ぼろぼろにて
「ふむふむ、もう少し耳の作り方に工夫が必要そうですね。首を傾げた時に、それについて動く方がよさそうです。ああ、あと、ジャンプした時などに耳部分がひょこひょこ跳ねたらかわいいでしょうね……」
あ。ちゃんと仕事モードでした。資料ように写真が必要なんですね……。えっと、資料用ですよね?
「ふるピョン、ちょっと、その、くるりと回る姿を、動画に取らせてもらえないだろうか……」
えっと、資料用ですよね?
……。
これを最後に仕事に戻らせてもらおうと、くるりと回る。
チリンチリーン。
うひゃー、しまった!
他のお客さんに見られる危険性を考慮してなかった。
あわてて作り笑顔でいらっしゃいませと口に……。
「う、うわぁ、わぁ、だ、大丈夫ですか?留さん、サファルさんっ!」
どういうことだろうか。
前にサファルさんが本当にボロボロになって、車にでもひかれたんじゃないかというくらいの状態で来たことがある。
留さんも、そんな状態だ。
立っているのがやっとというように、ふらつき、何かに手を置いて支えがないと前に進めないような状態で……。
服もあちこちすすけているというか、何かの爆発に巻き込まれたコントの芸人みたいな汚れ方をしている。
サファルさんは体のあちこちに傷があるようにも見えるけど、あれ、血のり?
本当の血だとすると……。
「きゅ、救急車、えっと、ああ、どうしよう」
パニックになりかけていた私をよそに、私の姿を見たサファルさんが少し力を取り戻したかのように、私に向けて両手を広げた。
「今日もかわいいっ!抱きしめさせて!」
社長が私をかばうように、椅子から立ち上がって、サファルさんの前に立った。
「だ、め、で、すっ!犯罪だと前に聞いたでしょう?」
「いや、だから、今回は同意を得てからならいいって、トーメが言ったから」
社長が留さんに視線を向ける。
「毛利さん……」
尊敬する留さんがサファルさんに教えたとなれば何をどう言っていいのか分からなかったのだろう。責めるわけにもいかず、確かに同意があれば犯罪ではないというのも間違いではないのだから。
「ふふふ、若いっていうのは、もう、見ているだけで……楽しいものですよ」
留さんの言葉に社長が顔を赤くする。
って、そんな謎のやり取りしてる場合じゃなくて。
「病院へ、あの、留さんはかかりつけの病院は……」
「大丈夫ですよ。カフェオレ二つ頼みます。ああ、せっかくですから、相席しても?」
留さんは私に注文して、社長の座っていたテーブルに腰かけた。
いや、空いてるのに相席ってことは、そうだ、友達増やそう計画ですね。社長も尊敬する留さんと仲良くなれて嬉しいですよね。
「では、すぐに用意しますね。社長がコーヒーで、留さんとサファルさんがカフェオレですね」
お湯を火にかけ、水とおしぼりをテーブルに運ぶ。
「ふるピョンが、ぴょこぴょこお盆を持って運ぶ姿……」
「なんと、癒される光景」
「そうだ、サファルさん、見て癒される、それが正解だ!」
「そうか、俺も未熟だ。そういう世界が世の中には……」
……。なんか、急に意気投合し始めてますけど。
うわあぁーーーー、昨日更新してませんでしたか?
あれ?おかしいな。なんで忘れたんだろう。
というわけで、今からもう一話更新するぞ。ちょっと待っててね




