1/1 芦田慶太くん ,1/2
A HAPPY NEW YEAR!!
これは、慶太くんとの仲が深まるようにって、
おまじないをかけた日記帳です。
昨日友だちのあゆみちゃんがこのおまじないを教えてくれたんだ。
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「美月ちゃんにピッタリのおまじない教えてあげる〜。
1月1日に日記帳をつけるの。それで、1ページ目の一番上に、
好きな人の名前をつけて一日も欠かさず彼とのことだけを書いていくんだって。
で、その時にはじめから書いてくと、後で読み返した時に忘れないよ〜。」
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でもこれ、一生他の人に見せられないな…
神様、どうか、どうか、この思いを届けてください!
…ま、とりあえずそれは置いといて、
今日、慶太くんから年賀状が届きました!(キャーッ!)
しかも、メルアドが書いてあったんだよ!
「困った時はメールしてね」って。
やっぱ優しいな、慶太くん。今年もよろしくね…♪
(Fin)
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1/2 天気 晴れ
冬休みって…つまんない。。。
まだ私は中一だけどさ、勉強できないんだもーん!
慶太くんとも会えないし…どうしようかな?
しょうがないから、出会った日のことについて書こうと思います。
4月の新しい学校での入学式。
私は、国立の学校に受かったので、たった一人からのスタートになった。
(つまんないなぁ…)
でも、しょうがない。
だって、前の学校では、いじめられてばっかりだったから。
私は、何度も家に逃げ帰り、先生にも、親にも、一杯迷惑ばっかかけてた。
だから必死に勉強して、この学校に入った。
もう人に迷惑なんてかけない。もう、一人で頑張っていこう。
そう思ってたのに…
新しいクラスになって、わたしは、あゆみちゃんっていう親友ができた。
でも…ただそれだけだった。私へのいじめは終わらない。
あゆみちゃんがいて本当によかった。まだ、仲良くしてくれる子がいたから。
私がいつも屋上に行くたびに、あゆみちゃんだけが励ましてくれてた。
あゆみちゃんがいるから、私は学校に来れる。
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「ごめんね、ごめんね……」
うそ。なんで…
「市立の学校に…行っちゃうの?」
「親がいなくなっちゃって…お金が払えないからって……」
そのあとはなにも言わず、ただ泣いてるだけだった。
そうだよ、一番つらいのは、あゆみちゃんなんだ…
「これから、一人で頑張ってね…」
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それからは、ずっと一人だった。
でも、頼ってた人がいなくなって、私はずいぶんと強くなったかも知れない。
わたしはやっと、普通の友だちとして、みんなと接することができるようになった。
だけど…やっぱり自分から言いたいことが言えない、そんな日が続いてたある日。
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私はいつもの屋上で、そんな自分の惨めさに泣いてた。
すると、私の目の前に、おっきな影ができた。
「…だいじょうぶ?林さん。」
…だれ?
私はフッと顔を上げる。
背は私と同じくらいで、かわいい女の子っぽい顔つきだった。
わたしは、今までで感じたことのない気持ちでいっぱいになった。
私に普通に話してくれる男の子は、この人が初めてだった。
「あ、ゴメン、突然声かけて…僕、隣のクラスの芦田慶太。
人からはよく変わってるってからかわれててさ。
一人になった時にはよくここに来るんだよね…」
わたしと…一緒だ。
「僕と似てるっていうと失礼だけど、林さんなら話し合うかなって思って…」
……!
「友だちになってください。」
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彼は、顔真っ赤っかにしてそんなこと言ってたっけ。
今考えると、そんなことあり得ないと思ってたけど、ホントにあった話。
あれ以来、私は学校に来る理由が一つ増えた。
慶太くんの顔が、いつも離れないんだ。
さてと、もう寝なくちゃ。
あ、そうだ、明日にでも慶太くんにメール…してみようかな。
緊張するよ〜っ!
(Fin)
「〜〜〜」で挟まれているところは美月たちの回想シーン、「..........」で挟まれているところは次の人の境目とお考えくださいませ。ぐだぐだで申し訳ありません〜(どうかお手柔らかに…)