はじまりは1通のメールから
これはとある執事のおじさんの物語。
世間では失踪事件として取り扱われ、闇に消えたいった。
しかし、そうではない、おじさんは異世界へと旅立ったのだ。
私は今、真っ白な空間に、ただただ立っている。
どこを見渡しても、白一色で何もない。
この物語は1通のメールから始まった。
…数時間前…
私はごくごく普通の執事で白髪のナイスガイ年齢は39で未だに独身である。
身長180、細マッチョ、て言うか、イケメンなんじゃね?と自分で思っている痛いおじさんだ。
ゲームや本が好きで、スポーツ万能、ボクシングに合気道、棒術、ありとあらゆる物ネットで習得した。
今日も仕事をし、自室へもどると、何時ものようにテレビを付け、PCを起動、ニュースのトピックを見ながらコーヒーを啜る。
余談だがコーヒーは砂糖多めである。
ピコン、ピコンっと音が鳴る。
メールを受信した音だ。無題で宛先不明だ。迷惑メールか…と思いながらも開いてみる…
『あなたは、選ばれました。』
‼︎⁉︎
「何奴⁉︎」
振り返るが誰も居ない。
音声はPCより流れているではないか‼︎よく聴くと人では無く、機械音だ。
そのまま続きに耳を傾ける…
『私しどもは、ごくごく稀に…稀?に?…たまに、』…
「そこ言い直す必要があるのか?」つい声を出して突っ込む。
『すいません。こちらの話です。』
‼︎
驚愕に目を見開き確認するが確かにメールアイコンが標示されている。電話では無い。声を発することでさえ驚いたのに、音声メールですら無く答えが返ってきた。
『ごほん、気をとり直しまして、異世界に行く気はございませんか?』
「…省略しましたよね?」
『気のせいです。行くの?行かないの?』
な、な、こいつあからさまに態度が適当になったな。
「行くも行かないも、もう少し詳しく話してもらえないだろうか?」
『はぁ、仕方がないですね。』
こいつため息をつきやがった。なんてやつだ。
『まず、異世界について説明して差し上げましょう。あなたのいる世界とは違い、エルフやドワーフ、ビーストなど様々な人種が存在し、また、ゴブリンやキメラからドラゴンといった、様々なモンスターが存在します。
そして、人を始めとする生き物はHPが存在し、HPが無くなると絶命します。また、MPがあり、これを消費することで、魔法やスキルを発動することが出来ます。
ふぅ、こんなとこで良いですか?』
「あ、ああ、ありがとう。
どうゆうところかはよく分かったよ。それで、私はその世界で何をすれば良いですか?」
『そんなもの、自分考えやがれ、でございます。』
「え、ええええ‼︎んな、適当な。
でもそれなら…
自由にしていいってことだよな…
しかし、さすがの私でも、魔法やモンスター相手ではすぐ死んじゃいますよぉ。」
『それについては、バラメータ設定、スキルを選ぶことによりある程度緩和されるでしょう。
もちろん、生き死には私しどもは一切の責任を負いません。
最後です、行きますか、行きませんか?』
少し考える。俺の人生だ敬愛するファタジー世界に行けるのは悪くないな。笑みを浮かべて答える。
「行ってやろうではないか。」
頭が真っ白になる
そして、現在真っ白世界にいる。
『では、これより設定を、始めます。』
と言うや否や、目の前に四角い枠とキーボードが現れる。
‼︎
だ、だろうとは思っていたさ。ていうか、予想済み?真っ白い世界に投げ出されたからって焦ったとかじゃないよ?
『まずは、ネーム登録です。』
aを押してみると、枠のなかにaが標示された。要は画面になるのだろう。
とりあえずaを消し、少し考える、横文字の名前の方がいいのだろうか?
「苗字は?」
『苗字及びミドルネームは転送先の環境により異なります。無い場合もあります。』
うむ、どうやら横文字の名前の方がしっくり来るだろうと、考えにいたり、
[ロキ]
と、入力する。これは北欧神話に出てくる悪戯好きの神のなだ。
『ロキでよろしいでしょうか?』
「はい」
とだけ答える。
『次にスキルを設定して下さい。』
少し悩み、打ち始めようとすると…
『スキルの優位性及び種類により転送場所が変わります。つまり、武器系のスキルでは騎士から傭兵、狩人といった職種に着くことが多いでしょう。もちろん、これは優位性が高ければ高いほど職種が無い又、奴隷といたスタートになる可能性が高いです。』
ふむなるほど、しかし、私はもう決めている。
[創造を現実に反映する力]
…まてよ、一つとは言われてないなぁ…
『なおスキルは一つです。』
っち、頭の中で舌打ちをする。
決定キーを押す。
続いて、職業欄がある。先ほど転送先で職業が変わるとかどうとか言ってたような。
「まぁ、いいか。」
すかさず、[執事]と入力する。
他にも色々あり、性別や容姿はそのままで変更出来ず、する気も無いのだが、を軽く流し、パラメーターの割振りに入る。
とうはとりあえず、俊敏と隠密に振っておくのが長生きの秘訣だろ…
⁉︎
まじか、割り振りポイント9999と表示されており、1番上の筋力に振ってみる…
100で止まる。MAX値なのだろうか…
もう一度振れるか試すと画面が歪み999と表示される。
バクなのだろうか…
しかし音声は何も言ってこない。気づいて無いのだろうか。
私は手早くその他の俊敏や隠密、サーチといったパラメーターをMAXにし、
あろうことかMPに振れるか試すと、再び画面が歪み、∞の表示が出て、残りポイントが消える。さらに次の瞬間MPの表示が無くなる。
何がどうなったのかと考えていると、
『これで設定は終了します。』
と音声が流れ、
再び頭の中が真っ白になってゆく…
今回一話を読んで下さった読者の皆様ありがとうございます。
R18からタイトル及び内容を少し変えて、移行しました。と、言っても3話までしか無いんですけどね(笑)
感想、意見等頂けましたら幸いです。