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青川河川敷変死体事件捜査 5

 会議場の人数は、昨日よりも更に減っていた。初めての会議に比べると参加人数は半分くらいになっただろうか。S県にて調べることも増えている。各自が忙しくなっているのかもしれない。

 会議ではまず、黒柳の突き止めたラーメン店から発表された。

 内容は先に取調室で聞いていたことを繰り返しただけだ。だが、本部の多くの捜査員は、佐々谷誠がラーメンを食べた後、スポーツサイクルで佐々谷実の家の近くまで来ていることを知らない。

「ラーメンを食べた後の足取りを追え。その後はビジネスホテルに戻っていないことは分かっている。近くの飲み屋を洗え。特に暴力団と関連がありそうな店を重点的に調べろ。他には、職場の同僚の家などに向かっていないかも調べろ。死亡推定時刻は電車が無くなる時間だ。同僚の家に泊まって、翌朝出勤しようなんて考えていたら、トラブルに巻き込まれた可能性もある。また、酔って人生を悲観して、衝動的に自殺したって線もまだ捨てるな。青川の橋や河川敷で姿が見かけられていないか、聞き込みも忘れるな」

 課長は矢継ぎ早に指示を出した。全て適切な考えだなと和田は思った。

「次。何か報告は無いか」課長の隣に座る青川署の副署長が声を張り上げた。事件発生から刑事課課長がずっと捜査を指揮しているが、日が経つにつれて上層部の中から捜査会議に参加する者も減り続けている。正面に座るのは今、課長と副署長しかいない。

 課長と河川敷捜索班の刑事の目が合った。課長が顎で立つように促すと、刑事は渋々といった感じで立ち上がり「ええ、青川河川敷の捜索は、南港区の青川河口まで捜索しましたが、何も見つかりませんでした」と、短い報告を終えた。

 副署長のむっつりした視線を受けながら、河川敷捜索を行った刑事は申し訳なさそうに席に着く。

「次。T県。何か無いか」

 課長が迫ると、T県の刑事が鼻の頭を掻きながら立ち上がった。三白眼の刑事だ。

「先ず、以前の報告について追加報告があります。櫛に残っていた毛髪は佐々谷誠のものと判明。ビジネスホテルの防犯カメラの写真でも似たようなジャケットを着ていることから、ポケットの中にあった物も含めて、全て佐々谷誠の物と見て間違いないでしょうね」

 皆、当然だろうなといった顔で聞いている。

「それと、昨日の河川敷捜索でも、新しい証拠品は発見できませんでした」

 ここで、T県の刑事は肩を丸めて申し訳無さそうに話し出した。

「あと、最初にジャケットとズボンを発見した場所の上流で、ブルーシートが発見されていました。そのブルーシートの内側に血液らしきものが付着してまして。ついでに調べた結果、佐々谷誠のものだと分かりました」

「ああん?」この報告には、さすがに課長も頭に青筋を浮かべて怒り出した。

「発見されていたとは何だ! そりゃつまり、もっと早くから見つかっていたってことか!」

「ええ。そういうことです」

「いつ見つかっていたんだ」

「ジャケットとズボンが見つかったすぐ後ですね。その場所から数百メートル上流の橋げたに引っかかっておりました。ちなみに、前日の明るい時間にはブルーシートを見つけた者はいないようなので、一月七日の深夜以降から、佐々谷誠の遺体発見日である一月八日までに流れてきた可能性が高いですね」

 そこで会議はしばらく紛糾した。

 普通に考えて、ブルーシートに佐々谷誠の遺体を包んで、橋から川に捨てたと考えていいだろう。今まで自殺や事故の可能性も考えていたが、殺人事件でほぼ確定したことになる。

「川が氾濫していたんで、橋げたまでシートを取りに行くのも危ないじゃないですか。その時点じゃ事件に関係しているなんて思いもよらなかったしね。で、ある程度水量が少なくなってから川に入って取ってみたんですよ。そしたら血糊のようなものがべっとり付着してたんでね。調べたらビンゴでしたわ」

 課長は憮然としたまま、隣の副署長と今後の対応を話しあっている。当然だろうと和田は考えた。今までは捜査本部として小規模で調べていたが、殺人事件となると青川署刑事課の仕事じゃない。警視庁刑事部により、特別捜査本部が設置されて、そちらの管轄となる。

「これが黒柳さんの感じていたT県警の不信な点ですか?」

 秋田が黒柳に囁くように尋ねた。

 黒柳はニヤリと笑い、「ミングはどう思う?」と聞いてきた。

 和田はしばらく考えると、「これでしょうね」と言った。

「理由は?」

「遺体を発見した後、僕自身も川の上流を歩いて調べています。その時にいくらT県寄りとはいえ、川にブルーシートなんてあったら気付いていたはずです」

 和田はしっかりした口調で、淀みなく答えた。

「ということは、ブルーシートはもっと早い段階で見つけていた。もしかしたら、橋げたに引っかかってもいなかったのでは。岸に流れ着いていた血糊の付いたブルーシートと財布入りジャケットを見つけて、とっくに殺人事件を疑っていた上でとぼけていたんでしょう。おそらく、ブルーシートの血糊は頭部の裂傷からの出血で、その部分に毛髪も付着していたのでは、その毛髪が櫛に残っていた毛髪と同じだったことから、確信を持っていたのではないかと」

 和田の説明が終わると、黒柳はニンマリと笑って和田の頭を撫で始めた。タワシのように逆立った和田の硬い髪の毛がジョリジョリと音を響かせる。

「九十五点」

「はあ。ありがとうございます」

「残りの五点は何ですか?」

 横から秋田が食いついてきた。

「うん。これはまあ、俺の勘というか、感覚だが」

 黒柳はT県警の刑事を見つめている。

「ブルーシートだけだと、殺人事件があった事実しか分からないだろ。それだけだと事件が簡単じゃない可能性もあるだろうに。なのにすぐ飛びついた。てことは、あっちもまた、他に何か突きたいターゲットがある気がする。S県警みたいな感じで」

 黒柳は自分の頭に手をおいて、ガシガシと撫でながら答えた。

 すぐに再び和田の頭に手を置いて、「おまえの髪ほんと硬いな」などと言いながら、もう一度和田の頭を撫で始めた。

 課長が咳払いをすると、それまでざわついていた会議場は静かになった。

「とりあえず、会議を続ける。次の報告を」

 S県警の刑事が手を上げた。

「ええ、ジェネッタ・リタと、後から押し掛けてきた男。名前分かりました。ゲーナ・ロメオといいます。それに佐々谷誠の世話をした暴力団員。この三人の聞き込みが進みましたので報告します。まず、ジェネッタ・リタについて。本人は観光ビザと就労ビザの違いが全く分かっていないです。従って、自分が刑法に触れる行為をしているなんて認識が全く無いですね。説明したら怯えっぱなしになりました。根は普通の真面目な女の子ですわ。で、もうちょっと突っ込んで何があったか聞いてみたんですけど、どうやら、暴力団員の男から、結婚するとずっと日本にいることができるって吹き込まれたみたいですね。で、その相手として佐々谷誠を紹介されたようですわ」

 ここで一旦、S県警の刑事はペットボトルの水に口を付けた。

「ところが、外国人女性が日本の永住権を得るために、日本人と偽装結婚するってことがあまりにも多すぎてね。最近はしばらく交際していた実態が証明されないと、なかなか役所も婚姻を認めないようになっちゃってるんです。で、とりあえず婚約した形にして、数か月同棲しようってことになりました。婚約指輪を買ったのもジェネッタ・リタです」

 これで一つ謎が解けた。

 佐々谷誠は派手好きで、ペンダントは高級品だったのに指輪は安物だった。役所にアピールするための、形だけの結婚だったからだ。

「それと、暴力団員に借金して、そのお金を佐々谷誠へ、結婚の持参金として渡しています。半分は先払いで渡し、もう半分は少し後ですね。通帳の記録にあった、出所して四か月後にあった入金額と一致します。佐々谷誠は先払いの金を受け取った直後に服やカツラを買って浪費していましたね」

 なるほど。佐々谷誠は正式に結婚する前にせめて見栄えだけでも良くしようと、無理してカツラを買ったのかもしれない。

「で、もうちょっとで役所に認められそうってとこまで来てたんだけど、そこにゲーナ・ロメオが現れた。ジェネッタ・リタが言うには、フィリピンで渡航を斡旋してくれた恩人らしいんで、むげにはできなかったみたいです。ただ、ジェネッタ・リタとしては、借金までしちゃってるんで、結婚だけはなんとしてでも成立させたい。かなり迷惑していたそうです。ところが、佐々谷誠はケンカに負けちゃって、ゲーナ・ロメオが居つくことになった。その点は不満タラタラでしたわ。日本人はだらしないって」

 和田はここでふと、もしかしたら、暴力団員とゲーナ・ロメオは通じていて、婚約を壊すために送り込まれたのではないかと思った。そうすれば、ジェネッタ・リタの借金だけが残ることになり、スナックでずっと飼い殺すことができる。

 ジェネッタ・リタは当然、佐々谷誠に結婚の持参金の返却を要求するだろうけど、佐々谷誠が逃げてしまえば、異国に渡ってきたばかりの彼女には探しようが無かったはずだ。

「ジェネッタ・リタに、佐々谷誠が保護観察中ってことを教えて、尋ねてみたんですわ。案の定知らなくてね。ちょっとでも問題を起こすと再び刑務所に逆戻りすることになるって聞いて、手を出さなかったことを納得していました。少しうるっときてましたね。あれは」 

 S県警の刑事がフンと鼻で笑いながら言った。

「他に、最近の佐々谷誠について、何か気付いたことは無いかと聞いたら、ゲーナ・ロメオに家から追い出された直後は、金の節約のためにホームレスのようなことをやったりしながらも、ビル管理の仕事はきちんとこなしていたそうです。スナックで働いているから、夜勤の時はこっそり顔も合わせていたみたいですね。ただ、寒くなってからは時々ホテルに泊まったりしていたそうです。また、休日には自転車で都内を回ったりしていて、見る物が新しい物だらけで楽しいとも話していたそうです。家計簿を調べたら、その自転車のことも書かれていましたね」

 ここでS県警の刑事が懐からメモを取り出した。

「ええと。WINDというメーカーの、ライトカッツという自転車ですね」S県の刑事は手を前に突き出して前傾姿勢になった。「こう、前のめりになるレースに使うような自転車で、十八万円ほどの高級自転車だそうです」

 和田が秋田を見ると、小刻みに頷いた。コンビにの防犯カメラに映っていた自転車と似た感じなのだろう。黒柳は目を瞑って上を向いている。

「まあ、二十年以上ムショに入っていたわけですから。都内で見るものが楽しく感じるのも当然でしょうね。で、ここで気になることが一つ。去年の年末、ジェネッタ・リタは佐々谷誠から『今の居宅から夜逃げして、新しいマンションに二人で引っ越さないか?』と、提案されていたそうです。佐々谷が言うには、S県M市の駅前にある高級マンションを借りられる算段が付いたと言っていたそうです」

 S県M市駅前といえば、青川区を走る二一五号線を北に五キロほど北上した所にある。佐々谷誠の勤め先のビルがあるY市の隣の市だが、やや遠い。

「ジェネッタ・リタにとっちゃ、徒歩で通勤できなくなるから不便なんですけどね。目の前の駅から電車に乗ればすぐだと説得されたそうです。計画が具体的だったみたいで、ジェネッタ・リタも乗り気でした。ゲーナ・ロメオからも逃げたかったんでしょうね」

 ここで再び、S県警の刑事がメモをめくり始めた。

「ああ。これだ。調べたら、M駅前の高級マンションって、一棟しかないんだよね。名前がサンモールビューM。十九階建てです。ええと、サンモールビューまでが片仮名で、Mがアルファベットの大文字でM」

 捜査員たちがメモ帳を取り出して書き始めた事に気付いたS県警の刑事は、丁寧に言い直した。

 和田はふと、ペンを持ったまま黒柳が視線を上げて動かないことに気付いた。和田が視線の先を追うと、どうやらT県警の刑事の背中を見ているようだった。彼はメモを取ってはいない。

「で、佐々谷誠と一緒に近々逃げるから、このことはロメオには黙っておいてくれってしつこく頼むものだからね、そこで、佐々谷誠が既に死んでいることにまだ気付いてないんだなって分かりましたわ。伝えたら、ひたすら泣き叫ぶだけになっちゃってね。持参金は返して貰えるのかってことだけを何十回も聞かれましたわ」

 会議室に笑い声が漏れた。

「と、まあ、ここまでがジェネッタ・リタに関する報告です。心証じゃシロですね」

 ここでS県警の刑事は別の用紙を取り出した。

「次に、ゲーナ・ロメオについてですが、こっちは国際手配されていましたわ。フィリピンで殺人の容疑がかかってます。同業の渡航業者が、自分の客を横取りしたってんで刺殺したとか。指名手配される前に日本に逃げ込んで、フィリピン人の知り合いからジェネッタ・リタのことを聞き出して、しばらく潜伏するために押し掛けたんでしょう。昔付き合っていたってのも怪しいですわ。ちなみに、暴力団員との接点は見つかりませんでした。ジェネッタ・リタが今のスナックで働き始めたきっかけも、求人広告で選んだだけでしたからね」

 ここで和田は、さっき自分が考えたゲーナ・ロメオと暴力団員が繋がっているという考えを捨てた。

「相変わらず一言も喋らないですけどね。佐々谷誠が殺された日のアリバイだけはありますわ。一晩中ジェネッタ・リタと口喧嘩しているのを、隣近所が聞いてます。もっとも、二人とも車を持っていないんで、ブルーシートに包んだ遺体を川に捨てるなんてマネはできないでしょう。邪魔になった佐々谷誠を殺し屋に始末させたなんて線も無い気がしますわ。まあ、二人そろって近いうちに強制送還して終わりですわ」

 一息ついて、S県警の刑事は新しい書類を取り出した。

「最後に、佐々谷に仕事を斡旋した暴力団員についてです。名前がキン卓包タクホウ。在日朝鮮人二世で、日本人名が金沢かなざわ卓成すぐなり。無許可営業の風営法違反で、六年ほど前に一年以上ムショに入ってます。都内R会の傘下団体の幹部ですね。店に居るところをしょっぴいて話を聞いたんですが、佐々谷誠については、以前に刑務所で一緒になったから、出所して困っているようなら仕事を斡旋すると約束していた。ビルの管理の仕事を与えて、彼には良く働いて貰っていた。プライベートについては詳しくは知らないと言ってます。また、ジェネッタ・リタについては、経営に関わっているスナックの従業員であり、借金を頼まれたので貸してあげた。観光ビザについては知らない。利息も付けていない完全な善意であり、責められる筋合いは無いとのこと。更に、事件発生時のアリバイについては、一月七日午後八時頃から一月八日の朝まで、ずっとスナックの入っているビルの中にいたそうです。これは、スナックの従業員だけではなく、外部に委託している夜間清掃業者や、その日の当直警備員まで、複数の証言が取れました」

 S県警の刑事はここで姿勢を正して、眉間に皺を寄せて、声が一段低くなった。

「しかしながら金卓包は、スナック従業員に対して、佐々谷誠にはせっかく仕事を斡旋したのに、今一つ義理を欠いた態度だなと愚痴っていたという証言を得ることができました。おそらく、仕事を与えて結婚相手も見つけてやったのに、ゲーナ・ロメオにあっさり追い出されたり、せっかくアパートを借りたのにすぐにビルの住み込みに戻してくれと頼んできたりと、佐々谷誠に対して不満を抱いていたものと推測されます。そのあたりの軋轢がこじれて、殺人に至った可能性も十分にありえると思われます」

 S県警の刑事は課長の目を探るように見つめつつ、一気に言いきった。

「以上の調べから、今後も金卓包とR会の調査に重点を置き、T都内暴力団とのトラブルも考慮しつつ調査していくことを進言したいと思います」

 S県警察からの報告を受けて、会議室は熱を帯び騒がしくなった。

「黒柳さん。どう思います? 今の」秋田が尋ねた。

「ミング。おまえはどう思う?」

「どう、と言われましても。我々は例の件を知っているわけで」

 この後に指示されるだろう、スポーツサイクルの行方を既に知っているし、明日以降は佐々谷実に容疑者が絞りこまれるだろうことも分かりきっている。

「あのS県警の刑事の立場になって考えてみろ。もう、暴力団に関わる事件として確定させたいって考えが丸出しだろ。なんであんな風に周りが見えなくなっちゃってると思う?」

 黒柳の言葉を、和田だけではなく、秋田までも考え込んでいる。

「このあたりは、政治も絡んできちゃってるわけ。S県Y市といえば、現与党保守派の大臣の選挙区だ。あの大臣は、外国人犯罪を特に嫌っている。自分の地盤を外国人が歩いているだけで国外退去させたくなっちゃうような排外主義者だ。どんな細かい事案でも、全て外国人排除の口実にしようと考えてるんだよ。今回の事件でS県警の出足がやたら早かったのも、そのあたりが影響しているわけさ」

 そこまで言われて、和田の頭にようやく現職大臣の顔と名前が思い浮かんだ。

「S県全体もだが、特にY市はずっとあの大臣の影響下にある。おかげで、生活保護受給者とか、外国人労働者には厳しい土地柄なんだよ。暴力団は当然、フィリピン人の勤めるスナックなんか営業させてなるものかって考えが警察にも浸透してるのさ。だからあんだけ強引に捜査を主導したがってる。放っておくと、冤罪まで作りかねない感じだな」

 黒柳は苦虫を噛み潰したような顔をしている。S県の方針が気に入らないことを隠そうとしていない。

「だから。な。俺たちだけでも冷静になって、きちんと事件を解決させようねって話なわけよ」

 熱く語りすぎていたことを後悔したのか、黒柳は力を抜いて二人の肩に手を置いた。

「ああ、他に報告のある者はいないか」

 喧騒の続く会議室全体を黙らせるように課長が大きな声を出すと、T都の刑事の一人が手を上げた。

「ええと、佐々谷実の父親、佐々谷誠の祖父である三郎のことについてなんですが。地元の民生委員が家を訪ねて、祖父と会話をしています。それが、去年の一月中旬。ちょうど一年ほど前の事ですね。ですので、佐々谷実の言葉通りなら、祖父が認知症で入院したのは、その後ってことになります」

 民生委員は、担当区域に居住する高齢者の安否確認のために、自宅を訪問することがよくある。その時の出来事だろう。

 課長は頷き、「他には?」と周りに尋ねた。

 数秒待ち、誰も挙手しないことを確認して、課長は会議のまとめに入った。

「S県警察は、引き続き金卓包とR会の捜査に力を入れてほしい。また、T県警はブルーシートの更に詳しい鑑定を。T都の捜査員は、ラーメンを食べた後の足取りを追え。また、全ての捜査員はライトカッツの事を頭に置いておけ。発見次第すぐに本部に知らせること」

 課長はメモを見て、言い忘れたことが無いか確かめた。頷くと、両手を

一度パンと叩き、自分への注目を促した。

「最後に、本件{青川河川敷変死体事件捜査会議}は、殺人事件である可能性が極めて高くなった。よって、明日以降の捜査は、{青川河川敷死体遺棄事件特別捜査本部}として、警視庁刑事部が主導して行うことになる。それぞれの県警には追って広域捜査協力の通達があると思う。各自、明日以降の会議でも引き続き全力であたるようにしてもらいたい。以上」


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