異世界召喚されるかもしれない事を失念していた事が悪い
初投稿です。
1驚くべき出来事
僕はクズだ。ゴミだ。あぁ、面倒臭い。
なのにもかかわらず、とても幸せだ。
今まで何一つ不自由なく、とても良い環境があった
きっと前世で世界を救うなり何なりしたんだろう。いや本当は、大してそう思ってはいないが、そう思っていないと、何て理不尽なんだこの世界。と1日に10回は零すことになりそうだ。
別に、幸せだから無欲とかそういうわけじゃない。
重力を感じずに宙を揺蕩いたい。とか。
不老不死の上もう少し凛々しい自分になりたい。とか。
今の状態で世界から生き物が消えたら。とか。
そういうのがたまらなくほしい。
だけど、手に入ったらきっと要らなくなるな。とか昼食を取りながらテレビを見て頭の隅で考えたりして、
今日はいつもの何でもない幸せな日のはずだった。
踏切で、電車を待つ。電車が来る事を大きな音が伝える。
電車が僕の視界の99%を占めた時
電車が消えた。
同時に目眩で前が見えなくなり
すぐに体から力が抜けていく。
倒れ、感覚がなくなる。
そして、感覚がないまま3分程経ち意識もなくなる。
朝、目覚めたのは窓のない部屋。ドアが四方にあり、部屋が全体的に冷たい。木ではなく石で出来ているようだ。
そして、少し離れた隣には少女が横たわり寝ている。
ここへきた覚えもないのにこの変な部屋にいた。
状況がわからない僕は、取り敢えず頭を向けていた方のドアを立ち上がって開けにいくが、その足は掴まれた手によって止められた。
「お早うございます。体に不調はありませんか?」
ワンピースを着た少女は、寝そべりながら顔をこちらに向け足を掴まえたまま話した。全くわけがわからない。だが、助けてもらったにせよ攫われたにせよ、この少女の機嫌を損ねるような態度はあまり良くないと思い口には出さない。
「おはよう。今のところ特に不調はないよ。君はこの状況を説明できる?」
「いいえ。出来ませんね。」
「あぁ、そう。なら、僕の安全を保障して今の僕の状況を説明できる人はいる?」
「それなら、はい。その人のもとまで連れて行く事が可能ですね。」
話しながら立ち上がり、乱れた髪を軽く整えた。
「そうか、ありがとう。それと、名前を聞かせてもらえるかな。僕は苅野だ。」
「カリノですね。把握しました。私はフィシスという名です。」
てっきり、日本人なのだと思っていた僕は日本の名前ではなさそうな事に少し驚いた。
「君は日本人ではないのかな。さて、どのドアから出るのだろうか、早速案内してほしい。」
「ニホンジンではないですね。こちらです。付いて着てくださいね。」
そう言って、僕が出ようとしたドアとは反対側のドアから出て行く。僕はそれに付いていく。