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ノーライフキングは登山がお好き6 ~目的地のその前に~





天気はあいにくの雨、先程まで晴れていたのに。山の天気は変わりやすいな。

ほぼ垂直の岩壁をストトトトトトと這い上ると山頂付近の岩肌にポッカリと口を開けた洞窟がある。


入口は暗く湿っていて好き好んで入りたいとは思わない外観をしているが、中に200メルテほど進むと、ぼんやり明かりが見えてくる。スプリガンの町だ。


スプリガンは黒い肌に鷲鼻で背は低く一見おじいさんに見える外見をしている。生まれた時から顔はそう変わらない、身長の違いで成長度合いが分かる。


彼らはスプリガン、この洞穴に住まう貴石加工の達人たちだ。


吾は彼らに預けたとある物を取りに来たのだ。


岩肌を削って作った出店が所狭しと立ち並び怒号や喧騒で活気に溢れている。


耳を澄ますと、鉱石採掘の現場に繋がる入口からは小気味よいツルハシで叩きつけるカーンカーンと音がし、

採掘された貴石の研磨屋では、研磨材で磨く音や、鉱物の加工屋はノミや工具で様々な音がまるで打楽器の演奏のようだ。


それらのツルハシの音などが、耳を澄ませなければ聞こえないのかといえば、スプリガンたちの声のデカさに理由がある。

吾は毎回驚かされるのだ。


吾は耳を毎回魔法で音の調節をしている。


スプリガンたちの町はメイン通りを中心にいくつもの脇道があり、中は迷路になっている。鉱物を掘った後、店や工房を拡張した結果が迷路を作り出している。


吾はメイン通りを奥まで進み、いくつかの曲がり角を曲がり古い一軒の工房兼店に入る。


ここの町が出来てからある古馴染みのやっている店で木製のスイングドアを押してはいると、スイングドアがお化け屋敷に出てきそうなとてつもない音をたてる。


その音を聞いてスプリガンの男がカウンターの奥の椅子によっこいしょと登り顔を出した。


ウリスタンのバーのマスターのような装いだ。


ウリスタンはブロリアンジュ王国より西にある国で、荒野に荒くれ者が多く居て、火を吹く魔導筒に引き金をつけた魔導武器が発達し、盗賊やら保安官やらがその魔導武器を使う国だ。


「いらっしゃい旦那、今日は何用で」


「久しいなマクレーン、モラグはまだ生きているのか? 」


「親方ですか。奥で槌を振ってピンピンしてますよ」


「アレを取りに来た、持ってくるように言ってくれまいか」


「扉の音を聞いて親方はもう取りに行ってます」


「今回は何が必要だ」


「そうですね、風邪薬、咳止め、化膿止めの軟膏に、熱冷ましと、腰痛に効く薬とかってありますか、あぁそれと、委託販売の手数料の変身薬は多めにお願いします」


影から薬のストックをだした。


「今回は急がせた。行商ご苦労だったな。


うむ、風邪薬、咳止め、熱冷ましを200づつ、化膿止めは手持ちが100だな、腰痛の薬は無いから今から作る隣の作業場借りるが良いか、いつもの変身薬は20だがどのくらい必要なのだ?」


「作業場は好きに使ってください。いつでも使えるように掃除してありますよ、変身薬を後10欲しいですね」


「そんな必要なら貴石に魔法を範式で固定させようか」


「やめてくだせェ旦那、そんな貴重なモン持ってたら、人間に奪われっちまう。

それに旦那の薬は1包で3日も持ちまさぁ、それを20包で60日、今回はちょっとバァニーチェの宝石市に行きたくてね。


旦那にワガママ言ったって親方にバレたらドヤされるがどうしてもっ、このとーりお願いしまっさぁ」


マクレーンは頭を下げ、頭の上で手を合わせている。


「ほう、バァニーチェかぁ、吾も久しく行ってないのう


コレから雨も多くなろう、包みではなく丸薬にしておこう」


姿勢を戻したマクレーンはコクリと頷いた。


「助かります、油紙で包んで言っても雨が降ると心配になるんですよ。この薬がないと化けの皮が剥がれっちまうんでね。


では、コレが今回行商売上でさぁ

 東方銅貨が700枚で大銅貨7枚でさぁ、旦那の薬は効果が高いのに安いすぎるんでさぁ、もっといい値段をつけても買う人なんざごまんといるってもんだ」


「それでは農村の者が薬を買えんだろうが 」


「確かにそうなんですがね、行商人目線で見るとどうしても勿体なく見えちまうんで」


「人間というのはすぐに死ぬ、死ねばその者の持っていた技術が失われてしまう、失ったら美味い野菜や手間隙かけた家畜が食べられなくなるではないか」


「イヤイヤ旦那アンタはノーライフキング、ヴァンパイアだろ普通に飯が食えてんのがおかしいってもんでさぁ」


「あぁ味覚か?色々故あってな」


フッフッフ


悪い顔で笑った。


ギィっ


と音を立てて勢いよくスイングドアが開き老いたスプリガンが入って来た。


「ご領主、久しく」


「あぁ、モラグ変わりは無いか」


「恙無く」


「うむ、鍵を頼む」


「手配した」


モラグはつかつかとマクレーンの隣にやってくるといきなり拳骨を食らわせた。


「イッ 何しやがるジジイ」


「ご領主、口の利き方」


眼光鋭くマクレーンを睨みあげる。


「ヘイ、すぃやせん」


またマクレーンに拳骨が落ちた。


「ハイ、申し訳ありませんでした」


マクレーンが姿勢と言葉遣いを直した。


「ん、行商、心配」


モラグは心配そうに首を振った。


「大丈夫ですよぉ、きちんと行商の時は人間に成りきってやってるんで。


あっといっけねぇ。仕入れをしねぇと。


旦那、親方、次の行商の仕入れをしてきますんで。

旦那薬ができた頃にまた寄ります、よろしくお願いしまっさぁ」


足早に店をでていく。


「言葉遣い」


マクレーンの背中に向かってモラグが言葉短に怒鳴った。


モラグが吾に向き直った。


「ご領主、不肖の弟子すまない」


「イヤイヤ、頼もしいじゃないか」


「しかたないヤツめ。


ご領主、明日人夫集めた100人、

コレ鍵渡す」


直径30センテありそうなガラス玉のような球体を手渡した。


ガラス玉の中は、星がちりばめられているかのように煌めいている。


これが目的地、ダンジョンの鍵だ。


「今回の目的は水晶だ、純度の高いやつを頼む。加工も任せたい、様々なサイズと形を200ずつ、ドロップ型必ず入れてくれ後は任す。

加工代は何にする」


「ダンジョンご領主のもの、お代はいらない、他の石貰ってる」


「加工代だよ磨きをかけて良い品を作る職人に労働に対する対価は必要だ」


「ん、分かった、酒いい」


「後日配下のアンデッドに持ってこさせる、山の麓まで降りていってやってくれ」


「分かった、酒、イイ」


モラグはニマニマしだした。よっぽど酒が嬉しいようだ。

他の者たちの対価も酒で良いのだろうか。


うむ、いつものワインを50樽と出来の良い5年物のワイン10樽と、それから作ったブランデーも追加するか。


「モラグ、明日モラグも行くのか」


「行く、当たり前、ダンジョン開いてる嬉しい、いつもがいい」


「モラグそれはダメだ。

昔、スプリガンに鉱床型ダンジョンを解放したら10日で掘り尽くしただろ。

そうなるとダンジョンアニマが辺りから土地の力を吸い取って鉱床を成長させる。

それをスプリガンが掘り尽くすのを繰り返すと土地が枯れてしまう。

さすがの吾でも10日おきに魔力の充填には来られない。

森を枯らしたらエルダーにドヤされるからな。

悪いが鍵の守護はモラグに任すが、ダンジョンは解放しない」


「分かってる、ただ悲願」


「吾が偶に来た時に解放する位で満足しておけ」


「分かってる、ただただ悲願」


モラグは悲しそうに肩を落とした。

そこに奥の部屋からモラグと同じ背丈のスプリガンが姿を現した。


「いらっしゃい、ご領主様」


少し声が高く服装にピンクの色合いが多い。奥方か?!


「奥方邪魔をしている」


「何言ってるんです、どこに自分の土地のご領主様を邪魔にするものがいますか、いつでも大歓迎ですよォ。


アンタはご領主様にお茶も出さないなんて


すいませんねご領主様、うちの人が気も利かなくて、今用意してきますね」


とまた、奥に戻っていく。


モラグは奥方の背中に向かって叫ぶ。


「酒」


「ハイハイ、分かりましたよ、後おつまみですね」


「ん。


ご領主、ウチのうるさい、すまない」


「ヨイヨイ、女はいつも姦しいものよ」


その日の夕飯は、人夫たちも呼んでハシビロコウのスパイス鶏丸々焼き、固焼きパンにラクレットチーズ、蠱惑色の酒、野菜のオーブン焼き、ラットルのシチューなど豪華な晩餐になった。


大分料理も減った頃に吾は仕事に入る。


「さて吾は調薬せねばならん故コレにて」


「ハイ、お粗末さまでした。今度は奥様方もお連れになってください」


と、にこやかにモラグの奥方が見送った。


「そうだな、近々それも可能になるだろう。


皆、飲み過ぎないように明日の出発時間に遅れたものはダンジョン入場を取りやめにするとしよう」


人夫たちの嘆きの声が洞窟中にコダマした。


次の更新は6月8日15時を予定しております


ミツマメ

「アルラードはこうやって自分の領地を駆け巡って仕事をしているんですね、感心感心


マクレーンさんの話しじゃ、架空の東方の島国と同じくらいの領地を一人で行く納めているらしいですよ。

そのほとんどが森林と高山なんだとか、大変ですね!頑張れアルラード、負けるなアルラード」


アルラード

「ほう、この激務はソナタのせいなのだな、覚えておけよ」


ミツマメ

「ヤバッ(:・_・)…...|ω•,,) ソォ-ッ♡ε”ε”ε”(ノ* •ω• )ノ逃げるが勝ちだー」


皆さんの目に止まりますように

楽しんで貰えますように、星ください待ってます

いつまでも待ってます。


追伸

既にストックが切れました、配信スピード落ちるかもしれませんがよろしくお願いします。

もしかしたらコメントで頑張れっをくれたら執筆スピード上がるかもしれませんコメントも星もください。

ねだってばっかりですいません。

6月7日深夜テンション相晶三実

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