1/4
今日はとうとう美月が初めて好きな男の子、慶太に電話します。その様子と、1/4の美月の日記です。
今日は、とうとう慶太くんに電話しました!(しかも30分も!)
もう、ほんっとドキドキして、かなわなかったよ〜
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「プルルルルルルル…」
う〜、ドキドキする〜!
時間は午後7時53分。
ちょっと早すぎたかな…
『……はい、芦田です。』
かかった!
「え、えと…林です。」
『あ、林さん!早かったね。』
「え?そそ、そう?」
芦田くんの声だぁ…そう思うと、なかなか話そうと思ったことが話せない。
とにかく言葉が詰まり、かんでしまう。
「え、えと…今年は初詣、行った?」
とりあえず私はお正月のことについて話すことにした。
『うん。行ったよ、御国神社に。』
「えっ!御国神社って…あの…ハッピーマーケットの近くの?」
『そうだよ、何で知ってるの?』
「私のうち、そこの近くだよ!」
嬉しかった。もしかしたら…
「もしかして、うちってその近く?」
『うん、ハピマ(ハッピーマーケット)の裏。』
「ほんとに!」
つい、声が大きくなってしまった。だって、休みの日も会える距離だったから。
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その後の話で分かったんだけど、私の家と慶太くんの家はちょうど敷居があった所で、ちょうど違う学校だったみたい。
もうその後は地元ネタで盛り上がって、めっちゃ楽しかったよ〜しかもね!
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『あの、さ…』
急に慶太くんが改まって聞いた。
「なあに?」
私は急にドキドキしてきた。
『早く…始業式になってほしいよね。』
「え…なんで?」
(林さんに会えないから…な〜んて)
バカな想像、いや妄想だな。わたしは、ひとりでに笑った。
『だってさ…』
「…うん。」
『友達にも会えないし…』
やっぱりね。ちょっとだけ妄想した私がバカでした。
「…そうだよね!」
『それに…』
『林さんにも…会えないし。』
…えっ?
「…ほんとに?」
慶太くんが…私のことを?
『……うん。』
慶太くんの声が、段々聞こえなくなってくる…
しばらくの沈黙…
『あ…そうだ、始業式の日、空いてる?』
沈黙を破ったのは、慶太くんのその声だった。
始業式の日…どうだったかな…?
え〜っと…
「空いてる…けど?」
『うち、遊びに来ない?』
……!?
「い、いいの?」
『うん。』
顔に手をやった。熱かった。
鏡見なくても分かる。いま、私の顔は真っ赤っかだ…
『「…ありがと。』」
同じタイミングで、勝手にでてしまったことばだった。
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その後は、もう慶太くんからは何も喋ってこなかった。
相当…勇気…出したんだろうな…
……
私から、言うつもりだったのに。
さき、こされちゃったな・・・。
これで、電話とおさそいとで、一勝一敗。
告白だけは…絶対負けられない。私から、言ってやろう。
(Fin)
今回はあえて電話のシーンを増やしました。次こそ、次こそは日記を増やします…(ホントすみません〜)