コロシアム最強の男
いきなり名バトル⁉︎
最強じゃないの⁉︎
コロシアム最強の敵が立ちはだかる。
さてみなさん、私は未だに檻の中です。しかも、あれから4時間ですよ?4時間!放置です!放置!
「まだかぁ、まだなのかぁ。」
そう暇なのです。なぜ時間が分かったかって?じゃじゃ〜ん、懐中時計〜♩などとブツブツとみなさまに語ってるのです。
コツコツコツ…
バン!
「やっと来ましたか。」
先ほどの兵士が扉を蹴って入って来て、すぐに檻を開ける。
バシっ
思いっきり槍の柄で殴られる。
そしてHPが1減る。のこり17
「でろ、お前の番だ、少しでも長く生きて、観客を喜ばせるんだな。」
何をそんなに怒っているのか、私は兵士の話の途中で立ち上がりさっきの部屋まで、勝手に歩きて行く。
「ちょ、おま、待って」
兵士は気づき、慌てて追いかけて来た。
かせはというと、もう付けられていない。
さっきの部屋の前に立ち、扉を引くが動かない。
「鍵は今開ける、下がれ」
しかし、俺は再度無視し、少し力を込めて引く…
バンッと音を立て、扉が曲がり、カキーンと金属の割れる音が響き扉が取れる。
兵士が絶句するなか、俺は中へ入り、先ほどと同じく柵の方へ向かう。
柵は当然閉まっていたが、そんな物、飴細工のようにまげてしまったよ。
そしてその足で闘技場へと踏み込んだ。
私の姿を見て慌てアナウンスを流す。
「わぁ、おと…ほ、本日初勝利を上げた白髪の執事、我がコロシアム最強に挑むためまたまた、やってきた〜」
わああああ、と歓声が起こる、メインだけあって会場は満席だ。
観客の声に傾けると、
「何あの格好、ダンディ‼︎」
と聞こえ、とても良い優越感に浸りながら待つ。
皆さんだけに、教えておこう、本当は「何?あの格好、だっさぁ〜い」なのだ。彼の尊厳のために黙っておこう。
「対するは〜、コロシアム最強のこの男、残虐非道の赤鼻のピエロのピーコ〜」
またとんでもなく弱そうなのが出てきたな、一輪車に乗ってジャグリングしてやがる、あれが武器なのか?…
「泣く子も黙るピエロだーよ〜、おまえさんの惨殺ショーターイムの時間がやってきた〜」
と言いながら、一輪車を降り、ジャグリングを、止め胸元に手を入れる。
バッと取り出した手には筒を持っている。
その筒を振るう。
何か来るのかと、少し身構えたが、筒の先に花が咲いたのだった。
観客は奴が出てきてから盛大な歓声と拍手をしっぱなしである。
「お見事ですな」
拍手を送りながら、賛辞を送る。もちろんこれっぽっちも思ってない。だってよく見るじゃん?
「これは余興さ」
今度は会場の壁から水が出てきた。やつを見ると再び一輪車に乗っている。
降りる意味あったのかよ!と言いたくなるが、よく見ると、水の上を走っているでは無いか。そっちに目が行き、突っ込み損ねた。
「気が付いたようだねぇ、そう私は水を操る魔法使いなのさ」
と言いながら聞いても無いのに魔法使いであることをばらし、どこからか出したのかステッキを持っている。
ピーコがステッキを振るうと、あっという間に水に包まれ、球体となり、俺はその中に囚われてしまう。
なるほどな、この能力ならば強いはなどと冷静に考えながら、相手の掌握下の水を私の掌握下に置く。
ゆっくりと水が崩れる。いや、崩していく。
「何をした⁉︎お前も魔法使いか⁉︎」
いや、もっとえげつないものさ、などと答えず、笑みを浮かべる。
流石コロシアム最強と言うだけあって、すぐにステッキを構え、次の技を放つ。
足元を見ると、水は膝下まで来ていることに気づく。
発動したのだろう、足元の水が変化する兆候があった、咄嗟に前へ走るよにして、跳ぶ。
後ろを見ると先ほどわたしが居たであろう場所、心臓のあたりを貫くように刃のような氷がいくつも囲うよに形成されている。
「ほう、これを見切るとはな、じゃあどんどん行こうじゃないか、そーれ」
気の抜けるような掛け声とは裏腹に、かなりの魔力を練っているのがみて取れる。
私の足元から氷柱が生えてくる。
私はギリギリを躱しピエロに向け、次々に現れる氷柱に追われるようにして走る。
後、一足のところから、詰め寄る形で飛びつつ、手刀を首に向け振るった。
…がピエロだった物が、割れる。
よく見ると、もう少し奥にいる。
なるほど、氷で作った光の反射を利用し、ピエロの形をした氷に鏡像を写していたのだ。
「ふふ」
つい笑いが漏れるてしまった。
ピーコはしっかり聞き取ったのか、叫んでくる。
「何がおかしいのだ」
「いやー楽しい、楽しすぎますね。これ程まで自由を感じ、生を感じた事はありません。」
そう今まで感じたことのない戦闘の喜びだ。
「貴様の自由も生もすぐに尽きるは、そーれ」
余韻に浸ることなく、気の抜ける掛け声とともに再び氷柱が飛び出る。
「そろそろ、終わりにしましょう」
言うが速いか、すぐさま後ろステップを踏む。
同時、足を上げ、かかと落としをするように、足を地面に叩き付ける。
ドカーンと音を立て大気も水も地面すら弾けるように吹き飛び、私はその隙に姿を消す。
私は気配を読み、本物ピエロの位置をしっかり把握すると、一瞬でピエロの後ろへ回り込む。
バシャーン、と音を立てながら水面が戻って行く。
シーンと静まり返る。
「ど、どこへ、いった?」
先ほどから静かに成るまでずっと背後にいたのだがピーコは気づかない。
「ここだよ?」
と後ろから声をかけ、手刀を作り背中から付き刺す。そのまま心臓を掴む。
「っがは」
ピエロは、吐血する。
「ピーコのなかはあったかいですよ?」
私は心臓を掴んだまま笑いかける。
「止め、止めてくれ」
ピエロが懇願するが、逆に質問を投げる
「じゃあ、お聞きしましょう。ピーコさんは相手が止めてとおしゃられた時、お聞きしてさしあげたのですかな?残虐非道なんでしょう?」
「それはナレーションが勝手に言ってるだけでですね、私はいつも聞いてますよ、とっても慈悲深いピエロですから…」
ピーコの心拍数が上がる
「残念です、嘘だとあなたの心臓が語ってますよ?」
「あ、ああ、許してもうここに来ないから、た、頼む」
「仕方がありません」
どう捉えたのか、安堵の表情が浮かぶ。
私は彼の心臓前に突き出すようにを抜き取り、彼の目の前で観客に見せつけながら…
グチュッ
握り潰した。
手を抜き取り、一歩下がる。彼は手で胸を押さえながらうつ伏せに倒れこみ息絶えた。
払うように手を振りながら、付いた血糊を分離し、綺麗姿勢に戻し豚をみる。
「しょ、勝者白髪の執事〜、
ニュ〜チャンピ〜オ〜ン」
静まり返る会場で、その声だけが響き、大きな歓声があがる。
「約束ですので、これで失礼します。」
とだけ言い残し、出て行こうとする。
豚が何やら兵士に叫んで、兵士がぞろぞろと会場へ降りてこようとする。
「これはサービスです。」
会場ないの水を全て蒸発させ、水蒸気の煙幕に変え、姿を晦ませる。
未だに騒がしいコロシアムを背に、新たな旅立ちに向け歩いて行く。
皆様、3話まで読んで頂きありがとうございます。
今回は3話丸ごと勝負といったような展開になりました。
しっかり想像して頂けたでしょうか。
意見、感想等どしどしお待ちしております。
出来るだけ答えられるよう頑張りたさます。




