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第08話:2回目の勝負が始まったらしい

 9日後。

 勝負のため、3人と ナナ はワンニャー島の建物内の特設会場へと向かった。

 『RGB(Room for Game B)』という部屋で、RGAと比べてとても広い部屋だ。陸上のトラックほどの大きさで、でも陸上のトラックと違ってたくさんの壁や段差がある。

 ちなみに、今回のゲームは動き回るため、対戦に参加する者だけが部屋に入れる。よって、らぶる と マルカン の2人は外からモニターで観察することになった。

 

 分類B:打ち合い

  両者3発ずつ弾が入った銃のおもちゃを持つ。

  指定のフィールド内で動き回り、

  先に相手に弾を当てたほうの勝利。

  フィールド内にはアイテムが

  散らばっている。

  アイテムは

  『弾丸(1つ追加)』

  『弾丸スピードUP』

  『移動スピードUP 』

  『バリアー(攻撃1回無効)』

  の4つがあり、獲得するまで何が入っているかわからない。


 「それでは、両者開始位置にスタンバイしてください」


 審査員が指示をする。かい と ナナ は一定の距離を置いた位置に立つ。その後、係員から銃を渡された。


 「(今回は前回と違って身体能力が大きく影響してくる。だが、そういうものこそ俺にまかせておけ。なにせ相手は女だ。俺が負けるはずがない。この勝負、もらったな)」

 「(何やら自信満々の顔をしているみたいだけどねぇーー。アタシはこのゲームをやりこんでいる。そう簡単には負けないんだよねぇーー)」


 両者それぞれの面持ちで、ゲームが始まろうとしている。


 「それでは、開始5秒前! 4、3、2、1、はじめ!!」


 こうして、ついに かい にとって2回目のゲームが始まった。


 最初に動いたのは ナナ だった。即座(そくざ)にななめ後ろへ走り、アイテムを取りに行く。それを見て、かい も負けじと走り出す。

 「(よし! アイテムをとった!)」


 と、ここで かい が後ろを振り返ると、目の前には弾丸があった。それが彼の体に高速で直撃する。


 「うわっ!」

 「決まったぁーー」


 だが、ゲームが終了する様子はない。なぜか。

 実は、かい が取ったアイテムは『バリアー』だったのだ。対してナナ が取ったアイテムは『弾丸スピードUP』だった。速度が上がっても(ふせ)がれては意味がない。

さすがに ナナ も少し(あせ)っていた。しかし、彼女はすぐに冷静になり、別のアイテムを取りに行く。


 かい は、アイテムを取りに行ってこちらに背を向ける ナナ をねらい打った。しかし、そんなのはおみとおしだった。すぐにこちらを見て、弾をかわす。


 「バレバレなんだよねぇーー。言っとくけどアタシ、このくらいの距離ならスピードUPした弾もよけられるからぁーー。つまりぃーー、アタシが負けることはないってことっ!」


 強敵だ。でも、休んでいる暇はない。かい もアイテムを探しにいく。そして、『移動スピードUP』を発見した。


 「(よし! これで高速で動き回っていけば、勝てる!)」


 アイテムを使用した直後、かい はある程度の距離まで相手に近づいていく。その時、ナナ も既にアイテムを取っていた。

 ナナ は振り返って、近づいてくる かい に1発撃ちこむ。


 「もらったぁーー!」


 かい は、素早い動きで弾丸をかわす。直後、ナナ に一発撃ちこんだが、ナナ はしっかりとかわした。『移動速度UP』無しでこのかわし方は、尋常じゃない。

弾をかわされて動揺している かい に対して、ナナはさらにもう1発撃ちこむ。

 それを()けるため、かい は振り返って後ろに走った。

 その時だった。かい はエリア内の段差につまづき、転倒してしまった。転んだ先にアイテムがあったが、状況は絶望的だ。


 「今度こそもらったわねぇーー。あ、最後に教えてあげる。アタシがさっき取ったアイテムは『弾丸』よ! 3発撃ったからもうないと思ったぁーー? 残念でしたぁーー! これで終わりよぉーー!」


 諦めようとしたその時、かい の頭に1つのアイディアが浮かんだ。


 「(これに賭ける!)」


 転倒した先にあったアイテムを使う。

 そして……


 「うりゃあああああ!!」

 「なにぃーー!?」


 かい は、自身が持っている銃本体を、ナナ の手元めがけて投げた。

 そう。転んだ先でかい が取ったアイテムは『弾丸スピードUP』だった。つまり、銃の中に入っている弾のスピードが上がり、銃本体はありえない速度で ナナ の手元に直撃したのだ。


 「よっしゃあ!!」

 「(落ち着けアタシ。向こうも銃を捨てたのだから、先にアタシが拾いなおせばいいだけのこと! まったく。とんだ不意打ちねぇーー。でも、無駄なこと。銃を投げるなんて、相手は勝ち筋を手放したも同然!)」


 ナナ は、急いで銃を拾おうとした。だが、これこそが かい の本当の狙いだったのだ。


 「いっけえー!!!」


 なんと かい は、そばに落ちていた弾を素手で拾い、ナナ に向かって投げたのだ。どちらが撃ったものか分からないが、1度使用した弾が落ちていたのだ。

 そして……


 「!?」


 ナナ に弾が命中し、決着がついた。

 ルール上は何も問題ない。先に相手に『弾』を当てたほうの勝利なのだ。


 「そこまで!


 審査員の声が聞こえる。


 「やったぜ!」


 勝負が決まった。かい は見事強敵に勝利したのだ。


 「うそでしょ......!? アタシが......負け?」


 ナナの感情などは関係なく、ゲームは終わりを迎える。


 「勝者は、ホワイト・かい さんです。これにて、ゲームを終了します」

 「やったねお兄ちゃん!」

 「すばラシかったデス」


 部屋の外で、3人は喜びを分かち合った。


 こうして、かい にとって2度目のゲームは、波乱(はらん)の展開ながら幕を閉じた。

お読みいただきありがとうございました。

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