表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

序章

序章


「大祐、約束だからね。」

「・・・やだ、約束なんかしない。」


 馬鹿だった、俺は捻くれてたから。

 優香が居なくなる事だって、俺には信じられる事じゃなかった。

 好きだった相手、初恋の相手だった、いつも笑っていて、いつも優しくしてくれる優香が、俺は好きだった。

 

「大祐、何で捻くれてるのよ。」

「別にそんなんじゃない、早く行けよ、真由子さん待ってるんだろ?」

「馬鹿・・・、大祐なんか大嫌い!!!」


 俺は優香の見送りにも結局行かずに、最後まで優香と一緒に居たこの小さな公園で優香が乗ってるはずの飛行機が飛んでくるのを眺めてた。

 素直じゃない俺は、「さようなら」って言う言葉さえ言ってやれなかった。

 一番好きな人だったのに、いや、一番好きだったからなのかもしれない、だからこそ言えなかったのかもしれない、別れの言葉を。



『約束、してくれる?』

『どんな?』

『あのね、絶対また会えるって。』

 

 俺は優香ほど幼稚じゃなかったから、そんな事絶対に無いってわかった。

 引っ越して、俺と優香がまた会える確率なんか、そんなに大きい物じゃないと思う。

 だから、約束なんかしたくなかった。

 優香が傷付くかもしれないから。

 あいつの涙を見たくなかったから。







 でも俺は・・・・・・、結局優香を泣かせたまま別れてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ