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ノーライフキングと出会うまで 2





その日の教皇猊下は含みのある

微笑みで魔法を使うように言ったんだ。


私はなんの疑問も持たずにいつもと同じ様に魔法を使えばいいと単純に考えていた。


その日そこに居たのはかつての仲間だった。一瞬動揺したけど教皇猊下の含みのある顔を見ればやらねばならないことは何となくわかった。

動揺を隠していつものように魔法を使った。


洗脳と秘魂の呪。


教皇猊下はいつも以上に褒めてくれたけど、私は半分になった魂がどこに行くのか気になって後をつけてしまった。


教会の地下深くにある長い廊下には沢山の扉があり、教皇猊下は扉のひとつに入った。


その部屋には所狭しと棚が並んでいて、その棚には小さな引き出しが整然と並んでいた。


小さな引き出し一つ一つに金色のプレートがあり、名前が刻印されていた。


教皇猊下は鼻歌交じりに魔法で金のプレートに名前を刻印した。

引き出しの中に半分になった、柔らかな球体の魂をそっと入れていた。


教皇猊下ば違う引き出しの前に立ってひとつの引き出しを開けて大事そうに部屋の中央の水盆に柔らかい球体を浮かべ、それを媒体に水盆の前に霧でスクリーンを出し何かを映し出した。


それは以前送り出した勇者一行だった。


勇者一行は人の5倍の大きさがありそうなクマの魔物と戦ってた。

勇者が善戦して大きな熊の魔物を倒そうとした時、教皇猊下は水盆の柔らかい球体を鷲掴みにし、球体を破裂させると勇者達はみるみる力を失った。

勇者が倒されると連携も疎かになり、そのパーティは全滅した。


教皇猊下の手から流れ落ちていく魂を舌を伸ばして、舌で弄びながら啜り上げ食っていた。


うっとりと頬を紅色に染めて、そのパーティメンバーの魂を取り出し、別の部屋に持って行ってしまった。


その部屋には何匹もの魔物が透明なガラスの中に縫い付けられていて、呪詛を吐いている。


その呪詛はドス黒いドロドロとした呪いそのものだ。

ガラス容器の下の部分が漏斗のような形で漏れ出ている呪詛をガラス容器で回収し、そのドロドロとした呪詛に魂を漬け込んでいた。


魂が変容して魔物と化し熊の魔物になっていた。


それ以上見ることが出来なくてそっと戻り何事も無かったように毎日を過ごした。


あの教皇猊下の地下の部屋でのことが頭をよぎり、まだあの優しい教皇猊下のあんな姿を信じられずにいた。


アレは幻覚だったんだと思い込もうとしていた。その後も何人もの人に洗脳と秘魂の呪を施し続けた。

頭の片隅にはあの光景がよぎっていたけど、確認しにあの場所に行くことができなかった。アレは嘘だきっと私の妄想だ。そう思うことにした。


あれから幾年かたったある日、私と一緒に捕まった子の一人は聖女になっていて、その子が教皇猊下に詰め寄っている光景をたまたま目撃してしまった。


盗み聞きは出来ないと足早にその場を去ろうとしたけど、あの子はあの地下のことを教皇猊下に問い詰めていた。


あの子は、私に出来なかったことをしている。


私は足を止めてそっと覗いてしまった。

すると教皇猊下はまるで瞬間移動したかのように動きその子の口を開けさせて魂を啜っていた。


教皇猊下は少し啜って魂を食べるのを辞める。

力無く倒れたその子を抱き留めて教皇猊下は自分の指先を噛み切って血の着いた指ををその子の口に差し込んで口の中を弄び血を飲ませた。


その子は力を取り戻したように立ち上がったが、その子の目は虚ろで教皇猊下がその子の耳元で何かを囁いて頷くと、教皇猊下はその子に秘魂の呪を施した。

「コレで強い魔物が生まれますよ」と教皇猊下はその子の魂をみて呟いた。

その子は竜の谷の向こうにいる魔王の討伐のパーティに組み込まれた。

コレは叛意あるものに対する魔王討伐という名の処刑だと知った。


次は私の番だとあの子の目を見てそう私は思った。


次の更新は6月3日15時10分を予定しております

┏○ペコッ


”ノーライフキングと出会うまで”は、3で終わりますので、生あたたかい目で見守ってください。


皆さんのお目に止まりますように =͟͟͞ _|\○_

楽しんで貰えますように_○/|_


2025年6月3日相晶三実

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