表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/30


「――以上!明日からの授業の予習忘れるなよー」


今日は始業の日ということもあって学校は午前のみ。

美穂と悠人は家の用事があるらしく、これで俺は解放……されるわけないよな。


「龍也ー。昼から暇だよね?遊びに行っていい?」


「あー悪い。今、家に姉ちゃんいるから」


「じゃあ挨拶がてらに……てか、私は全然気にしないよ」


俺は気にするんだがな。

まあ、言った所でどうなるかは目に見えているからやめておこう。


「そうだな……まあ、春休みは珍しく家に来なかったし」


「よ、用事があったの!悪い?」


「誰も悪いとは……あと、別に無理してまで来なくてもいいんだぞ?

それか明日提出の宿題終わってないんだったら写させてやるよ。いつもの事だしな」


結衣は長期休暇の課題をやらない……と言うか終わらないらしい。

サボるわけでもなくコツコツやってるのに、期限に間に合わないとか。


「う……覚えておきなさい!あとで痛い目に合わせてやるんだから!」


キッと俺を睨み家へと入って行く結衣。

そうやって別れたのだが何故だろう。さっきから悪寒が……。



「ただいまーっと」


「あ、龍也じゃん。おかー」


リビングにはテレビを見ながらゴロゴロしている姉が居た。

俺の両親は仕事の関係上、一緒の家に住んでいない。

在り来たりな理由ではあるが、もう慣れたから特に気にしていない。


そんな中姉は大学へ通いながら、文句も言わずに一人で俺を養ってくれている。

料理や洗濯は当番制にしようと提案したが、花嫁修業とか言ってほとんど自分でやっている。

俺もそろそろ自立出来るようにならないといけないんだがな。


だから大学が休みの内は楽させてあげようと思ったが……あれは断れないか。

今日はそんな予感がしていたから、特に嫌だというわけではないのだが。


「あのさ。今日結衣が家に来るけど」


「え、結衣ちゃん来るの!?何か久しぶりだね~」


「あいつ馬鹿だから宿題終わってないんだってさ」


「そっか。いいよー、結衣ちゃん妹――義妹みたいで可愛いし。それにいつもの事でしょ?」


しかしさすがは姉ちゃん。毎度のこと結衣に関しては何でもお見通しか。

可愛い妹も分からんことはないが……って、待てぃ!何で言い直した?てか義妹って何?

そりゃまあ、結衣にとっては本当の姉みたいな存在だけど……義妹?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ