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突発恋愛短編シリーズ

突発恋愛短編「愛してる」

作者: 皐月晴

ちょっと小説を読んで

「言葉にするって大切だなぁ」

と思い衝動的に書き上げました。

マンガだったら30、40歳くらいで書きたいですが

小説なので心情を描写したり感情移入が難しかったので若い夫婦で書きました。

でも、言葉で伝えるって大切だと思う。

 今年で俺が結婚してから5年が経った。

 19なんて馬鹿みたいに急いで結婚したから不安だったけど結婚生活は順調で、5年なんてあっと言う間に過ぎていた。

 嫁は、今24歳、俺より一つ年下で高校卒業と同時に結婚した。

 二人とも高校生の子供の付き合いだったかもしれないけどきちんと好き合って、愛し合って、半ば勢いで結婚した。

 この5年間は本当に幸せだったけど死ぬほど大変だった、それでも嫁と暮らせているのが嬉しくてたまらなかった。


 そんな時だ、とうとう友人が結婚したと報告に来た。

 親友と呼べるくらい、いや親友だった奴が結婚したのを俺も嫁も盛大に祝福した。

 ……そこで、ふと気がついた。

 ここ数年、一緒にいるのが当たり前になっていて

 恋人だったときみたいに「好きだよ」とか「愛してる」だとか言わなくなったなぁ、と。

 毎日毎日家事をしてくれて、その、まぁあれだ、夜も頑張ってくれるし頑張ってるがそれらを口にしていないことに気がついた。

 最近は夜も仕事で遅くなって、たまにケンカもするようになっていたし

 親友の結婚で、なんだかまた自分もあの初々しいころに戻りたくなった。

 ……だから、俺は嫁に言ってみることにした。

 「愛してる」って


 翌日、残業なんかせずに俺は帰宅した。

 柄にもなく緊張しながら、ケーキなんか買って家に帰った。

 家に帰って、ケーキを渡すと嫁はすごく喜んでくれた。

 それだけでも俺は満たされたが、嫁をもっと喜ばせたくて

 俺は真剣に言おうと決心した。

「ケーキなんて珍しいね?今日ってなんかあったっけ?」

 嫁はそんなことを言いながらケーキを冷蔵庫にしまって、夕食を出してくれた。

「いや、なんにもないよ?」

 そう言って、夕食を食べて

 嫁と一緒にケーキを食べた。

 ケーキを食べる嫁は幸せそうで、微笑ましくて、俺も幸せだった。

 そこで、俺はついに言うことにしたのだった。

「あのさ」

「ん~?なぁに?」

 ケーキを頬張りながら答える嫁は可愛くて抱きしめたくなった

「俺たちも結婚して5年たったんだよな」

「そーだねぇ、なんだか信じられないくらい早かったよ」

 嫁は、嬉しそうにそう言ってくれた

「この5年間、本当に幸せだったよ、それは今もこれからもそうなんだと思う。だからさ、これからも一緒にいてくれよ?うん、好きだ。愛してる」

 言った、たぶん結婚してからは初めてだと思う。

 言ってしまえばこれほど短い言葉を、何故今まで5年も口にしなかったのか分からないが

 心がすっとして、心地よかった。

「……あー、うん、う~……なんかそうやって改めて言われると恥ずかしいな……うん、私も幸せ」

 顔を赤くしながらそう言う嫁は可愛くて

 照れ隠しのようにケーキを頬張る姿が余りに愛おしくて

 俺は嫁を抱きしめていた。

「ど、どうしたの?急に」

「いや、なんでもない。好きだよ」

 もう一度言った俺に、

 嫁は腕の中で

「うん、私も好き、大好き!」

 そう言った。

 俺は、その後はもう

 言葉を使わなかった。

よければ他の短編も読んでください!

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― 新着の感想 ―
[一言] こういうほのぼのしたお話、大好きです(*´ω`*) 黙っていても伝わるって思い込んじゃうことって多いですけど、実際言葉にするのも大事ですよね。
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