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駆け出し冒険者の俺は裏レベル100  作者: 可じゃん
第一章 ギルド加入編
4/52

ありがとう

第四話

 普通、人探しをする時は、ある程度目星をつけるものである。

では、それがない場合はどうするのか?

答えは知らない。

なぜなら、その答えを知りたいと思っているのは他でもない俺自身だからだ。

と言うのも、俺は広大な森から一人の少女を探すという愚行に走ってしまった。

見つけるには、一生分の運を使う必要がありそうだ。


「ったく。どこにいるんだよソルナ!」


その時だった。


『ピロン』


聞き覚えのある通知が鳴った。


『スキル <<レーダー>> を習得しますか?』

  >はい

  >いいえ


レーダー。

目の前に出現した『ブルーボード』にそう書かれている。

俺がちょうど欲していたものだ。

もちろん『はい』を選択する。

すると突然、脳内に森の全ての情報が流れ込んできた。

もちろん、ソルナの位置情報も完璧に捕捉できている。

倒れている。気絶しているようだが、まだ息はある。

でも急がなければ、『フレイムドラゴン』が彼女を八つ裂きにしてしまう。


「間に合うか?いや、この足なら!」


実はこの世界に来てから身体能力が大幅に上昇しているのだ。


『ピロン』


潜在能力(パッシブ)No.20 <<腕力上昇(超)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.21 <<脚力上昇(超)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.22 <<体力上昇(超)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.23 <<耐久力上昇(超)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.24 <<反射速度上昇(超)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.25 <<動体視力上昇(超)>> を解放します。』


これは俺がこの世界に召喚されてまもなくに来た通知だ。

当時は、見逃していたが、宿で『ブルーボード』を確認しているうちに見つけたのだ。


<<脚力上昇(超)>>の効力は凄まじく、(はた)から見たら、風が吹いたようにしか見えないだろう。それぐらい早く走れる。

そんなことを考えていると、ソルナらしき人影が見えた。

大きな岩にもたれかかっていて、頭から出血している。


「よし!まだ息はあるな!」


『ピロン』


『スキル <<ヒール>> を習得しますか?』

  >はい

  >いいえ


ナイスタイミングだ。

もちろん『はい』を押す。


「『スキル』 <<ヒール>>!」


パァァァァァァ


暖かい光に包まれて、ソルナの怪我がどんどん治っていく。

パックリ開いた傷も、傷跡一つ残さず完治している。


「このヒール(スキル)は使えるな。」


俺は<<ヒール>> を重宝しようと思った。


「とりあえずこれで大丈夫だ」


あとはソルナを担いで逃げるだけ......そう思った時だった。


ドォォォン


凄まじい衝撃と共に、荒れ狂う突風が俺たちを襲う。

見なくてもわかる。『フレイムドラゴン』だ。


「うっ....ううぅ」


「起きたか!?ソルナ!」


先ほどの衝撃で、ソルナが目を覚ます。


「あれ...私....」


「ああ、お前は今まで気絶していた。早速で申し訳ないが逃げるぞ!」


寝起き(?)で意識が朦朧としているソルナを急いで担ぐ。


「え、えぇ?」


とても軽い。

彼女が軽いのか、それとも <<腕力上昇(超)>> の効果なのか。

おそらく、その両方だろう。


しかしそんなことは、どうでもいい。

今は余計なことを考えずに走るしかない。


ギュアオォォォォオ


後ろからドラゴンがすごいスピードで追いかけてくる。


 おそらく、本気で逃げれば、俺が『フレイムドラゴン』に追い付かれることはない。

でも、今はソルナを背中に背負っている。

仮にも先程まで気絶していたのだ。今は無傷だとはいえ、衝撃を与えるわけにはいけない。

そんなわけで、かなりギリギリの追いかけっこをしている。

後ろから、戦車が迫ってくるような感覚だ。

ここで俺は自分のミスに気づく。

なんと、逃げた先に崖があったのだ。

ソルナを見つけたあと、『スキル』 <<レーダー>> を切ってしまっていた。


「なんてベタな展開だよ!」


崖下には森が広がっている。

俺は潜在能力(パッシブ)があるから、飛び降りても平気かもしれない。

でもソルナは....。


「起きてるな?ソルナ。」


「うん。」


「今から、あのトカゲに俺たちに喧嘩を売ってきたことを後悔させる!」


力強く言ってみたものの、俺にはなんの作戦もない。

謎の自信があるのは、ひとえにソルナの存在だ。


「それじゃあ、ソルナ、お前の魔法で、あいつに牽制してくれ、その間に俺がなんとかする!」


「........」


とりあえずの作戦を伝えてみたが返事がない。


「...........いの」


「ん?」


「魔法なんて使えないの!」


は?どういうことだ??

まさかその見た目で、魔法が使えないなんてことがあるのか??


そこで、ふとソルナの言動を思い返してみる。

魔術師適正の話をしていた時の暗い顔はそう言うことか。

それに、彼女は一度も自分が魔術師だとは名乗っていない。

どうやら魔法が使えないことは本当のようだ。


「こうなったら俺一人でやるしかないか。」


「待って!一人でドラゴンと戦うなんて無茶よ!死んじゃうわ。」


「やってみるしかない。」


そうこう話しているうちに、『フレイムドラゴン』はすぐそこまで差し迫っている。


ブオォォォォォォォ


ドラゴンが口を開いて、火を吹く。

迫り来る猛火の前に俺は思った。


あ。これマジで終わったっぽい。


しかし神様はまだ俺を見放さないようで、またまたあの通知音が鳴った。


『ピロン』


潜在能力(パッシブ)No.1 <<炎耐性(特)>> を解放します。』

潜在能力(パッシブ)No.7 <<物理耐性(特)>> を解放します。』


『フレイムブレス』がユキマルの体を包む。


「ユキマル君!」


ソルナの悲痛な叫び声が聞こえる。


「熱っ.....いや?ほんのり暖かい....。」


なんだ、大してすごくないじゃんと思い、後ろを振り向くと、そこには燃え尽きた木々が倒れていた。


やべええぇぇぇよ。まじで死にかけたって.....!


しかし動揺している暇もない。

やつが次の攻撃をしてくる前に、なんとかしないといけない。

それに勝算はある。

俺にはCランクの魔物を一撃で葬ったスキル『クロースラッシュ』がある。

Bランクのドラゴンに通用するかわからないが、少なくともダメージは入るだろう。

何発か殴れれば、倒せない相手ではないはずだ。


「うおおおおおおっ」


『フレイムドラゴン』めがけて、思いっきりジャンプする。


「やべっ。跳びすぎた!」


まだ、自分の身体能力に慣れていない俺は、ドラゴンを余裕で飛び越えてしまったのだ。

このままでは、スキルを当てることができない。


「『スキル』 <<ロープ>>」


ソルナがスキルで俺の足にロープを結ぶ。

下に引っ張られる感覚がして、ジャンプの勢いがおさまる。


「ナイスだ!ソルナ!」


下にいるソルナに向かって親指を立てる。


「お前はこれでも食らっとけぇぇぇぇぇぇ!」


『スキル』 <<クロースラッシュ>> を発動し、『フレイムドラゴン』の脳天めがけて思いっきりぶん殴る。


ドオオオオオオオン


落下の威力も相まって、予想とは裏腹に、凄まじい衝撃が起こり、ドラゴンが動かなくなる。


「ふう。なんとかなったな...。」


どうやら『フレイムドラゴン』の討伐に成功したらしい。


「ほ、本当に倒しちゃった...。」


後ろからソルナの声が聞こえる。

彼女も無事のようだ。


「ああ。本当にな....。」


「.....」


「なんだよ?」


ソルナが黙り込む。


「その.....ごめんなさい。迷惑かけて....。私のせいで、ユキマル君を危険に晒して...。」


ソルナが震えた声で呟く。


「違うだろ。こう言う時は、ごめんじゃなくて、ありがとうって言うんだ。」


そう言って、俺はソルナに笑いかける。


「それに助けに来たのは、俺の意思だ。」


そう付け加える。

すると彼女は、一瞬目を見開いて、驚いた表情を見せたあと笑顔を見せた。


「........ありがとう!」


「おう!」


俺は頷いて、来た道を歩き出した。

今回は『レーダー』の発動を忘れていない。


「それじゃあ帰るか。」


「そうね、帰りましょう。」


こうして、俺たちはやっとのことで帰路に着いたのだった。

だんだんと設定が増えてきました。

作者自身、こんがらがらないよう頑張ります。

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