第20話 北帝国城門前にて
東帝国からこの森に来た要領で俺はニャザール村へ飛んだ。
1秒もかからずに到着した。
村の入り口には戦士長ナールの部下のライルとベンが立っていた。
近づくと、
「貴様何者だ! ...ってアヤトさん!? どうして裸なんですか! 今服を用意します!」
そう言ってベンが服を取りに行った。
「森からすごい音がしたので今様子を見に行こうと思っていたんですが、何があったのですか? もしかして盗賊に追われて?」
ああ、そういえば盗賊にさらわれた村の人たちを救うのが目的だったな。 すっかり忘れていた。
「いや、それがな...。」
俺はベンが持って来てくれた服を来ながらこれまでのことを全て話した。
「そ、そんなことが......。」
理解しきれていない様子だ。 まあ当然だろう。 帝国が消滅したなんて急に言われても誰も想像もできない。
「それで今から北帝国に向かうんですか?」
「ああ。 もう行くよ。」
「そうですか。 我々にも何かできることはありませんか?」
「気持ちはありがたいが特にない。」
「そうですか...。 お気をつけて。」
「ああ。」
俺は村を背に、北の方向へ高速で向かった。
あまりに速すぎて、道中の木々を衝撃波で粉砕してしまったが特に気にしないことにした。
ついでに魔物も倒せて数レベル上がってラッキーだった。
そして10秒もかからずに北帝国にたどり着いた。
「これが北帝国か。」
東帝国と同じくらい立派な城壁だ。
だが、東帝国と比べてたらかなり小さい。
あの攻撃を受ければ一瞬で吹き飛ぶだろう。
とりあえず中に入ろう。
といっても、入れるだろうか。 最悪、止められたら強引にでも入るしかない。
俺は城門に近づいた。
「身分証を見せろ。」
城門警備の男に冒険者登録証をみせた。
男は登録証をじっくり見て俺に返しいくつかの質問を続けた。
「どこから何が目的で帝国へ来た。」
「東帝国からだ。 武器の調達をしに来た。」
「東帝国からどうやって来たんだ。」
随分と警戒されているようだ。
「途中まで馬車に乗って来てそこから歩いて来た。」
......。
警備の男は腕を組んでしばらく考えこみこう言った。
「立ち去れ。」
「え、今なんて?」
「立ち去れと言っている!」
「いやどうしてだ。」
「北帝国と東帝国を結ぶ道は存在しない。 ここへ来るには中央帝国を経由する必要があるし、中央の方が良い武器が揃っている。 それ故にわざわざ北帝国へ武器を調達しにくるのはどうもおかしい。」
「......。」
なるほど。 もっと上手い言い訳を考えておくべきだった。
「わかったもういい。」
俺は説得を諦め強引に入国することに決めた。




