短編詩集『 クズばなしの詩集』
『崩れる詩』
崩れながら呼んでください。
『初恋の詩』
初恋をしながら呼んでください。
『涙の詩』
涙を流しながら呼んでください。
『下を向いて歩こうの詩』
下を向きながら読んでください。
①クズ
崩れる詩
より一層 崩れてゆく
より一層 崩れてゆく
愛も夢も
より一層 崩れてゆく
あいつをくれ
宝石をくれ
全てこり固めたあいつをくれ
俺の心の構造が
わからなくなる前に
もうどうにも 崩れていってしようがないんだ
あれを抱きしめて寝ないと
夜が俺を
俺を溶かして排水口に導くんだ
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②は
初恋の詩
月の無い夜の月下美人って綺麗かしらーー。
そういう華奢な心を持つ
君たるものの儚きよ
花弁は薄く、風を避け
その比喩のごとく永遠に
私の手からすり抜ける
髪かきあげる輪郭を
月光で白く染める君
ーーあぁ、君が初恋の相手でよかった
私はきっと金輪際、
たった一人の人を想い死ねるだろう
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③な
涙の詩
涙の figure
頬にできた、ある二つの道
涙のfigure
恋の死の遺言は
曖昧な謝罪の反芻
春は花粉のせいなのです
涙のfigure
僕の生の理由は
最後の言葉の猶予期間
涙のfigure
痕になってしまえ、涙よ
いっそ刻んでしまえ、涙よ
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④し
下を向いて歩こうの詩
下を向いて歩こう
涙がこぼれるように
春の日を思い出し。
下を向いて歩こう
上むく人に敬意を示し
悲しみは涙とともに拭うため
苦しみは心に終い朽ちるため
下を向いて歩こう
涙がこぼれるように
俯かないと見えないことが、明日の僕らを
作るから。
一人ぽっちの夜に喝采を
一人で死にゆく僕らに喝采を
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