第04話:キャットは人間を復活させたくないらしい
「待つんだ!」
「誰だ!?」
「私は すいか・ボチャ だ。見ての通りキャットである! ソナタたちは何者だ!?」
緑色の短い髪の毛に、きちんと整った服装で、堂々とした振る舞いの女性だ。身長は、150cm前半くらい。
「俺は ホワイト・かい だ」
「私は ホワイト・らぶる です」
「ワタシは、マルカンと申します」
「お前ら2人はドッグだな。横にいる奴はなんだかよくわからないが……まあいい。ソナタたち、その先に何があるか知っているのか?」
「人間という生物の手がかりがあるらしいと聞いたが?」
「やはりそうか……」
「それが、どうかしたのですか?」
「お前ら、キャットの間での噂を知らないのか? ……まあ、無理はないか」
ドッグの土地とキャットの土地は、フニャフニャ山を境とする。2つの土地同士の関わりは全くないわけではないが、情報伝達はそこまで速くはない。
「なにかあるのか?」
「人間を……復活させてはいけないのだ」
「なぜだ?」
「奴らは、脳が異常に発達しているらしいのだ。それを悪用し、彼らに都合のいいように使ってきたという。その結果、この地球の環境は荒れ果て、今のような姿になったのだ」
「今の環境が荒れ果てているのですか? そうは見えませんが……」
「まあ、我々アニマルはそんな環境に適応できるように体が構築されているからな」
「へー、そうなのか。それはそうと、なぜそんなことを知ってるんだ!?」
「うちの……キャットの国の長 ニャー様が仰ったんだよ」
かぐら・ニャー
キャットの国のトップ。過去を見れるという噂がある。彼が過去を見れると信じている者も、そうでない者もある程度いる。
だが、信じている者の中でも、人間の話を信じているのは極一部だ。
彼はドッグの連中にもそこそこ有名だ。
「へぇー。そうなのか」
「だから大人しくやめてくれたまえ」
「嫌だね」
かい はハッキリと断った。
「なぜだ!?」
「新種……と言うのが正しいのかわからないが、とにかく、珍しい生物がいるなら、俺は研究したい」
「たかがそれだけの理由で、人間という危険な生き物を復活させる気か!?」
「たかがとはなんだ! アニマルにとって大きな進展の起点になるかもしれないんだぞ!」
「……意地でもやめないというのか。こうなっては、もうアレしかないな」
「そうだな」
「お兄ちゃん、もしや……」
「??」
このアニマルの世界では、何か対立があった場合、ゲームで勝敗を決めることになっている。
実は、フニャフニャ山の裏は海がある。その海を渡った先に、『ワンニャー島』という島がある。そこで、ゲームによって何を賭けるのかということなどを紙に記す。
この契約は、長の許可が必要だ。意見の対立が、ドッグとキャット間の場合は両方の長を集めて行われ、そうでない場合はそれぞれ片方の長のみだ。
というわけで、3人と ボチャ は、ワンニャー島に向かった。
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