魔法教室の約束
ってことは、エリさんの人格が出てくるのはエリカちゃんが寝た時とカフェインを摂取したとき。
いつ寝るか分からないので、カフェインを摂取させるのがエリさんを出すのは簡単。とはいえ、それはエリカちゃんの祖母であり母でもある人物に禁止されている。エリーゼさんにとってはとてもお世話になっていて頭の上がらないであろう人物に。それに、エリカちゃんのママとしても、幼児にカフェインは与えたくないだろうし。
「事情を説明して、母に相談してみます。許可がでたら、そのときにお願いできますか?」
留さんがにこっと笑った。
「そうですね。それがいいでしょう。もし、難しいようでしたら、もう少し遅い時間か早い時間のエリカちゃんが睡眠をとる時間に私が合わせますよ」
「あ、ありがとうございますっ!」
なんだかよくわからないけれど、留さんとエリさんとエリーゼさんは仲良くなったということでいいかな。
常連さん同士交流を深めるのはいいことだと思う。
でもって、えーっと、私にできることは……。
「はい、どうぞ」
リンゴのゼリーのお代わりをエリカちゃんに渡すこと。
「え?すいません、あの、いいんですか?」
エリーゼさんが申し訳なさそうな顔をする。
「ふふ、他の人には内緒ね。早起きして一番に来てくれたご褒美だよ」
と、エリカちゃんに話かける。
「うわー、一番のご褒美!やった!ありがとう!」
エリカちゃんが嬉しそうにゼリーの器を両手で持ち上げた。
「すいません、ありがとうございます」
「いいえ、こちらこそ、朝早くからおいでいただいて感謝です」
なんせ、土日はいつも7時台は閑古鳥だもの。来てくれるとお店も華やかだし、私もぼんやり店にいるよりは張り合いが出る。
「えーっと、それから魔法の話はどうしましょうか」
エリーゼさんが留さんに尋ねた。ああ、そういえば、魔法の使い方を教えてほしいって言っていたっけ。
話の流れでそういうことを出しただけじゃないのかな?
「長くなるということでしたし、少しずつ教えてもらうということでどうですか?」
留さんがきれいなウインクを決めた。
「モーニングを食べながらね」
……うおう、ダンディな紳士ですな。
さすが大会社の会長にまで上り詰めただけのことはある。
「そうですね」
エリーゼさんがほっとしたように息を吐き出した。
もしかしたら、いくら年が離れているといっても、男性と会うということが少しハードルが高かったのかもしれない。辛い目にあったわけだし。
うん、うちはいつでも歓迎ですよ。
「ねー、ママ、早く帰ろうよ!テレビ始まっちゃう」
エリカちゃんはゼリーを食べ終わると、待ちきれないといったようにエリーゼさんの服を引っ張り出した。
「では、また明日は大丈夫ですか?」
「はい。早いですけれど、7時でいいですか?エリカはまだ寝てると思うので」
留さんが小さく頷く。
おお、明日は日曜だもんね。うん。明日もエリカちゃん幼稚園ないか。
「さぁ、エリカ、お金を払ってからね」
エリカママがレジに立つ。
エリカママは、ママ友会で週に何回か足を運んでくれる常連だけれど、コーヒーチケットは買っていない。
グループでの常連というのは難しいらしい。
全員がチケットか、全員が現金というのが一番もめ事がなくていいそうだ。
どうも。いつもありがとうございます。
さて、すがきや愛を語るの続き。
ちなみに、すがきやに行くときに使う言葉は
「ラーメン食べに行こう」
ではなくて
「すがきや行こう」
です。
ええ。「ラーメン食べに行こう」「どこにする?」ってラインからはずれます。
それくらい、すがきやは別格。
さて、さらに言えば……ラーメン売ってるけど、ラーメン屋をイメージしたらずっこける話をしましょう。
まず、ラーメン屋といえば、ラーメン以外になにを想像しますか?
チャーハン?……ありません。
代わりに、まぜご飯があります。
餃子?……ありません。
代わりにクリームぜんざいがあります。
ラーメンセットって、ラーメンに何が付いてくると思いますか?
から揚げ?……つきません。
代わりにカレーライスが付きます。
ほら、もう、何を言っているのか分かんないよね?
とにかく、だから、ラーメンじゃねぇって、すがきやなんだよ!
ラーメン食べに行くのと、すがきや行くのじゃ、全然違うんだよ!
……うん。そろそろ分かってきたかな?
それなのに、ラーメンとして美味しいとか不味いとか語るのはナンセンス。
トータルして、すがきや好き はぁと っていうのが名古屋圏、東海の民。
なのですよ。
ふぅ。まだ、熱く語りたいけれど、続く。
あ、すがきや愛を感想欄で語ってもオッケーです。
すがきやとは?と混乱した気持ちを語ってもオッケーです。
……うん。ちょっとメニュー確認してきた。
期間限定メニューっていうのが色々あるんだけど、
今現在は、ホイップ&チョコプリン。
……と、濃い味すがきやラーメンなんてのが出てた……な、なに?!ちょっと気になるんだけどっ!




