表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌姫ミィスと100人の魂〜死者達が過保護過ぎて冒険が始まらない〜  作者: 揣 仁希
第二章 ワイバーン討伐作戦
12/26

討伐遠征9日目



 王都を出発して9日目。

 わたしたちはようやくワイバーンの巣があるという山頂付近まで来ることができました。


「やっぱり他の連中や騎士団はまだのようだな」

「そりゃそうだろうよ」

「向こうに階段やら御食事処があるとは思えんしな……」


 冒険者さんたちは物陰から山頂付近の様子を伺っています。

 山頂はかなり広くてちょっとした高台のようになっていて上空を見上げると多数のワイバーンが旋回していました。


「かなりの数だな……」

「ああ、流石にあの数を相手にこの人数じゃあ厳しいな」


 茂みの中から見えるだけでも10匹以上のワイバーンが見えます。

 やはりここは騎士団の方々や他の冒険者さんを待つ方が良いのではないでしょうか。


「あの、皆さん。騎士団さんや他の冒険者さんをお待ちになるのでしたらお昼ごはんにしませんか?」

「ああ、そうだな……って流石にここではまずくないですか?歌姫様」

「ちょっと戻ったら大丈夫なんじゃないか?」

「そうか?ならちょっと戻るか」


 わたしたちは山頂から少し下ったところでお昼ごはんにすることにしました。


「はい、サンドイッチばかりでごめんなさいですけど……」

「な、何を仰いますか!こんなところまで来てこんな美味しいものを食べれるなど思ってもみませんでした」


 皆さん口々にそう言ってサンドイッチを食べて下さいます。



『なぁ、ミィスちゃんの手作りだよな……』

『ああ……』

『美味いんだろうな……』

『間違いなくな』

『俺たちも何とか食えないかな?』

『そりゃ無理だろ』

『なんでだよ?』


『死人に口なしって言うだろ』

『……お前使い方間違えてるぞ』


 日が暮れる前に冒険者さんたちは各方面に偵察に出ていました。

 戻ってきた冒険者さんによると明日の朝には騎士団も含めて全員到着しそうだという話でした。


 わたしたちは更に下ったところで野営をすることにしました。

 すっかり日課になった温泉に入ってゆっくりしてからテントに戻って寝ることにします。

 夜間の警備は冒険者さんたちがして下さる──わたしもすると言ったのですが猛反対にあいました──のでゆっくりと寝ることができます。



『さて、ではミィスちゃんファン倶楽部定例会議を始めます』

『会長久しぶりじゃないですか?』

『副会長があまりに頑張っているのでそっと見てました』

『ああ〜(納得)』


『はい、ではまず明日の討伐作戦についてですが……あまりミィスちゃんを目立たせないようにしようかと考えています』

『え?どうしてですか?』

『あまり目立ちすぎますと以前の様に王国から目をつけられかねません。ですので今回は騎士団と冒険者の方々に頑張ってもらう方向です』


『なるほど……確かにそうですね』

『ですから皆さんも陰からそっと手出しするくらいになります』

『まぁ俺としてはあのAランクだかのヤツが死んでくれたらスカウトすんだけどなぁ』

『40番、悪くない考えですが彼には生きて役に立ってもらいますので今回は却下です』

『ちえっしゃーねーか』


『では後は各自の配置及び行動についてですが……』


 ミィスちゃんのテントの上では深夜まで会議が続けられていた。



「よしっ!明日は気合い入れて行くぞ!!」

「「「おうっ!!」」」

「誰一人死ぬんじゃねーぞ」

「そういうこと言うとお前が死ぬぞ?」

「……今のはナシで」

「それはそうとよ……」

「なんだ?また何か気になるのか?」

「いや……やっぱりみんなで温泉に浸かっていうことじゃないと思ってな」



「ここの温泉は肩こりにいいらしいぞ」


「そういうのを聞いてるんじゃないんだけど……」



 決戦前夜も冒険者さんたちは平和でした。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ