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ノーライフキングの領地 • アイビルとエルマの村





吾らが村に到着すると、そこには逃げ惑う村民たちに竜が急降下や村民を持って弄んで、楽しんでいる。


吾はカッとなり強く地面を蹴って飛び上がって、竜が飛んでいる所まで行くと次々に竜の頭を殴って回った。


しばらくすると、そこには脳震盪を起こした竜たちの山が出来た。


竜をシバいている間に、吾のヴァンプたちは怪我人に聖属性ではない再生魔法『レナトゥース』をしている。


シャリスには聖属性の魔法を使うことを禁止している、シャリスは『レナトゥース』を使えないため、魔法を使わず出来ることをしている。


シャリスは真剣に怪我人を看ながら、たまに眉間にシワを寄せて思い悩んでいるようだ。


吾は村の広場で20匹程の竜の山を見上げていた。1匹が5メルテの大きさの若い個体のようだ。


その山の中から翼が赤く、他の竜より少しだけ大きな個体を引っ張り出している。


粗かた事態が収まると被害の状況をまとめた村長が報告にきた。


村長は筋肉質で野良仕事で健康的に肌が焼けている。はっきりとした目鼻立ちにあごひげ、さっぱりと切りそろえられた髪の色は赤みがかった茶色の強面の巨漢だ。年の頃は30代後半だろうか。


村長は深々と頭を下げて報告をする。


「この度は我らを助けていただきありがとうございます。

して、損害ですが亜麻の畑と綿の畑が竜が落ちて5面と麦が2面と住宅が7軒に被害がありました。

道の石畳が割れるなど被害がありましたが、人的被害の方は幸いなことに死者は出ませんでしたが、怪我人は80人ほどいましてミイシャ様が建てるように指示された新しい倉庫は完成間際で荷物が丁度ない状況でしたので石レンガの倉庫で奥様方が怪我人の治療にあたられています」


村長は強面に太い眉毛をキリリさせ、堂々としっかり報告をし、顔面の圧を感じる。

思わず顔を背けたくなる。


「うむ、報告ご苦労だったな。

被害にあった畑の収穫量を報告をするように。

壊れた建物は吾の配下を数人寄越す。いいように使ってくれ。

5村間貿易の中で影響が出そうならミイシャに早めに報告をしなさい、血税が行えるまで、怪我をおった者の半年の血税の免除を行う。それまでに調整をしなさい」


強面の村長はほっと息を吐いた。


「ご領主様、被害については食料はミイシャ様の石レンガの倉庫の1つの解放で賄うことができます。リネンと綿に影響の方が心配されます、アイビル様とエルマ様に納める糸と布の方が減ってしまいそうです」


「まだ、フェルチェクトの糸とフィロモスの糸の方は被害はなかったのであろう気にせずとも良い」


「では、今期は養蟲の方に力を入れたいと思います」


「リネンと綿も忘れぬようにな」


「もちろんです」


ふわりと風が吹き抜けるとそこには

アイビルが側に立っていた。


「アイビルではないかどうしたのだ」


「孤児院の子の一人が再生の魔法をかけても目を覚まさないの、ご主人様ぁ診てあげて」


「アイビル様それは孤児院の誰ですか」


村長が強面の顔の太い眉毛の眉をこれでもかと下げ、心配でソワソワしだした。


「それがソフィアちゃんなのよ」


「ソフィアさんですか、どうしよう」


村長があからさまに動揺しだした。


「ソフィア、孤児院で子供の世話をしている者だな、では先に行く」


広場から新しい石レンガ倉庫に入ると床に敷かれた布の上に少女が横たわっている。その横に膝まづいてミイシャが額に汗を流しながら『レナトゥース』の魔法を掛けている。

ミイシャの周りを心配そうに子供たちが囲っている。


「ミイシャ変わる」


「マイロード」


泣きそうな顔で見上げてきた。

スっとミイシャが立ち上がり、吾と場所を変え、吾は、ソフィアの手を握り、魔力を薄く広くソフィアに広げ耳から影を忍び込ませる。


脳裏に体内の映像が浮かんだ。


「これは危ない」


脳、神経を避け、血管を避けて血溜まりを影でパスを繋ぐと鼻から血が流れ出る。 血管が裂けていた場所は既に塞がれている。


ソフィアの血が流れるのを見ると女の子たちはしくしくと泣き出し、男の子たちは息を飲んで小さな子はたちはわんわんと泣き出している。

その空気感を感じて他の大人たちもしんみりとした雰囲気になっている。


そこに走ってきた村長が立ち尽くしている男の子に声をかけた。


「どうしたんだウィン」


「ぞんちょーぞヴぃあねぇちゃんがチぃだじだー」


「そんな、ソフィア、俺はまだ」


村長は項垂れてポツリと呟いた。

少し近寄ってソフィアを遠巻き眺めると鼻から血が流れ出し、耳から影が出ていくと、ソフィアの瞑っている目に力が入ると薄らと目が開く。


「もう大丈夫だ」


ポンポンとソフィアの頭を撫でた。


「マイロード、良かった」


ミイシャがポロポロと泣き出した。

子供たちもホッとし、わんわんと泣き出した。


当の本人は顔や首、耳まで真っ赤にして吾をボーッと見ている。

助かってほっとしているのだろう。


「さて、ソフィアよ助かってよかったな、では参る」


「ハイー、ぁぁぁアりガとおうゴざいまス」


声に力が入っている。領主に話しかけられて緊張してしまったのだろう。


村長がソフィアに駆け寄って、よかった、本当に良かった、何度もつぶやきと涙を流していた。


スっと立って竜が積まれている広場に戻る。

その後ろをミイシャが着いてくる。


「マイロード、ソフィアの病状は、私の『レナトゥース』が、効かなかったのでしょうか」


「いいや、傷はちゃんと再生されて治っていたよ、ただ脳内に溜まった血が脳を圧迫していたのだよ、だから溜まった血を抜いたのだ、この症状は『レナトゥース』では、治らない病状の1つのだな」


「そうでしたか、ちゃんと体内で何が起こっているのか知らなければならないのですね、もっと私に知識があれば、4000年も生きててこんなことも知らないなんて悔しいです」


「そうか、ならば屋敷の書庫に専門書が幾つかあるから読んで見るといい」


「ありがとうございます落ち着いたら読みます、絶対」


相当治すことが出来ず悔しかったのだろうな。やりたいことが出来るのは良い事だ。存分に学んでほしいものである。


広場に戻ると赤い竜が起きていて地面から伸びた影が竜を縫い付けている。


グォルと怒りを露わにしていた。


「お前吾の領地に手を出したこと後悔させてやろう」


冷静でかつ心臓が凍るほどの冷たい声で竜に話しかける。

怒っていた竜がクオと小さく鳴いて地面に頭を擦りつけ恭順を表す。


「何用で吾の領地侵入したのだ、ことによってはお前含めてそこの竜を全て素材にしてくれよう」


竜は地面に頭を擦り付けたまま首を横に振って、チラリと吾を見た。


「申したい議があるなら申してみよ」


クォルと鳴くと思念を送ってきた。


「言葉も発せぬひよっ子が、父竜が病気で苦しんでいるのか、助けて欲しいと申すのか、助けて欲しいのに吾の領地で好き勝手暴れたのだな」


そこで竜はハッとして顔色を悪くした。


クルゥと鳴いて反省してきた。


「反省したから許されると思うなよ小童が」


クルゥクル


「なんでもするから父竜を助けて欲しいだと」


「なんでもと言うたな後悔するなよ、お前10年の役竜にでもなってもらおうか、お前はこの領地のために10年働けそこの積み上がっている竜全員だ、ほら今鳴いて親竜に報告しろ」


ぐぐォォォォと大きな声で泣いて

ことのあらましを報告すると北の山から雷のような鳴き声が広がった。


どうやら許して貰えるまで帰ってこなくていいとお叱りを受けたようだ。


積み上がっていた竜たちが今の声で起きてこれまでにないほどに叱られ頭を地面に擦り付けて恭順を表した。


この竜たちは村長に丸投げして夫役にでも使ってもらおう。


「ミイシャ後の事は頼む、北の山に行用が出来た、暫く留守にする、シャリスをついでに連れて行ってブロリアンアジュに届けてくる、忙しくさせて悪いが用意も頼む、後のことは頼んだぞ」


「お任せをマイロード、エルマもお連れください」


「うむ、わかった」


出かけなくてはならなくなったな、北の古代龍の生息する、エテルニーダ山に。



2025年8月6日


ご覧いただきありがとうございます


相晶三実

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