夏休みの宿題。
彼は小学校に入学したことで、同じクラスメイトや学年の生徒らと自身を見比べる事が増え、徐々に内面的…あるいは否定的、不活的と言われるような児童になっていきます。
…その最初のきっかけとなったものは「字」と「絵」と…そして「工作」。
それらは、彼の今の平穏な幸せを壊すかのように、一度にひと塊となってやってきます。
どんな事がきっかけで?なぜひと塊?
…それは小学1年生の「夏休みが終わった登校日」に起きました。
…登校日の全校集会が済み、教室に戻っての「帰りの会」。
彼の担任の先生は「山本」という、教員になって4年目の若い男性の先生でした。山本先生から「先生の机上のに夏休みの宿題を。自分の机の上に課題工作を置いて帰ってください」と、生徒たちに指示。
クラスの生徒の全員がそれに従い、宿題と課題工作を指示どおり置いて下校しました。
1週間後。夏休みの宿題と課題工作を返してもらう時、彼は他のクラスメイトとは違う、特別な対応を先生から受けました。
『野井倉君、字はめちゃくちゃで読めないし、絵は何を描いたのかわからないし…この絵日記はなんですか?毎日の絵日記がそんなに面倒だったんですか?この工作だって、野井倉君が何を作りたかったのか、先生は全く理解できませんよ…』
生徒のなかの何人かの笑い声が、教室内に響きました…。
小学1年生の彼の純粋な心に、それはとてもとても大きな深い傷を与えました。
絵日記は、本当は彼は楽しく、毎日毎日心を込めて書いていたのに。
先生は「軽い冗談で言ったつもり」だったのかもしれません。そうだったとしても…。
…彼は次の日から1週間、不登校になりました。
そんな担任の理不尽な対応に、不服を申し立てたのは、父の琢郎と母の恵美でした。
市の教育委員会に申し立てし、教育委員会は「事実究明を行い、早急に対処します!野井倉様!大変申し訳ありません!」と、慌てて対応することとなりました。
…彼が再び登校した時、山本先生は学校にはいませんでした。なんでも「お家の都合で他の小学校へ転任しました」と、教頭先生から聞きました。
担任は花村咲美という、優しい女性の先生に代わっていました。