2-1 変わってしまった日常 朝
そろそろ頑張って文字数増やすかな……
翌日、宿し人となって四日目で澪はようやく学校へと戻ることを許された。
「杉山さん、雰囲気変わった? 」
「あれだけの事に巻き込まれたんですもの、そりゃあ雰囲気も変わるよねー」
「ところであのイケメン誰? 」
しかし、あちこちで澪を横目で見ながらヒソヒソと話をする人がおり、澪はひたすら居心地の悪さを感じていた。
「はぁ、なんでこうなったんだか」
隣に並んで登校する司の横顔を上目で覗きながらため息をついた。
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この日、澪は朝7時に智久に起こされていた。
「さて杉山君、君は今日から二条と登校してもらう」
「え? 」
「一応名目としては司がお前の監視役となっているが、実態は非常時にすぐ戦闘態勢に入れるようにという配慮だ」
「えぇ…… 」と澪が困惑した表情を見せると、智久も「上からの通達だ、許せ」とやや申し訳なさそうに頭を下げた。
「分かりました。でも非常時って一体…… 」
「実は君が眠っていたあの二日間の間で『蝕』に関する情報がある程度全国に発表されているんだ。だから『蝕』が大量に発生した場合は即座に警報が鳴るようになっている」
「つまり、警報が鳴ったら司君と合流して戦え
ということですか?」
「安心してくれ、司は同じクラスに入ることになった」
「えぇ…… 」
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「では、僕は職員室に用があるので」
「分かった。またねー」
職員室前で司と別れ一人で教室に入ると、澪の周りに黒山の人だかりが出来上がった。
「久しぶり! 大丈夫だった? 」
「怪我したって聞いたけど…… 顔じゃなくて良かったね」
「ところでさっき一緒だったあのイケメンは誰? 」
一斉にクラスメイトたちの質問が浴びせられ、澪の思考が止まる。
「えっと…… 」
「はーいそこまで、朝のHRするよー 」
ここで担任の桐山が教室に現れ、質問大会は収束した。全員が席に戻り、HRがスタートする。
「まず一つ目、先日のニュースの通り『蝕』に関する発生警報は打ち切られてないから、全員気をつけて生活すること」
「「「はーーい」」」
気の抜けた返事が教室に響き渡る。澪は何の気なしに教室を見渡すと、なぜか自分の後ろの席が空いていることに気がついた。
「二つ目、転校生がこのクラスに来る。さ、入った入った」
扉が開く。教室に入ってきたのはもちろん司なのだが、クラスの全員が驚きの声を上げた。
「あいつ、朝の…… 」
「超イケメン! 近くで見ると違うわぁ…… 」
再び桐山が「静かに」と声をかける。
「彼は二条 司君、今日から君たちのクラスメイトだ。仲良く頼むよー 」
「二条です。宜しくお願いします」
「あ、二条君の席はあそこ、杉山君の後ろになるから」
「分かりました」
司が席につくと桐山はパンと手を叩き、「じゃ、今日も一日頑張ってー」と言いながら教室を出ていった。