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ノーライフキングは家を把握したい




少し先に湖面が光を浴びてキラキラと輝いているのが見える。その隣に城が見える。


やっと着いたか。


シャリスが途中で目覚めそうになるのを何度か『エナジードレイン』をかけた。飛んでる最中に騒がれてはかなわないからな。


我が家の前に立つと、呆れと驚きで吾が家を見る。半年ぶりの吾が家は相変わらず窓という窓に鎧戸が掛けられて陽の光を防いでいるのは変わらないはずなのに1.5倍大きくなっている?


はぁ、またやりやがったな。

仕方の無いヤツめ。


大きな扉をトンと押し開ける。闇の中に気配がこちらを観察しているような気配がある。

真っ暗な玄関ホールに扉の光が入る。吾の影が光の中に現れ中に入り、風を扱って扉を閉じた。 


扉が閉じた途端五人の女たちが吾に抱きつく。


「「マスター」」「「ご主人様」」

「マイロード」


「「「「「おかえりなさいませ」」」」」


「皆息災か。

イリースまた改築したな。


ジュエルリ、エナジーが少し大きくなったな毎日瞑想を続けているのが手に取るように分かる、偉いぞ。


アイビル、その布は美しく出来上がっているな、よく研鑽している。


エルマ、皆のサマードレスはよく縫えている。どんどん上手くなっている。どこに出しても恥ずかしくない出来だ。


ミイシャここの変わりはなかったか」


皆を褒めつつ頭を撫でると、皆嬉しそうに吾に顔を埋めて来る。


可愛いヤツらよ。


「ハイ、マイロード皆恙無く過ごせております。農園も順調です。さて、マイロードその肩に乗せている女狐は何処の女狐なのでしょうか、また拾って来たのですか、いい加減にしてください元の場所に戻してきなさい」


ミイシャの雷が落ちる。物理的におお怖い。


「ミイシャお姉様やっと私の妹が出来たのに犬猫のように追い出すなんて可哀想です」


「全くイリースは仕方ない子ですね」


「では、イリースよ、この娘シャリスという、風呂に入れて新しい服を着せ、休ませると良いイリース頼んだぞ」


「ハイ、マスター私頑張ります」


イリースはぺこりと礼を取り吾の肩からシャリスを受け取り風呂場に向かった。


「皆も助けてやってくれ」


「「「かしこまりました」」」


ミイシャ以外がイリースの後を追った。


「マイロードお話があります」


ミイシャが吾の後ろに立って否を言わせない気配を放った。


応接室に移動し重厚感のあるソファーに座るとミイシャが紅茶を入れ焼き菓子を置いた。


「スリミス産茶葉とダルラジー産の茶葉を7対3ブレンドした紅茶とスリミスの茶葉を入れたフィナンシェにございます」


紅茶を一口飲むと香り高いスリミスの芳醇な香りがふわりと薫る。

ダルラジーはフルーティーな香りと程よい渋さが素晴らしい紅茶なのだが、渋さが口に残っている。


ミイシャはかなり怒っているらしい。


たまらず、フィナンシェを1口、バターの風味が口の中の渋さを取り除き口いっぱいに甘さが広がり、スリミス産茶葉の芳醇な香りが後からふわりと香った。


美味いな、紅茶の渋さをフィナンシェで上手く消す当たりもミイシャの計算の上なのだろうか、

ミイシャは吾の眷族となって一番長い、彼女の糧は吾の血のみの為食事をしなくなって長い、だから味というものを忘れてしまってもおかしくはないが、それは無いな、ミイシャの入れる紅茶はいつも美味しいのだから、紅茶の渋さはわざとだな、かなり怒っているようだ。

上手く話を持っていかないとな、聖属性の結界の話をどうするか?ミイシャは合理的な考えをするから利用価値があれば取り入れようとするかもしれないがおそらくシャリスは秘魂の呪をかけられている。


さて、どうしたものか。


「のぅ ミイシャよそんなに怒らなくても良いではないか」


「いいえ、イリースを迎え入れた際もう拾ってこないと約束したではないですか、またマイロードの大切な血をお与えになったのですか、あぁなんてことでしょう、嘆かわしい。えぇ、許し難い」


ハンカチを口に咥えて引っ張る。

シャリスを食いちぎらんとするかのように。


「落ち着いてくれミイシャよ、今回は不可抗力だ、聖属性の魔法を使おうとしていたシャリスの口を塞いだら噛み付かれたのだ。意図してヴァンプを作った訳では無いのだ」


「信じられませんが、仕方ありません。眷族に迎え入れるのでよろしいのですね」


「今回はシャリスに任せようと思っている。シャリスはブロリアンジュ王国の聖女らしい


吾の血故にシャリスは吾の眷族であるが。他のヴァンパイアであれば屍食鬼となっていただろうな」


「ブロリアンジュですか?また厄介な


マイロードが吸血したものはみなヴァンプにしなくても良いのでは無いですか」


「吾の血を飲んだもの全てが吸血鬼になる訳ではないぞ。処女もしくは童貞の者で吾の血を口にして屍食鬼に変じ無かったものがヴァンパイアもしくはヴァンプになるのだよ」


「ワタクシはその変じるか否かはマイロードの匙加減だと言っているのです。捨ておいて屍食鬼にでもすれば良いのです。」


「まぁまぁミイシャよ、そう怒るでない。シャリスは秘魂の呪が使われているのだ」


「あの国も飽きませんね。

あの国に行かれるのですか?危険ではないですか」


「それも含めてシャリスに決めさせようと思う、吾の血を欲するか否か、まぁ少量は与えてやらねばならぬが、それよりこれを見てくれ」


吾は上着を脱ぎミイシャに渡す。

あからさまにミイシャは顔を赤くさせて物欲しそうな目をする。


次にベスト、シャツのボタンに手をかけるとミイシャがスっと寄ってきて吾のボタンを外し、割れた腹筋をなぞる。その手を下にすべらせると吾はその手を掴んだ。


「マイロードのいけず」


ミイシャが嘆いた。


「それよりコレを」


ミイシャに背を向けた。


ミイシャの指が吾の背中のソレをなぞる。


「聖痕ですか? 」


「うむ、聖痕で間違えないか、シャリスの放った魔法だ。


ここに向かう途中に背中で吾を乗っ取ろうと暴れたので制した。コレを見てくれ」


『ホーリーアロー』


ホーリーアローは聖属性の初級の攻撃魔法だ。それほど攻撃力は無いが。


光の矢が吾の手に現れる。

ミイシャに目配せして下がらせる。吾は窓を開け、ちょうど飛んできた魔物にホーリーアローを投げ当てると魔物が落ち、配下スケルトン達が我が家に運んだ。


窓を鎧戸までしっかり閉め、シャツを着る。


「マイロード、本来のホーリーアローにはあの程度の魔物を屠る力はありませんよね。

それに、マイロードは今まで聖属性の魔法はお使いになれなかったはずではありませんか」


「うむ、そうさなホーリーアローを使った時の背中の聖痕はどうなっていた?」


「はい、マイロードの背中の皮膚を少し焼きましたが、すぐさま再生なされました」


「まだ使えるのは初級のホーリーアローだけらしいが研鑽すれば他の聖属性の魔法も使えるかもしれんな、それにシャリスの張った聖属性の結界は我々の悲願太陽の元を歩けるようになるかもしれんのだ」


「それは本当ですか?」


「吾はまた聖属性の結界を張れぬが、シャリスが張った聖属性の結界の元ならば吾もヴァンプになりたてのシャリスでさえ陽の光の元にいることが出来たのだ。


どうだ、シャリスを吾が家に迎え入れるのも吝かではあるまい」


シャリスは眉間に皺を寄せ顎に手を置いて考える。


「まぁ、迎え入れるのは許容出来なくはありませんが、そうなりますとやはり、秘魂の呪が問題になりますね」


「秘魂の呪の問題は、シャリスがどうしたいのか聞いてからだな。

それより気になるのがこの聖痕を刻むと聖属性魔法が使えるかどうか気になるな、どうだ、ミイシャ刻んで見ないか」


「はぁマイロード、私達ヴァンプはマイロードほど頑強には出来ておりませんので聖痕が刻ませた端から体が崩れ落ちることは火を見るより明らかですよ、全く研究とな周りが見えなくなるのは昔から変わりませんね。

他の配下で試してくださいませ」


「うむ、考えておく。

さて、今日の晩餐は何かな」


「マイロード、まずは旅の疲れを取っていただきたく、風呂の用意ができております。

その後日が暮れたら先程の下等竜を使った晩餐に致しますね」


「ミイシャ、半年ぶりの吾が家だが、風呂の場所は変わっていないのかな」


ミイシャが顎に手を当て少し考えると。


ミイシャの様子を見るに、明日は家の中の探訪になりそうだ。

全く。帰る度に家の中が変わるのは如何なものなのだろうか。


「マイロード、ご案内いたします」


吾は応接室を出てミイシャの後を追う。


次が気になる、早く読みたいと思わせられる作家さんになりたいです。

まだまだ力不足ですが皆さんの、「この文可笑しくない?」とか「この漢字ここで使わないよね」とかとか気になることがあったら是非教えてください。

m(_ _)m

叱咤激励が活力ですどうか皆さんの目にとまりますように(人´∀`*)2025/6/1 AKIRA MITUMAME

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