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次は今旅最高の出費になるであろう、結衣と美穂の舞妓体験。
高級感漂う店構えには、何かが俺に『入ってはいけない』と警鐘を鳴らす。
やっぱり来るんじゃなかった……が、今更後には引けないのである。
「ようこそおいでやす~」
覚悟を決め中へ入ってみると綺麗な舞妓さんが出迎えてくれた。
その人を見惚れると同時に斜め後ろから殺気のようなものを感じ……てか、何故に?
「あの、予約していた川津と寺岡ですが」
「おおきに~。それじゃこちらへどうぞ~」
二人が店の奥へと行った後、残った二人で何処かへぶらつこうとしたが終わる時間が分からないし、それにあの場に居ないと己の身に危険が迫るような……。
そんな訳で俺達は店内のギャラリーを見ることにした。
そこには舞妓体験をした人達の記念写真が飾ってあり、中には外人が扮しているカルチャーショック的なものまであった。
しかしまあ、さすが大和撫子と言った所か。綺麗な人が多いな。
「なあ龍也。この子小さくて可愛くないか」
この中で悠人が見ていたのは中――いや、小学生くらいの子の舞妓姿。
ということは、つまり……嘘……だよな?
「お前、まさかロリコ」
「断じて違う。こんなにある写真の中で小さい子って言ったらこの子ぐらいしか居ないじゃんか。だから目に付いたんだよ」
「んー……言われてみれば確かにそうだな」
悠人の言い分は尤もであり、しかもよく見てみると結構可愛い顔をしてる……あ、いや、俺は違うぞ。俺は。
ただ、どこかで見たことがあるような無いような――はっきりと覚えていないが、何となく昔会った気がする。