第一話:感じ取った私の心
私は、三年間温め続けてきた思いに、ここでようやく踏ん切りがつきました。
研究として向き合い、積み重ねてきた時間の先に、この物語を書く決意が生まれました。
祈るような気持ちを重ねながら、この小説に魂を込めました。
この物語の根っこにある願いは、ただひとつです。
第一話:感じ取った私の心
私も、いわゆる生活弱者ゆえに3年間温めた、研究テーマもこの作品に盛り込みました。
この物語は、私の自伝ではありません。
けれど、 生きづらさを抱えながら暮らしている人たちの痛みや願いに、 私は長く心を寄せてきま
した。
見えないこと。
聞こえないこと。
心が沈んで、朝を始めるだけで精一杯なこと。
そうしたものは、特別な誰かの遠い話ではなく、今この世界の中で、たしかに息づいている毎日
の現実だと思っています。
この作品で描きたいのは、ただ「かわいそうな人たち」ではありません。
弱さを抱えたままでも、人は恋をし、傷つき、助け合い、笑い合い、怒り、泣き、そしてまた、
今日を生きていく。
そんな、ごく普通で、かけがえのない暮らしです。
この物語には、不幸もあります。
すれ違いもあります。
けれどその中には、小さなぬくもりや、思いやりや、ほのかな恋の気配も流れています。
そして、この作品の根っこにある願いは、ただひとつです。
愛が地球を救う。
大きな奇跡ではなくても、
ひと声かけること。
急がせずに待つこと。
相手の困りごとを決めつけないこと。
「今日は半分でいい」と言ってあげられること。
そんな小さな愛の積み重ねが、誰かの一日を、ひいては世界を、そっと救っていくのだと私は信
じています。
三年の月日を費やした研究と向き合いながら、この小説に魂を込めました。
この物語が、読み手の方にとって、
少しでもわかりやすく、
少しでも心がほぐれ、
少しでも「今日を生きていい」と思える灯りになれたなら、これほど嬉しいことはありません。
どうぞ、灯台荘の人々の暮らしを、やさしく見守っていただけましたら幸いです
弱さや困難を抱えたままでも、人は恋をし、傷つき、助け合い、笑い合い、それでも今日を生きていく。
そんな、ごく普通で、かけがえのない暮らしです。




