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手紙

第二章  手紙



「大祐君へ

 憶えててくれてるかな?優香です。

 私は元気だったけど、大輔君はどうでしたか?

 今回は、特別な意味で手紙を書かせてもらっています。

 昔さ、約束したよね。

 大祐君は覚えててくれてるかな?

 忘れてるっていうか、してくれてなかったもんね。

 でも、もし憶えててくれるなら。

 忘れてください、その約束を。

 私、今になって分かったんです、この約束がどれだけ大祐君を辛い思いをさせたのかって。

 だから・・・

 ごめんなさい、忘れてください。

 私から約束したのにね、わかってます自分勝手だって言うのは。

 でも、お願いします。


 これからも元気で、私も元気で暮らします。

 お願いします、それじゃあ。」



 この手紙は俺にとってどんな意味があるんだろう。

 公園に行き続けた俺は一体どうすればいいんだろう。

 俺は・・・俺は・・・何の為に走ってたんだ。

 こんな手紙、読みたくなかった。

 約束なんか、してなければよかった。

 俺は、これからどうやって生きていればいいんだ、優香・・・・・。



「大祐、あなた様子が可笑しいけど、どうかしたの?」

 何かあったかと言われれば、別に無いとしか答えようが無い。

 そう、別に何も無いのだ。

 思ってみれば、俺は優香と何も約束していないのだから。

 俺はただ、公園に行ってただけなんだ。

 だから、何も無い、手紙なんか関係ない。

「別に、先輩に心配してもらう様な事では。」

「そう、少し迷いが見えたような気がしたんだけど、あなたが大丈夫って言うなら大丈夫ね。」

 弓道というスポーツは思った以上に精神に左右されるようだ。

 って、俺は別に・・・

 どうして俺は、優香の事ばかり考えてるんだ?

 忘れようとしてるのに、優香も手紙のことも、どうしてこんなに心が苦しいんだ?

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