ノーライフキングのダンジョン攻略19~スタンピード6~
オス1頭に5頭のメスのパーティだ。みんな両手を挙げて我々の5メルテ手前で止まった。
「こちらの代表者はどちらでしょうか、私百獣の王を仰せつかっている、ライオノイドのライオネルと申します」
モラグが駆け寄ってきた。
「ワタシがスプリガンの町の町長をしているモラグです。ご丁寧にありがとうございます」
「モラグ殿、折り入って話があるのですがよろしいでしょうか」
その場に2人は座った。
ライオネルの後ろにメスライオノイドを控えさせ、モラグの後ろにはモラグのパーティと俺が控えた。
「話というのはなんでしょうか」
モラグが聞いた。
「まず、私たちここの内側にいる者に敵意はありません。
次に、ここはどこでしょうか
我らの王国に帰ることはできるでしょうか」
「我々も敵意の無いものと戦いは望まない。
ここはダンジョンの中です。
様々なご不安もあるでしょうが、ここの土地を納められておられるご領主に相談するのが筋というものです」
「では、ご領主様にご紹介頂けないでしょうか」
「もちろんだ、今ご領主はここの結界の上で戦われていらっしゃる。
あなた方はダンジョンで生まれたのではないのですか」
「いえ、我らはここに召喚された、アニマロイドです」
モラグは目を見開いて驚いた。
「召喚ですか、誰がそんなことを」
ライオネルは首を振った。
「分かりません、我は国で農作業をしていたところにいきなり召喚されました」
「俺はそんな学がある訳じゃ無いが、この大陸にアニマロイドはいない、確か昔聞いた話じゃ東の海を渡った先の大陸でチラッと聞いたことがあるくらいだ」
「そうか、そう簡単に帰れそうにありませんね、ではどのくらいになるかわかりませんが我々に、宿と当面の食料の提供をどうかお願い出来ないでしょうか、もちろん我々が提供出来る限りのことはするつもりです」
「分かりました、我々が協力できうる限りのことはさせていただきます」
モラグとライオネルが固く握手した。
「それなら良い場所がある」
旦那がモラグの親方の影から現れた。結界の外に目を向けるとまだ黒い矢の雨が降り注いでいる。
「ご領主」
親方が膝をついた。それに習って俺たちも膝をつく。
アニマロイドたちもそれに習った。
「ご領主、ライオネル殿をご紹介してもよろしいでしょうか
こちは、ライオネル殿こちらが我らの住まうこの森を治められておりますご領主様のアルラード エピカリス様です」
「ご領主、こちらアニマロイドのライオネル殿です」
「ご紹介に預かりました。
私はアニマロイドの国
アニトユーア王国が国王ライオーン6世が5男ライオネル サンダース レオン アニトユーアと申します、この度は同胞の数々の無礼とご迷惑をおかけした事、謝罪申し上げます」
旦那がライオネルに目線を合わせた。
「王族の方でしたか、吾はここのダンジョンを含むこの森を治めるアルラード エピカリス 、ノーライフキングだ。
吾の眷属にアンデットが多いが気にせず付き合ってくれ、吾の命令なしに襲いかかったりはしない故」
「ノーライフキングということはご領主様はヴァンパイアなのですか、我々から何人の生贄を捧げれば良いでしょうか」
「イランイラン」
旦那は苦笑気味に手を振った。
「我らの国ではたまにヴァンパイアが現れ、生贄を求められますが本当によろしいのですか」
「吾は人の食事ができる故、贄はいらんよ」
「それでは人と変わらないのでは」
ライオネル殿は終始興味津々に質問をしている。
「そうさな、4000年存在する人間がいれば、そうなるか? 」
「4000ん!年」
ライオネル殿の後ろに控えている女のライオノイドが咳払いしてライオネルを止める。
「すいません脱線しました。国では私自身国政に関わることはなく農業や魔法の研究などを主にしていまして、心優しいご領主様のようなヴァンパイアを初めて見ましてつい、お恥ずかしい」
「心優しいかは、わからぬよ」
旦那がニヤリと笑った。
「いえいえ、心優しいです、あの黒い矢は我らの国の者には追い立てる位で殺すためには放たれておりませんでしたから」
ライオネル殿は旦那を挑戦的な目で見上げた。
旦那が目を細めて含みのある顔で微笑した。
「そうか。
では、どうかなここから西南の方角にハーピィどもが争いをしていた土地が荒れてしまってね。
ある程度の森の再生をさせているのだが。そこを開拓してみないか。その場所を開拓するなら街を起こすことを認めよう」
「よろしいので」
「もちろんだ」
「あのぉ」
ライオネルの後ろに控えている比較的若いライオノイドの子がオズオズと声をあげた。
「ナニかな」
旦那が優しいく声をかけた。
「お話に割り込んでしまし申し訳ありません、私達は国に帰ることはできないのでしょうか」
ライオネル殿の後ろに控えている女子たちが辛そうな顔で聞き耳を立てている。
「出来ぬ」
旦那の返事にライオノイドの女子達はあからさまにガッカリし俯いた。
「今はな」
ほんの少しの希望にライオノイド女子たちが顔を上げた。
旦那がコブシを顎に当てて考える。
「転移の魔法があれば簡単なのだが、吾は持っていないし場所が離れすぎている東の大陸を二つ超えねばならんし問題は海だ、魔物が強力すぎて船では渡れない、
今回召喚された魔法が解析出来れば良いのだが」
「ご領主様それは何卒お辞め下さい」
ライオネル殿が頭を下げた。
「なぜだ」
「この召喚には大量の魔物の贄をつかった召喚魔法だからです。
わたしが召喚陣に吸い込まれた時、対になって魔物が召喚陣に吸い込まれました。
今我が国ではこのダンジョンの魔物が暴れていることでしょう。
この召喚陣を使うということは向こうの国の人がこちらに来てしまうということです。それでは私たちが帰還するために多くの犠牲者が出てしまいます。
どうかおやめ下さい」
「うむ、ここにいるものを送り返すとして、同じ魔物がこちらに来るとは限らないし、吾が凶暴化したアニマロイド達を倒してしまったしな」
ライオネルは頭を下げたまま話した。
ライオノイド女子たちが悲痛な面持ちで佇んでいる。
旦那が明るい声で暗くなった空気を打ち破った。
「空を飛ぶ乗り物でも作れば良いのだ、モラグたちは飛行する石でも見つけてはどうだ、協力を惜しまないのであろう」
「そりゃもう、飛行する石ってのは存在すんで」
モラグの親方は嬉しそうに答えた。
「そんなもん知らん、魔力の多い石でも見つければ良いのではないのか」
「ドワーフや鋳掛屋妖精辺りに作らせれば面白いものが出来そうだ」
ライオネルが顔を輝かせた。
「ご領主様、是非我も乗り物を作る仲間に入れてください」
「さて、ここの階層に残されたのは其方等のみとなったようだ。
吾は其方等を召喚した者と話さねばならん、話し合いが終わればそこの障壁も消えよう。
モラグよ皆をまとめて地上に行き町に戻った後、精鋭を連れて元ハーピィ共の生息地に行き開拓を着手せよ、エルダーとドワーフ、大工妖精にも声をかける、力を惜しまず貸すように、
ライオネル、ソナタに生き残たアニマロイドの長を任ずる。
よく治めるように」
「かしこまりました、ご領主」
「拝命いたしました、ご領主様」
親方とライオネル殿は片膝をついたまま深く頭をさげた。
旦那が影から3匹のコウモリを出して指示をして放った。
次回更新は6月30回を予定しております(*^^*)
よろしくお願いします_(._.)_
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2025年6月28日相晶三実




