表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

あたしメリーさん‥ 今イスタンブールにいるの‥

掲載日:2025/11/08

 半分くらい書いた後で類似作を見つけてしまいました。

 ちょっと後悔したけど気にしないことにします。


 誤字報告ありがとうございまっす!

 スマホの着信音がなった。

 仕事先からの連絡を待っていた私は画面も確認せず通話してしまう。


「もしもし‥ あたしメリーさん。今前橋駅にいるの‥」


 聞こえたのは小さな女の子の声。無邪気でどことなく(うつ)ろ。


「え、間違えていますよ」


 私はすぐ切った。

 おそらく間違いかいたずら電話だ。


 通話番号を確認すると非通知になっている。

 非通知番号は着信拒否しているはずなのに‥



 前橋駅は最寄り駅だ。ちょっと怖い。

 


 次の日、また非通知から着信があった。

 出なければいい。


 しかし、なぜか自動的に通話状態になる。

 恐怖で背中に悪寒が走る。


(これ、怪談でよくある奴じゃん)


 メリーさんと名乗る電話が次々着て最後には自分の後ろにいるやつ。




「もしもし‥ あたしメリーさん。今長岡駅にいるの‥」


 あれ、最寄から離れた。

 長岡ってどこだよ。


 通知が切れたから検索してみる。

 新潟県だ。前橋からは遠い。


 どうもメリーさんとやらは上越線に乗ったようだ。



「もしもし‥ あたしメリーさん。今ソウルにいるの」


 さらに翌日、メリーは新潟空港から国際線に乗ったようだ。


 なんかもうバカバカしくなってきた。

 きっとあれだ、正体は愉快犯のハッカーだ。



 それから一週間は不審な通知がなかったから、私は安心していた。

 しかし一週間後、また非通知電話がかかってくる。



「もしもし‥ あたしメリーさん。今イスタンブールにいるの‥ ブルーモスク青いの‥」


 今日のメリーはとうとう観光しだした。

 ってかイスタンブール? 連絡が遅かったのは移動に時間がかかったから?

 しかもショートメールで画像まで送って来やがった。手がこんでるな。


「おすすめのお菓子買ったら甘すぎるの‥ 外したの‥」


 メリーさんって買い物できたっけ?

 



 それから連絡は数日おきになった。


「もしもし‥ あたしメリーさん。今パルテノン神殿にいるの‥」


 あー、イスタンブールからギリシャにわたったんだね。


「もしもし‥ あたしメリーさん。今フェリーに乗ってるの‥」


 送られてきた写真には白いデッキチェアに寝そべる人形が。

 くっ、メリーめ豪華に海外旅行を楽しみやがって。

 こちとら関東地方から外にはめったに出られないんだぞ。


「今日はローマなの‥ ジェラートもピザも絶品なの‥」


 虚ろな声がなぜか満足そうだ。


「今日はアルプス山脈なの‥ 絶景なの‥」


 でしょうね。きれいな写真をありがとよ。



「今ルーブル美術館にいるの‥ 混んでるの‥」

「今ユーロスターに乗ってるの‥」

「今ケルン大聖堂にいるの‥ これからヴルスト食べるの‥」


 ハッカーって暇なのだろうか。それともまさか本物?




 そんな報告が続いたある日。


「もしもし‥ あたしメリーさん。今渋谷のスクランブル交差点にいるの‥」


 おお、メリーがやっと日本に戻って来た!


「頑張れメリー、渋谷から埼京線に乗って大宮で乗り換えるんだ!」

 つい応援してしまった。



 もしかして本当にメリーさんが来るかもしれないから部屋を片付けておこう。



「もしもし‥ あたしメリーさん。今京都で紅葉見てるの‥」



 離れたー。



「何でこっちにこない?」


 いや来ても困るのかもしれないけど一度は聞いておきたい。


「前橋には何かあるの?」


 不思議そうなメリーさん。

 くそ、前橋に失礼な。


「赤城神社とかフラワーパークとかあるじゃん!」


「ん~ でも先にUSJ行きたいから、また今度ね‥」


 メリーさんにふられてしまった。




 私はスマホをにらむ。

 いったいいつになったらメリーは後ろにくるんだ?


(まあ部屋が片付いたから良しとするか)



 しかし人の旅行話を聞かされるだけはつまらない。

 私もどこかに行きたくなる。


(東京くらいには出るか)


 日帰りで首都散歩も悪くない。

 どこを回るか予定を考えるのも楽しいし。




 と言うわけでやって来ましたスカイツリー。

 展望台から見る景色は最高だね。

 やっぱり写真で見るより実体験の方が感動できるよ。



 ブーッブーッ、その時スマホに非通知の着信が。


 ふ、メリーよ今日は私から報告してやろう。

 余裕を持ってスマホに出る。


「もしもし‥ あたしメリーさん。今スカイツリーの展望台にいるの‥」


 聞こえた言葉が予想外すぎて私の体は硬直した。

 とうとう、とうとうメリーさんがすぐそばに‥


 私は自分の周囲、特に後方を重点的にキョロキョロ見た。



 通話中の人間はいなかったが、その次の瞬間私の目に映ったのは‥




 スマホと一緒に抱きしめられている西洋人形だった!

 持ち主の女の子はおしゃれで金持ちのお嬢さんっぽい。


 確かにそれなら世界旅行をするのも解るけれど。

 まさかねえ‥



 凝視していた人形と目が合ったのもきっと気のせい。

 ()()がすぐ目をそらしたのも、きっと私の気のせいだよね?



 住所を前橋に設定したのは適当です。住民の方ごめんなさい。


 地図帳とネットを見比べながら、空想世界旅行をしてみました。

 鉄っちゃんとかが書いたらもっとリアルにできそうですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ