ノーライフキングのダンジョン攻略11 ~一階層、子供たちのパーティ戦~
一階層の魔物は弱い魔物ばかりなのに。
僕のパーティには僕とスタッドとかコリンの兄弟とアエンそれに何にも喋らないシアンがいる。
さっきのスライムと戦っている時、僕はシアンに押された。
シアンはずっと真剣な顔で口をへの字に曲げて目をキョロキョロしてちょっと気味悪い。
みんなお揃いの作業着に胸当て、水筒にリュックとナイフをみんな持っている。
コリンは弓の練習中でナイフは使わない。
シアンだけ作業着や胸当てが煤けてる。
とーちゃん達の話を盗み聞きした時にシアンは魔法の練習をしてるみたいだ。
僕も魔法使ってみたい。
後で話しかけて教えてもらおうかな。
でも、シアン喋らないし、教えられるのかなぁ。
僕たちは中級者の道に進んでいる。
同じ魔物がいっぺんに出てきて、みんなで、力を合わせて戦わないと、勝てないんだ。
危なくなると僕たちのとーちゃんが代わりに倒してくれるけど、そこから何で倒せなかったのか説教を食らうんだ。
次の魔物を倒してもっと強くなりたいのに。
「カインちゃんと聞いているのか」
とーちゃんに拳骨をくらった。
「痛ってぇ!なんで殴るんよ」
「ちゃんと、考えろ。
なんで、魔物を倒しきれなかったんだ、なんでお前は怒られたんだ。ちゃんと考えろ」
「なんでって、俺たちが弱いからだろ、あったりまえじゃねぇか」
「この、バカが」
また拳骨をくらった。
「痛ってぇ! 」
「クリフやめろ」
スタッドとコリンのとーちゃんのマクアーノさんが僕のとーちゃんを止めてくれた。
スタッドのとーちゃんは、あんなにおっかねぇうちのとーちゃんを止めちゃうくらいスゲーんだ。
スタッドのとーちゃんが俺に目線を合わせて、肩に両手を置いて、しっかり僕の目を見て優しい目つきで言った。
「いいかカイン、クリフはお前のことを死んで欲しくなくて怒ったんだ」
「死んじゃうなんて、そんなコトないよ」
口を尖らせて、スタッドのとーちゃんから目を逸らした。
「死ぬぞ、気を抜いたら大人だって弱い魔物にも殺されちまうことだってある。
ここの魔物の中で一番弱いって言われてるスライムにだって食われちまうこともあるんだ」
「あのスライムだぜ、やられるわけない」
眉間に力を入れてスタッドのとーちゃんを睨む。
「さっき、シアンがお前を突き飛ばしただろ」
「うん、上からスライムが落ちてきたから」
「2階層の後に出るスライムのほとんどが上から捕食液を出しながら落ちてくる。
覆いかぶされたならば確実に死ぬ、
ダンジョンってのはそういうところだ。
油断が死につながるんだ。
ここは遊び場じゃない、だから、周りをよく見て、仲間を信じて、次の行動は何をしなくちゃならい、いつも考るんだぞ、分かったか」
「うん」
下を向いたまま顔を上げられなかった。
地面にぽたぽたと涙が落ちる。
☆
「すみません、マクアーノさん」
思いっきり眉毛を下げたクリフがしっかりカインを諭してくれたマクアーノに声を掛けた。
「いいんだ、 ご領主様みたいには上手くいかねぇーな、すまんなクリフ」
マクアーノも眉毛をこれ以上、下がらないんじゃないのかと思うくらい下げていた。
☆
下を向いて落ちた涙の数を数えてる。
見てる地面のギリギリのところで腕にぶら下がるコウモリが腕の傾きに合わせてユラユラ揺れているのが見えた。
コウモリが腕にぶらさがってるのか気になった。
「何それ」
顔を上げる。
シアンの腕にはコウモリは止まっていないのに、シアンの影の腕にはコウモリがいる。
「どうなってんの」
シアンは喋らないからニヤリと笑ってコウモリを消した。
「すっげーもう一回やって」
頼むと、シアンは首を振った。
そして前を指さした。
指をさされた方を見ると、5匹のスライムがいる。
シアンが指さすのは天井でよーく見ると薄ーく伸びたスライムがいるのがわかった。
その下をスタッドが床にいるスライム目掛けて走っている。
「スタッド、上にスライム、コリン弓でやっつけられる?」
「私の弓じゃ魔石狙えぇへん」
走り出そうとする僕をシアンのコウモリが止めた。
シアンの手には魔力で作られた弓を引き絞って矢を創り放った。
一直線にスライムの魔石に飛んで行き、天井のスライムを倒した。
ハハハ
シアンがとっても嬉しそうに声を立てて笑った。
その後無事スライムを倒した僕たちは、こってりとーちゃん達に叱られた。
今回はスタッドが叱られてる。
ホッとしていると、とーちゃんに拳骨を食らった。
ムッ納得いかない。
シアンはずっとニコニコと笑っていた。
次回の更新は22日8時10分を予定しております
よろしくお願いします
皆さんの目に留まりますように
楽しんで貰えますように
2025年6月21日相晶三実




