味噌、味噌、味噌、味噌!**
「最高です」
泣きそうだった社長の気持ちも回復したようだ。
「ふえええ、無理です、無理です、エリ、私には紐が、紐が巻けません」
エリーゼさんが4度目の巻いた紐崩壊で涙目になっていた。
「エリ、魔法でぐるぐる回すことはできないの?」
「留さんが言ってたじゃん。このベーゴマ、えっと、マジニウムって魔法をはじくんだよ。だから頑張って覚えてね」
エリちゃんが小さな手でエリーゼさんの腕をぽんぽんとたたいた。
「うううえええ……」
紐巻きひ必死なエリーゼさんに声をかける。
「冷める前にどうぞ」
「あ、はい」
エリーゼさんがおでんを口に入れて幸せな表情を見せる。
「高速回転って、電動ドリルとかそういうのでぐるぐる回してもダメなんでしょうか?」
どうやら「回す」ということが重要な要素みたいだったので、ふと思いついたことを口にする。
「なるほど!さすが称号に魔道具アルティザンとあるだけのことはある」
アルティザン?パルメザンの仲間かしら?
「早速、昔の仕事仲間に相談してみましょう。魔法と科学技術の融合。ワクワクしますね」
留さんが本当に嬉しそうに微笑む。
「ふるピョン、すごいなぁ。僕なんて、魔法で回転させられないと聞いて、ベーゴマを回す特訓をしなくちゃとそればかり考えていました」
……いや、むしろ、魔法で回すという発想が私にはないんですけど。どうするんでしょうね?風魔法とかで回す?風車みたいな羽つければ風魔法で回せるのかしら?
「僕も、ちょっと仕事のつてで知り合ったこういうの好きそうな友達に試作品を作ってもらおうと思います。それで問題なければ皆さんの分も作っレもらいます」
社長も心持ワクワク感が抑えられない感じだ。
「はぁー。おいしかったですぅ。味噌カツみたいな味噌をかけておでんを食べたのは初めてですけれど、美味しいですねぇ」
エリーゼさんが満足げに手を合わせてごちそうさまとつぶやいた。
「え?味噌おでん初めてでしたか?」
「はい。この世界の料理は、私の知らないものが多くて新しいものを食べるたびに感動しています」
ああ、異世界から来た設定だったよね。
「もともと私たち九州に住んでたからね。味噌文化になじみがないから、母さんも味噌料理あんまり作らないんだよ。まだこっち来て3~4年だし。さすがに味噌カツとか味噌煮込みとか外食で食べたことはあるけど」
エリちゃんの言葉に思い出す。そういえば、エリさんの戸籍をエリーゼさんに使わせるために知り合いのいない場所に引っ越したとかなんとかいう設定もあったな。なるほど。実際に引っ越ししたので設定に組み込んだんだ。細かいなぁ。
「気に入ったのなら、今度買い物に行ったときにでも味噌を買うといいですよ。こういうマヨネーズみたいな形のものとかいろいろ調理みそ売ってますから。有名なものだと、つけて○そかけて○そとか、献立いろいろ○そとか。冷蔵庫に入れておくと、揚げなす、湯豆腐、カツ、いろいろなものにかけ手食べられるので便利ですよ。私は、とんかつじゃなくて、チキンカツにかけて、チキン味噌カツにして食べるのも気に入ってます」
いつもありがとうございます。
つけてみ◯かけてみ◯や、献立いろいろみ◯は、買いなはれ。
名古屋に遊びに来たら、スーパーとか寄って、買いなはれ。
お土産売り場じゃなく、スーパーとか行って、買いなはれ。
小倉トーストクッキーとか、名古屋の人間食べないから、しるこサンドもついでに買いなはれ。
さて、3話目だよぉぉぉ
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もふもふされ続けることおよそ1分。
ドシャーという、何か重たいものが地面を打ち付ける音に、ルークは警戒心を取り戻した。
「ドラゴン……」
ボス部屋、SS級のモンスターはドラゴンだった。
「へ?あ?うわぁ、ちょっと、アレ、ドラゴンって嘘でしょ?ね?あれ、ドラゴンとか、マジで言ってるの?」
少女を背にかばい、ルークが剣を構える。
正真正銘のドラゴンだ。
ドラゴンと呼ばれる種族には色々と種類がいる。
そのどれもが牛よりも大きな体と、長い首と羽を持っている。
今回ルークたちの目の前に現れたドラゴンは、牛よりも大きく羽をもち、長い首のある正真正銘ドラゴンだ。
「違うでしょ、あれ、どう見ても、どう見ても、羽のついたなめくじっ!」
少女がルークの背から顔を出してうえーっと嫌そうな顔を見せる。
嫌なら見なきゃいいのだが、逆に怖い物見たさが過ぎる少女(本当は大人)である。
「なめくじ?」
ルークの世界にはない単語だ。
「そうよっ、あの、ぬめぬめっとした質感の肌。軟体っぽい動き、ああ、動きが遅いから、こうして会話してられるのはラッキーね。あんだけ動きが遅いとすぐ倒せるんじゃない?ほら、倒してきてよっ!」
と、背中を押されるルーク。
「いや、動きは遅くとも、相手はドラゴンでレベルはSS級だ。どんな攻撃を仕掛けて来るかもわからないから、簡単に突っ込んでいくわけには……」
「脳筋のくせに、考えてる……すごい」
失礼なことを言う少女である。
脳筋には脳筋ならではの思考回路があるのだ。どうやったら勝てるかを常に考えると言う思考回路が。
「ありがとう」
いや、まて、褒められてないからな、ルーク!
なぜそこでお礼を言ってしまったのだ!
「頑張って倒すよ、危ないから隅の方にいて」
そして、やる気を出すルーク。
おい、危険だぞ。思考を止めるな!
と、天の声など聞こえるはずもなく、ルークはどんな攻撃を仕掛けてくるか分からないから突っ込んで行くわけにはいかないといっていた自分の言葉をすっかり忘れ、剣を振り上げなめくじドラゴンに突っ込んでいった。
ルークの振り上げた剣は、あっさりなめくじドラゴンをとらえる。
……突き刺さったが。
「うわー、ダメージゼロっぽい」
少女は壁のくぼみに身を潜めて見ていた。
「頭に剣が突き刺さったのに、無反応とか……ルーク、まじで幽霊じゃないよね?私もルークも幽霊説ってのもあるかぁ……」
と、少女が再び幽霊説などを考えていると、ルークの叫び声が上がった。
「うわぁーっ!」
何が起きたのか、少女は流石に少し青ざめた顔をしてルークに視線を向ける。
ルークは、バタバタと先がなくなった剣を持って少女の元へとやってきた。
「溶けた……」
柄しかない件を向けられた少女が眉を顰める。
「ちょっと、こっちに向けなくたって見えるわよっ!」
溶けたということは、少なくともモンスターから影響を受けたんであって、私たちは幽霊ってことはなさそうね。っていうか、そもそもお腹がこんなに空いてるのに幽霊なわけがないと、少女は思った。
「困ったわね……」
少女は、このままじゃぁお腹が空いて死んじゃう、困ったと思った。
「そうだな」
ルークは、剣がきかないどころか剣を失ってしまって困ったと思った。
かみ合っているようで実は全然会話がかみ合っていない。
そのままお互いに別々のことを考えている。
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この二人も楽しいんだけどね。
単なる番外編のモブよ、モブ。
楽しいんだけどね。
さて。気が付けば、日付変わって16日だ!
もう家に籠りすぎてて、日にちの感覚がありません。
うううう、そして、お外執筆派の私、マジでずーっと小説書いてない。やばくない?
そろそろ書こうぜと思っても家だとやる気でなーい。
まずい。どうしたら……




