ノーライフキングと眷属たち
扉を開けるとそこには、悲しそうな顔をしたミイシャ、頬をふくらませて怒っているイリース、ジュエルリ、アイビルに、申し訳なさそうにしているエルマとシャリスと、しれっとマクレーンが立っていた。
吾がミイシャの前に行き頭をポンポンと撫でるとミイシャは少し不満そうに見つめてきた。それでもミイシャは吾がどこに行ったのかを知っているため何も言わない。
その健気さに肩を抱き寄せた。
ミイシャは吾の胸に頭を預け、背中を撫でると少し落ち着いたようだ。
皆の前で甘えるミイシャは珍しい、可愛く真っ赤になっている耳を堪能しておく。
態とイリースをからかうために吾に甘えた振りをする時もあるが、イリースは怒ると頬を膨らませる、まるでパンパンにどんぐりを詰め込んだリスのようになるのでかわいいのだ。
しばらくして離れると俯いたまま立っている。
ミイシャの頭の中の妄想を現実にしても良いのだが、まぁ帰ってきてからだな。
耳まで真っ赤にして頬を膨らませながらイリースは、上目遣いで睨んでいる。
「ご主人様私も連れて行ってください、シャリスちゃんと一番仲良しなのは私だもん。ねっシャリスちゃん」
イリースが強い眼力でシャリスを見ると、イキナリ話を振られると慌ててエッとおどろいた後、シャリスは眼圧に負けてコクコクと頷いている。
「イリースよ、ソナタには新しくできる町を任せたい」
「新しい町ってなんですか」
イリースの目が興味深げにキラキラ輝いた。
「ハーピィの元生息地にアニマロイドの町を作ることになったのだ、そこの建築をイリースに任せたいのだ」
「いいのですか」
「話を通しておくよ」
よしよしと頭を撫でると嬉しそうにはにかんだ。
影をモラグに飛ばしておく。
モラグはスプリガンの町、エスペランカの町長だ。
モラグは今新しい町の建町の陣頭指揮を執っているはずだ。
ジュエルリは既に目に涙溜めて目をウルウルとさせている。
「マスター連れて行ってください、絶対に役に立ってみせます」
「ジュエルリには吾の領地の防衛に力を入れて欲しいのだ、特に東側諸国の動きがきな臭くなって来ている、警戒してくれまいか」
驚きで目を見開き、先程の涙は消え去って、ため息をひとつ吐く。
「また攻めて来るのですか、政権交代の度にこちらに攻めてくるのをやめて欲しいのです。マスター、みんなが住むこの森は私に任せてください」
「うむ、ジュエルリになら任せられる。いつも皆に忍ばせている影コウモリで連絡をしてくれ」
「ふふっ新しい魔法を考えていたんです試してもいいですか、あの魔法もいいかもしれないのです」
「先にこちら側から攻撃を仕掛けないように、新しい魔法は使う前に報告しなさい」
「はいマスター、何かあったらすぐに連絡するのですよ、そして東側諸国に二度と手出ししたく無くなるように心胆寒からしめるのですよ、ふふふふっ」
「では、ジュエルリ任せたぞ」
「ハイ」
ちょっと気味悪い顔でニヤリとほほえんだ。
もう頭の中は魔法でいっぱいのようだ。
「さてアイビル、ソナタにはこの度被害を追ったソナタの村の復興を頼みたい」
「はぁい、お任せくださいご主人様ぁ、村の復興に尽力しますね、エルマの分も頑張ります」
「アイビルなら任せられる、村のことで困ったことがあったらミイシャを頼りなさい」
「分かりましたご主人様ぁ、なるべく早く帰って来てくださいね」
「ありがとうなるべく早く帰るよ」
さすがアイビル吾の眷属の中で大人になってから吾の眷属になったために精神の年齢が皆より大人だ。ヴァンプになると精神年齢の成長が遅い傾向にあるようだ。背丈は吾の眷属の中で一番低いのだが、10代でヴァンプになったものより精神年齢が大人だ。
「さて、エルマよソナタはブロリアンアジュの教会に行って己の半魂を手に入れてもらおうと思っている。
教会内に入り込んでいる、我の影ネズミでは見つけることが出来なかったのだ、エルマという名前のプレートが287あり、どれがエルマの半魂か判別できない、エルマがいって半魂の判別をしなければならぬ、出来るか」
「はい」
エルマは決意して頷いた。
エルマは半魂がないせいで吾の屋敷から出られなかった。ずっと我慢していた。今回の旅で我慢した分羽を伸ばして欲しい。
本当はエルマが笑顔でいればそれだけでいい。
「シャリスは吾が出した宿題を考えておくのだぞ」
シャリスは戸惑い気味に頷く。
は吾の眷属達を抱き寄せた。
吾とエルマとシャリスが古竜の住むエテルニーダ山に行くことに決まった。
「あれ、俺の番は」
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