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みんな知ってると思う

れおは立ち上がり、冷蔵庫にあるチューブを取り出し王子の目の前に突き出した。

蓋を開け、匂いをかげるように鼻先に近づけた。

「これはニンニーク。これだ。さっき言ってた野菜と言うのは。」

「名前を言ってくれたら良いのに。」

「だがこれは数年前に発見者が付けた名前だから普及してないと思ってな。」

次はノートを取り出し、ペンで簡単な十字架を書いてみた。

案の定バッチリくいついた。

「なぜ話したばかりの魔物に有効なデザインを知っている?!」

「あーやっぱり十字架のことなんだ。ある特定のデザインなんていうからもっと小難しいもんかと思っちゃったじゃない。」

「十字架?いや、我々はクロスと呼んで、それもニンニークの発見者が名付けて我が国しか知られてないと思っていたのだが。」

にんにくと十字架を知っている人が王子の国にいる?

だったら、他にも対策は立てているんじゃないか。

「その発見者、他には何かしてないの?例えば倒し方の説明とか。」

王子はしばらく思い返していたようだが、慎重に口を開く。

「いや、手は尽くしたが、これ以上は難しいとしか話していないと聞く。だから禁忌と言われる召喚術を使っても奴らを倒す方法を求めて、私は…」

「あー、はいはい。良かったね、やった甲斐あったね。」

シリアスモードに入ろうとする王子を制し、投げやりになったのも仕方ない。

これ私じゃなくても誰でも良かったんじゃない?

そう心に浮かんだ途端、脱力感が半端無かった。

踏みとどまれて本当に良かった、これだけの為に世界渡っちゃう価値全くないじゃない。

祖母の風変わりな遺言の「異世界人には優しくしてあげて、困っていたら助けてあげて。」を思い出す。

その言葉を聞いた祖父はすかさず「無理しない範囲でいいからな。」と付け足していた。

乙女な祖母にその心も体も守る優しい騎士のような祖父。

あの二人に免じて、助けてあげましょう無理ない範囲で。



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