春一番
はい。というわけで新作です。まぁ僕の妄想混じってますがそれは気にしないでください。はい。
もうすぐ西野金太郎、誕生日です!
誕生日、4/13に小説を出します!首を長くしてお待ちください。
俺はいつも通り1時間近くかけて学校に向かう。
俺が起きる頃はまだ空も赤い。
「はあ~...」
俺は大きなあくびをした。
『ピーンポーン』という駅の盲導音が近づけばもうそこはもう改札だ。
俺は一万近く入ったSUGOCAを改札にかざした。
『ピピッ』
普通この時間は東京は混んでいるかもしれない。人がたくさんいるかもしれない。
だが、佐賀みたいな地方の都道府県はそこまでもない。
ここが地方の良さだったりするのかな。
『まもなく、5:34発。普通、鳥栖行きが到着します。』
声の高いおばちゃんの声がホームに響く。
ここからが俺の通学路だ。
俺の高校の最寄り駅の西鉄薬院駅に着くのは7:18。
吉野ヶ里公園を出たらだんだんと空が青く澄み渡っていった。
俺は抜き打ちテストを警戒して単語帳を読んでいる。
ガタンゴトンと揺れる車内は読みにくい。しかも酔う。
だがこのまま電車はそんな俺に追い打ちをかけるようにスピードを上げていった。
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『まもなく、薬院、薬院です。』
車掌さんが鼻声でアナウンスをする。
(やっぱり車掌さんも眠いよな。)
時間通りに駅に着いた。やっぱり日本ってすげえ。
そして俺は出口の方に向かった。そしたら前の両から由比さんが出てきた。
俺はそんな由比さんを見つけて少し歩むのを速めた。
「おはよう。由比さん。」
俺はいつも通りの声で由比さんに話しかける。
「ん?あ、時一君。おはよう。」
由比さんはいつも通り明るい声、顔で答えた。
やっぱりその顔は可愛くて...可愛くて...俺の心に刺さっていった。
ここで俺は今までの自分を思い返す。
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やっぱり、何かを忘れているようだった。
12歳のころの自分は、由比さんについて何を考えていたんだろう。って。
俺はあの時鮮明に覚えてる。
クラス替えで...聞いたこともない名前で...だけど見たらかわいいくって。
背の順でも...いっつも俺の一個前だったな。
でも4年も経てば...あんな近かった背が引き離されて。
俺と由比さんの間に3.4人は入るようになった。
君との距離がだんだんと離れていく。
家も...背も...列も...
何もかも離れていく。
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『キーンコーンカーンコーン』
学校のチャイムが学校中に響く。
「よ~し朝のホームルーム始めるぞ~」
先生がいつも通り出席を取り始める。
「上田由比。江田翔。尾田圭亮。尾上...」
と出席確認は続いていく。
俺はこの時間もず~っと勉強をしている。
「東雲時一!」
「あっはい!」
俺はいきなり呼ばれてびっくりしてしまった。
「おい。勉強をするのは良いことだが、出席確認時ぐらいはしまいなさい。」
「すみません。」
別にいいだろ。教室にいれば...
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『キーンコーンカーンコーン』
長かった。時間が。やっと昼食だ...
「ねぇねぇ時一君。」
由比さんが携帯を持ってこっちに来る。
「ん?どうした?由比さん。」
「雨雲が近づいてるって。しかもかなり強いのが。」
「まぁ確かに雲行きが怪しいな。」
実は2時間目ぐらいから雲行きが怪しくなっていた。
そして由比さんが続きを話す。
「それで、この雨雲、長崎を通って今佐賀市全体にかかっててあと30分後に降る予定らしい。」
『ザァァァァァァ!!』
轟音と共に雨が降ってくる。
「やばい!やばい!屋上で食ってるやつらは?」
「屋上は今日封鎖されてた。」
由比さんが答える。
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今日は大雨だから部活はないらしい。そのまま帰る。
俺は傘も持ってない。
由比さんも困った顔で雨宿りをしていた。
俺はひらめいた。
俺は冷え込むだろうと思いジャージを着てきていた。
これを由比さんに着せた。
「よし。これでいい。」
「え?どうゆうこと?」
戸惑った様子で由比さんはこっちを見る。
「とりあえず、制服が透けられたら困るから...」
「ははは!やっぱり時一君はヘンタイだな。」
由比さんは俺を揶揄う。
「い、いや!俺がヘンタイなんかじゃ!」
俺は慌てて答えた。
「ふっ。でも、ありがとう。」
「ああ。いい。駅までダッシュだ!」
俺らは駅に向かって走り出した。
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『まもなく、西鉄福岡です。お出口は...』
いつも通りの放送。だけどこの後、耳を疑うような情報が入ってきた。
『鹿児島本線、小倉~鳥栖間、大雨により運転を見合わせております。』
俺は小声で由比さんに話しかけた。
「え、どうしよう。」
由比さんからも返ってきた。
「私の家は香椎なんだけど...」
「え、これって...」
俺は察するように言う。
「二人とも帰宅難民?」
声をそろえて言う。
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外に出てみる。やっぱり土砂降りの雨だ。
俺は親にメッセージを送る。
俺『外が土砂降りで帰れないんですけど。』
母『鳥栖まで止まってるみたいね。』
俺『どうしたらいい?』
母『明日休日でしょ?ならお金あげるから近くのホテルで泊まりなさい。』
俺『こっちには女子もいるんだけど...一つ屋根の下で年頃の男女が二人っきりって...』
母『あ?彼女?別にいいでしょ。仕方がないんだから。』
やっぱり俺の親は無神経だ。
このやりとりを由比さんに見せたら...
「私は別にカノジョなんかじゃ...」
といって顔を真っ赤にさせていた。
「まぁいい。近くのホテルで部屋空いてるか聞きに行こう。」
つづく