28 世の中は矛盾だらけだ、世界が変わろうと揺るぎはない
「け、消す……?」
「排除するのよ、どんな手段かは知らないけど……この異世界に人間はいつかいなくなるわ」
「で、でもそしたらこの世界は――」
「あたしたちは誰のおかけでこの世界で暮らしている?」
凜がどんどん話を進めていくが、俺は全くついていけない。
この世界から、人間を消す?そんなことが出来るとは思えない、でも凜は本気だ、嘘を言ってる目では無い。
「誰のおかげって――」
そもそもこの世界を創ったのが――
「天界の……人間?」
「正解よ。ではその世界を何故あたしたちに使わせた?天界人がこの世界を創った意味は何?」
――そういえば、
確かに考えたことは無かった、人間界の奴らの為にわざわざ世界を創り、わざわざ敵やフレンドシステムを用意してあげる。
こんなのはあり得ない、形は似てるとも俺達は違う存在だ。その違う存在にここまでもてなすなんて……。
「り、凜!じゃあ何でこの世界は創られたんだ!?」
「……それは――」
ゴクリと息を呑む。もしかしたら今俺は、とんでもないことを聞いてしまうかもしれない。
「――まだ言えない」
「――え?」
まだ言えないって、いや、
「そこまで言っておいて何を今更――」
「あたしにも新たな考えが今出て来た。本当はここで言おうとしてた、でも言えない理由がたった今出来たの」
「たった今って、それは無いだろ!」
「少し黙って、余計な情報は出せない」
余計な情報?さっきから凜が何を言ってるんだか。
……いや、凜の事だ、きっと俺には及ばないとこで考えを巡らせてるんだろう。とにかく指図に従っておこう。
「とりあえず蘭次、目の前の戦いに集中しましょう」
「あ、ああ……」
また世界が構築される。でも、さっきの荒野とはフィールドが違うみたいだ。
「……山の中?」
木に囲まれた山に俺達はいた。
「蘭次くん、油断しちゃだめだよ。もう戦いは始まってるんだ」
「え――とぉぉ!?」
俺のすぐ傍をナイフが飛んで行った。
「そう、この戦いに大きなルールはない、必要以上に傷つけなければ何をしてもいいんだ」
「椎名……」
「行くよ蘭次くん。相手も決して戦いに慣れてる訳ではないしね」
「え、何でそんなことがわかるんだ?」
「簡単だよ」
ほら、と椎名が指をさす。
「ナイフは向こうから飛んで来た、戦い慣れてる人なら、わざわざ自分の位置を教えるような位置から当たる確信のない攻撃はしてこない」
「は、はあ……」
簡単に言うが、俺には全くわからなかったぞ、よく見てる……そういえば前のロボットの時も弱点を見つけたのは椎名だった。
「動かないで蘭次くん。こっちからアクションを起こさないでいれば必ず相手は痺れを切らす。その時が――」
こいつの能力って、
「――無法地帯の戦いが始まる時だ」
前にも言いましたが椎名は嫌いですねぇ……イケメンなんて淘汰さ――なんでもないです




