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ノーライフキングの血の味は・・・。








「お腹空いた」


ムクリと起き上がるとベッドの横の台に色付きにデザインカットされているワイングラスに並々と血のように赤い液体がそそがれていた。

喉の渇きを覚えるとそのグラスを取り、口に運んだ。

トマトジュース?

1口飲むと止まらず煽るように一気に飲み干した。


「もっと飲むか」



黒髪でキレイに整った顔立ち、目の色は紅色、灰色のシャツに黒のタイをしている。タイには黒に近い赤色の10センテ程の宝石がはめ込まれていて、灰色のズボン、手入れのされた黒い革靴、身長185センテの男性が私に向けて手を差し出している。


「もしかして今飲んだの、貴方の血? 」


「殆ど、トマトジュースだか」


「良かった、貴方の眷族になってしまったのかと思った。昨日のは夢だったのよね」


「イヤ、夢じゃないよ。

シャリスは立派な吾の眷族ぞ」


「そう夢じゃないなかったのね」


あからさまにガッカリした。


「シャリスよ、腹は空いたか」


シャリスは恥ずかしがるように顔を赤らめ、俯き加減に頷いた。

クウとシャリスの腹の虫がなく。


シャリスは顔を真っ赤にして手で顔を覆った。


「さぁ、おいで」


瞬時に私の隣に来て私の手を取りエスコートし部屋を出て歩き出した。廊下は真っ暗で所々にロウソクがともっている。


着いたのは食堂で、窓の全てに鎧戸がきっちり閉められてあるがシャンデリアに明かりが灯っている。


テーブルの上にクロワッサンにコンソメスープ、スクランブルエッグにカリッとしたベーコンにイチゴやさくらんぼにライチ等の果物が並んでいた。


とても美味しそうでクゥと、お腹がなる。


エスコートされて席に着く。アルラードも席に着いた。


「さぁ召し上がれ」


私に微笑む。


「あの、他の皆さんは来ないのですか? 」


「あぁ、吾の眷族はまだ寝ている時間だよ。

太陽の光に弱くてね」


「あの、わたしは私は太陽に当たっても大丈夫なのですか」


「いいや、キミも太陽には無防備のままでは当たれない、シャリスが気になる事沢山あるだろうけど食事の後で質問に答えよう」


「あっ、はい」


とてもお腹空いていることを思い出した。


クロワッサンに手を伸ばす。

ちぎるとサクッとした感触にバターの香りが、、ナイ?


口に1口入れるとサクッとした食感にバターが口の中に広がって、、、ナイ?まるで砂のよう。


琥珀色したスープを1口、琥珀色した濁りのない完璧なコンソメスープなのに白湯を口に入れたよう。


スクランブルエッグは、味のない粘土みたい。

カリッとしたベーコンもイチゴもさくらんぼも、私の味覚は?


味のしないことに困惑していた自然に一筋の涙がこぼれる。


「今の教皇はシャリスを余程手放したくないようだ」


興味深そうに観察していたアルラードが口を開いた。


言われた意味がわからなくてアルラードを見た。


「食事ができるだろ、人間だった時と変わらないから気が付かないだろうけれど、今の君はヴァンプだ本来なら血しか受け付けない。だがシャリス、君は食事ができるだろ」


分からないことがいっぱいだけど味がしなくてもクロワッサンもコンソメスープも他のものを口にしたのは変わらないから、頷く。


アルラードは瞬時に私の横に立った。

アルラードの斜め後ろには、黒いローブを纏ったスケルトンが銀のお盆を持って立っている。

お盆の上にはシンプルなナイフが置いてあり、お盆をアルラードに差し出した。

アルラードはナイフを持つと手首を掻っ切る。


手首から流れる血がフルーツにポタポタと掛かる。

血が滴る手首をそっと撫でると傷がすぐさま消えている。

アルラードは血のかかったいちごを1つ摘んで私の口の前に差し出した。


いちごに更にいちごシロップをかけたように見えた。

少しずつ近づいてきた。空腹を覚えて口を開けてしまった。


血の味よりもいまさっきは味わえなかったいちごの食感と甘さのあとの酸っぱさが私の口を支配していた。

私は血のかかったフルーツを一心不乱に味わった。

ふと視線を感じて


見上げるとどこか優しい眼差しで私に微笑んでいた。


「なんで、味がするの?いまさっきはまるで砂か粘土を食べているようだったのに」


「それは、吾の眷族だから。

食事が出来るのはシャリスの体の分け身がブロリーアンジュにあるからだな」


「えっ魂だけじゃなくて体も半分なの?」


「あぁそのようだ、食事が終わったらお茶でも飲みながら吾の分かることは説明するとしよう」


ノーライフキングは私の耳に顔を寄せて誘うように囁いた。


「どうだ吾の血が欲しいか」


私の体の体温が上がり顔と耳が赤くなっているのが分かる。


私はノーライフキングを見つめてコクリと頷くとアルラードの袖を捲りあげて5本の爪で深く傷を着けた。

食事に血が滴る。

食事を一心不乱にたべつくしてしまった。


あぁ、おなかいっぱい幸せ


思わず一筋の涙が流れ落ちた。

次回更新は6月4日15時10分を予定しております。

よろしくお願いいたします。


PVが少しずつ伸びています。皆さんに感謝です。

読んでくれてありがとうございます。


???

「感謝もイイけど、ちゃんと更新しないと読んで貰えなくなるかもね」


ミツマメ

「誰!私に現実を見せつけるのは」


???

「フフッ誰でしょうね、精々頑張りなさい」


ミツマメ

「早く執筆しないと、ストックがぁぁ」


皆さんの目にとまりますように!

楽しんで貰えますように!


2025年6月4日AKIRA Mitumame

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