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第2話 兄と妹

先週からスタートした「政治オタクの高校生、転生先で出馬します。」の第2話です。

それではどうぞ!

「ただいま帰りましたよっと」

「お帰りー」

よっこらせ、とカバンを下ろしながら玄関についた裕一郎を迎える声が返ってくる。


「香織、ただいま」

「お兄ちゃん、今日も疲れた顔してるけど、また何かやらかしたの~?」

「いやいや、俺は正当かつ簡潔な解答を試験に書いただけであれは全くの言いがかりだと」

「はいはい、また屁理屈こねてたのね」

はあ、とため息をつきながら、香織と呼ばれた女の子はリビングに戻っていく。


「うっ、最近妹が辛らつだ・・・!」

帰宅早々妹の辛らつな言葉にショックを受けつつ、裕一郎はリビングに入りニュース番組をつける。

『今日の予算委員会では○○首相が、法案の意義を語り・・・』

「あー、今から録画してたドラマ見ようと思っていたのに~

お兄ちゃん、ホント政治ニュース大好きだよね~」

「ごめん香織、夕方のニュースだけはどうしても見たいんだ!この時間だけは譲ってくれ」

「しかたないな~お兄ちゃんが唯一興味を持ってることだし、かわいい妹が譲ってあげるよ」

「ありがとな!明日駅前のプリン買ってきてやる!」

「やったー! お兄ちゃんありがと!」


さっきとは打って変わって、にこにことしている妹の香織に癒されながら、

裕一郎はニュースに意識をむける。

『参議院で多数を占める野党の強い反対により、法案が委員会で可決するめどはたたず・・・』

「全く、こんなことになるから参院選の前に重要法案を成立させておくべきだったのに。面倒ごとを先延ばしにして選挙に臨もうとするからこんなことになるんだ」

「へーなんだか難しいことになってるんだね~」

裕一郎がつぶやいた言葉に、隣でテレビを見ていた香織がつぶやく。

「そうなんだ。衆議院は与党が多数派だけど、こないだの選挙で参議院は野党が過半数を占めているから、法案の可決が難しくなってるんだ。特に赤字国債の発行が常態化している現在では、参議院の同意がないと予算も成立できないから、余計政権運営が難しくなっていて・・・」

そこまで言ってハッとしたように、「ごめん。いつもの悪い癖だな」

「ううん、いつも静かなお兄ちゃんが、熱のこもった声で政治の話しているの、私は好きだよ」

香織が首を横に振りながら答える。

政治ニュースを熱く語る、政治オタクで妹思いの兄。

それをほほえまし気に聞く、穏やかな中学生で兄思いの妹。

これが大泉家の日常風景だった。


「お兄ちゃん、そんなに政治が好きなら将来政治家になったら良いね!数学以外は勉強もできるし」

「数学以外は余計だ。でもそうだな、香織が応援してくれるなら出馬したいな」

笑いながら妹の言葉にこたえる裕一郎。

この言葉が後に現実になることを、今の裕一郎は知る由もなかった・・・

今回は主人公の妹の香織ちゃんが登場しました。

もう数話くらいは今の日常回が続くと思います。


次回の更新も土曜か日曜の予定です!

よろしくお願いします!

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