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2013年・2014年

征服者5聯

   征服者



涙の痕を残せ

血を唾を吐け

傷口を開けろ

炎を熾こして山を燃やせ

毒を流して井戸を汚せ

人々よ忠誠を誓え

地に平伏せ屑折れろ

切り裂く痛みを浴びろ

そして死の歌を歌え

我こそは

征服者なり

お前たちから

月も太陽も奪ってやる

これから

お前たちの視るものは

仲間の処刑だ




























   恋人たち



犯しあうふたり

それを恋人と呼ぶ

愛は関係ない






















   奴隷



かの国の末裔

今や奴隷に身を窶す

お前は何を見るのだ

いつぶりの故郷だ

夏には虫が鳴く野

冬に枯れた宿り木たちよ

ああ

遠くの町が燃えている

奴隷にしか見えぬものがある































   鬼



はるか遠いむかし人間は

鋼のような荒馬に乗って

誠のたましいを飼っていた

草いきれに息を殺して

刀の鞘を摑んで

二つの足で立っていた

相手の血を敬い

相手の肉を頂いた

暗きを見なかったあの時代

いつから

人は鬼となったのか





























   見えぬ者



おれたちは見えない者を

ころしている

遠く離れた国の人たちを

いっしょの陸地に立っているのに

おなじ太陽のもとに住んでいるのに

いつか会えるかもしれない人たちを

毎日ころしているんだ

いつか友になれるかもしれないのに

いつか理解しえるかもしれないのに

ともに人間なのに

おれたちは見ぬ者を

存在しないかのように

ころしているんだ










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