第四話 楽しめないことはない。
俺らは自分の部屋に戻る。
そろそろ由比さんにも勉強をしてもらわないと。っという謎の使命感を持った俺は由比さんに放った。
「由比さんも勉強したら?」
そう俺は言うと由比さんは携帯を閉じて俺のもとへ踏み寄る
「分かったよ~」
と目を細めながら椅子に座った。
俺はベットに寝転がり、こういう。
「わかんない問題あったら言えよ~」
と完全に脱力した声で言った。
俺は小説を読んで、暇を潰す。俺はいつもこうだ。
暇なときには、勉強か読書。ただそれだけだ。
ん?なぜ俺が勉強するかって?俺は”夢”があるからだ。
俺は何も目的なしに感情のないロボットみたいに黙って机に向かってペンでカキカキしてるわけじゃない。この世の秀才もそうだ。
東大や京大、ハーバードに行くやつだって、目的なしに勉強したんじゃない、そこの大学を目指して、将来のためになどの様々な理由があるはずだ。
おっと...熱く語りすぎたな。
由比さんは順調にペンを進めていたが、いきなりその音が止まった。
俺は考えてるだけかな、と思いあえて声を掛けなかったが、あまりにも長すぎたから
俺は由比さんに近づいた。
「お~い。わからないもんだ...」
俺は言葉を失った。そこには今までで見たこともない寝顔の由比さんがいた。
ん?見たこともないががどんな感じかって?
...察しろよ。『可愛い』ってことだよ!『可愛い』って!
俺はさっきまでの自分の性格を押し殺すかのように肩に触って
「お...お~い。寝るならベットで寝ろ~。」
俺は触った途端、顔から耳にかけて熱くなっていた。
(...なんでこんなんで照れるんだ...)
この時初めて俺は高校1年でピュアなことに気づいた。(ずっと周りに言われてた)
やっぱり俺は女の人に慣れないと...
俺はそう思いながら布団にもぐり、眠りについた。
由比さんもとっくに寝息を立てて寝ている。
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ん...あぁ...?
カーテンから漏れ出しそうなぐらいに光が漏れ出してる
「もう朝か...」
外からはかすかにクラクションや車が走り出す音が聞こえる。
横のベットを見たがそこに由比さんの姿はなかった。
(ん?由比さんは?)
俺は布団から出て周りを見渡す。
荷物はあるから置いて行かれてないみたい。
俺は玄関の方へ歩き出す。下を見るとドアの下から明かりが漏れていた。
誰かいるのか?と思いながらノックをしてみる。
そこからは由比さんの声が聞こえてきて
「ちょっとまって~!今髪を梳とかしてる~!」
俺は寝起きのガラガラの声で頑張って
「は~い」
と言った。
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俺は部屋を出て扉を閉める。
来た時同様に
『ガチャ』
という音が廊下に響く。俺らは制服に着替えて福岡から帰る。
チェックアウトを澄ましてホテルから出ると昨日の雨が嘘だったかのように雲一つない青く澄み渡った空が広がっていた。
俺は携帯を見て雨雲レーダーを見ると雨雲は広島から岡山あたりにかかっていた。
由比さんは嬉しそうな顔で
「今日は門司港に行かない?」
と誘ってきた。俺は不意に
「確かに今日は休日だから行くか。じゃあとりあえずまず俺は家に帰って着替えてくるから待ってて。」
といってそこで別れた。
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今の時間は9:50。集合時間10:00の博多駅と言われたが俺は10分前行動を徹底しすぎたせいか人ごみの中待っている。
前から
「お待たせ!」
と可愛い声がして、前を見ると...
「ひひっ、待った?」
由比さんはいつもの黒髪ポニーテールだったが、服装がとってもおしゃれだった。
「その服可愛いじゃん。どこで買ったの?」
俺は服装を褒めてあげたら由比さんは照れていた。その証拠に耳から顔にかけて顔が真っ赤だからだ。
俺は由比さんを連れて鹿児島本線のホームに向かった。
ピーンポーンと音がすればいつものJR九州のおばちゃんの声が聞こえる。
「まもなく、1番線に快速門司港行きが到着いたします。」
とおばちゃんが言うと後ろからぞろぞろ人が押してきてぎゅうぎゅう詰めになった。
その時由比さんは俺の右手を握りしめた。
俺はその手のぬくもりを感じていた。それと同時に罪悪感も背負っていった。
本当に俺みたいなやつと手を繋いでいいんだろうか。と考えると由比さんに申し訳なくなる。
そして俺はついた電車に乗る。
電車はガタンゴトンと走り出しブォーンと音を立てて走り始めた。
席を確保した。由比さんはインスタを見て、俺はイヤホンで授業を聞きながら勉強している。
「次は、吉塚、吉塚です。」
という声がかすかに聞こえた。
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「まもなく、終点門司港です。ご乗車ありがとうございました。」
そう聞こえたらそこはもう港町だった。
横浜みたいに大きい港町じゃないけれど海が綺麗で船もたくさん止まっていた。
波のさざ波が耳の奥まで浸透して聞こえた。
俺は近くの自販機で俺の麦茶と由比さんのアクエリアスを買った。
由比さんは喉が渇いていたのかごくごくの飲むから俺は心配になって
「おい、あんま飲みすぎるなよ。トイレ近くなるぞ」
と言った。
由比さんはふたを閉め
「余計なお世話だよ!」
っと笑った。この人と話してて楽しくないことなんてない。
また知らないおばちゃん二人組とすれ違ってすれ違い際に言われた。
「これからあと二人どげんなるんやろうね。」
「夫婦に決まっちょるやろ。幸せになるといいなあ。」
つづく




