二百文字小説『歩いて!イェス様!』
戦国の頃、宣教師の教えに感服した民衆達の多くがキリスト教に帰依した。
だが、とある子供が口にした疑問に宣教師は閉口した。
「誰もが平等ならば、何故オラたちの国に教えが広がるまで、何百年もかかったのじゃろうか?」
横にいた子供が、口を挟んだ。
「馬鹿じゃのう、お前。いえるされむは地球の反対側じゃから、時間がかかって当然じゃろう」
勝手に納得する子供たちを見て、宣教師は溜め息をついた。
「うん。よく知ってるね…」
どこかで読んだ小説に、三行目のような日本人の問いに、宣教師が教理上の問題から答えることが出来なかったというエピソードがあり、これはそれをパロったものです。
オチでもある最後の三行は完全に創作です。