殺しようと外へ出た。普通なら家で自殺をしてもよかったけど……思い出の詰まった家では……死にたくない。だから私は近くにある公園のベンチに座った。今は冬だから寒かった。きっとこのまま寝てしまえば、朝になる頃には凍死しているだろう。
「お母さん、お父さん……私も直ぐにそっちに行くから……白雪……一人残してゴメンね……でも、もう、私生きていけないよ……」
私は目を閉じた。もう悲しい出来事とはさようならしたい………
「こんな所で寝てると死ぬぞ。」
「えっ?」
突然声をかけられ、目を開けた。最初は警官だと思った。正直色々聞かれるんだろうと思った。だけど、そこには私とそう変わらない歳の男の子がいた。
「だ、誰?」
「霧生雪那。お前とは従兄妹同士なんだけど……まぁ、これからはお前のお兄ちゃんになるかもな」
最初、この人が何を言っているか訳がわからなかった。私にこんな従兄妹なんているはずがなかった。それにこれから私のお兄ちゃんになるって……意味がわからない。
「雪那。見つけたの?」
すると今度はその人のお母さんらしき人がいた。私はその女性を見て驚いた。白く長く伸びた髪、顔も、背丈も、私のお母さんそっくりだった。
「初めまして、小雪ちゃんでいいのかしら?私はね、貴方のお母さん……雪江の双子の姉、霧生雪奈よ」
「お母さんの?でも、私……お母さんからそんな事聞いてない……」
「あの子ね、勘当されたのよ。親が決めた結婚が嫌で猛反発、それが理由。でもね、あの子が死ぬ前に連絡くれたのよ。『自分たちに何かあったときは、小雪と白雪のこと頼むって』ね。本当に……あの子は……」
雪奈さんは目を潤ませながらそう言った。
「母さん、とりあえず家に戻らない?このままだと本当に風邪ひくぞ」
「そうね、いらっしゃい。小雪」
「は、はい。」
私は何故か言われるままにこの二人の家へと向かうのであった。でも……私はこの二人の家族になれるのか……
それから雪奈さんがココアを入れてくれた。雪那さんはそのまま部屋に戻ったらしい。
「あ、あの、私……やっぱり雪奈さんの家族には……白雪も眠ったままだし……」
「大丈夫よ。貴女も白雪も私が面倒みるわ。だって、あの子の大切な子供だもの……」
「ご、ご迷惑じゃ……それに雪那さんもいますし……」
「雪那なら大丈夫よ。貴方達を引き取ること賛成してくれたし……まぁ、さすがに直ぐにお母さんとかお兄ちゃんって呼ぶのは大変だと思うけど……これからは貴女がどんなに嫌がっても……私達は貴方の家族よ」
私は雪奈さんの言葉を聞いて、少し泣きそうになった。この人は本当に私たちのことを思っているんだって………
それから、私は霧生家に住むようになった。最初は戸惑ったけど、だんだん生活に慣れていった。一番大変だったのが、『お母さん』と『お兄ちゃん』と呼ぶことだった。『お母さん』の方は頑張って自然に言えるようになったけど、『お兄ちゃん』って呼ぶのがかなり恥ずかしかった。だけど、色々悩んだ末、『雪兄』と呼ぶようになった。
そして高校1年生となった私……
「雪兄、早く食べないと遅刻するよ。」
「ん、母さんは?」
「しばらく出張、今度はいつ帰ってくるのか分からないけど……」
「そっか、母さんも忙しいからな……」
「それじゃ、私、先に行くね。桜ちゃんと待ち合わせしてるから……あと、今日、白雪のお見舞いに行ってくるから、遅くなるね。」
「分かった。行ってらっしゃい。」
「雪兄も遅刻しないでよね。」
私は家を出て、友だちである桜ちゃんとの待ち合わせ場所へと向かった。そしてこの日………………
私の物語が始まるのであった。
という訳でプロローグ的なものです。
小雪「設定おもいっきり変えたね。私と雪兄が義理の兄妹だし……」
白雪「私、眠ったまま……出番ないの?」
いや、ちゃんと出番あるからね。
雪那「というか、皐と裏月は出る予定は?」
もちろん、あるけど。
小雪「次回は?」
まぁ、始まりだね。