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彼女との夏休み

 俺達は夕日を浴びながら、手を繋いでゆっくりと歩いていた。


「今日は本当に楽しかった。水族館、また行ってみたい」


「おお、そうだな。じゃあ、明日行く?」


「もぉ~、望月君夏休みの宿題忘れているでしょ?」


「わ、忘れていないよ!?だって、朝日南のあんな可愛い姿を見れたから……」


「~っ!?」


 朝日南は頬を赤くして、ポコポコと俺の肩を叩く。


 こういう所も本当に可愛いなぁ。


 けど……夏休みの宿題を忘れていたことは事実だ。


「ごめんって!!……じゃあ、明日一緒に宿題やろう」


「うん、いいよ。私も望月君に教えてもらいたいから」


「よし、決まりだな。図書館で良いよね?」


「うん……まあ、私は望月君の家でもいいけど?」


「ちょ、おま……」


「ん?」


 朝日南はわざとらしい笑みを浮かべて、顔を窺うように俺を見る。


 いつもの彼女だな。先程までのドキドキを返してほしい。


 けど、朝日南が家に来たいという気持ちは嬉しい。


「そ、それは……心の準備ができてから……恋人同士でも、同い年の女子高校生が自分の部屋にいるのは緊張するから……」


「ライトノベルのよくある定番なんじゃない?ほら、主人公って女の子を家に連れ込んだりするじゃないの?」


「その言い方は語弊がある!!全ての主人公が下心丸出しで、女の子を連れ込んだりしているわけじゃないから!!雨がいきなり降って、女の子が風邪をひかないよう家に入れる……という王道な展開もあるから!!あと、恋人同士になってお互いのことをより深く知ってからだからね、そういうの」


「へぇ~、そうなんだ。望月君は思春期の男子高校生にしては、純粋というかピュアだよね」


「な……朝日南だって、本当に俺が家に連れ込んだら、緊張するだろ?不安になるだろ?」


「……緊張はするかもね……けど、不安にはならない」


「え、ど……どうして」


「だって……」


 朝日南は俺の手を握りながら、体をより密着させて静かに微笑む。


「私のことを何よりも大切にしてくれる……望月君は誰よりも優しい男の子だって、信じているから」


「朝日南……」


 彼女の言葉に俺の心は響いた。


 そうだ、俺は朝日南を誰よりも大切に思っている。


 だから、彼女を不安にさせるようなことはしない……。


 俺のことを優しい男の子と評価してくれていたことには驚いた。


 たぶん、これまでのデートで、俺がどのような人間なのかを理解したのだろう。


 俺は自分をそこまでの男だとは思っていない。


 けど、彼女がここまで言ってくれたのだから、それに応えるのが今の俺にできることだ。


「俺は朝日南を大切に思っているよ。君のことをより深く知ってから、家に招待するね」


「……やっぱり、望月君らしい。うん、わかった……その時には、私も青春の本当の意味、価値を理解できているかな」


「大丈夫。朝日南だったら、ちゃんと自分の知りたかったことが全部わかるよ」


「うん……ありがとう、望月君。私の彼氏になってくれて……」


 朝日南は夕日の光を浴びながら、嬉しそうに微笑んだ。


 目が離せない程、その笑みは眩しい。


 今日を忘れず、これからの夏休みを朝日南と楽しく過ごしたいと思った。

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