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鏡写し  作者: 西野金太郎
君と再び出会った日。
2/4

春一番

はい。というわけで新作です。まぁ僕の妄想混じってますがそれは気にしないでください。はい。

もうすぐ西野金太郎、誕生日です!

誕生日、4/13に小説を出します!首を長くしてお待ちください。

俺はいつも通り1時間近くかけて学校に向かう。


俺が起きる頃はまだ空も赤い。


「はあ~...」


俺は大きなあくびをした。


『ピーンポーン』という駅の盲導音が近づけばもうそこはもう改札だ。


俺は一万近く入ったSUGOCAを改札にかざした。


『ピピッ』


普通この時間は東京は混んでいるかもしれない。人がたくさんいるかもしれない。


だが、佐賀みたいな地方の都道府県はそこまでもない。


ここが地方の良さだったりするのかな。


『まもなく、5:34発。普通、鳥栖行きが到着します。』


声の高いおばちゃんの声がホームに響く。


ここからが俺の通学路だ。


俺の高校の最寄り駅の西鉄薬院駅に着くのは7:18。




吉野ヶ里公園を出たらだんだんと空が青く澄み渡っていった。


俺は抜き打ちテストを警戒して単語帳を読んでいる。


ガタンゴトンと揺れる車内は読みにくい。しかも酔う。


だがこのまま電車はそんな俺に追い打ちをかけるようにスピードを上げていった。




—————————————————————————


『まもなく、薬院、薬院です。』


車掌さんが鼻声でアナウンスをする。


(やっぱり車掌さんも眠いよな。)


時間通りに駅に着いた。やっぱり日本ってすげえ。




そして俺は出口の方に向かった。そしたら前の両から由比さんが出てきた。


俺はそんな由比さんを見つけて少し歩むのを速めた。


「おはよう。由比さん。」


俺はいつも通りの声で由比さんに話しかける。


「ん?あ、時一君。おはよう。」


由比さんはいつも通り明るい声、顔で答えた。


やっぱりその顔は可愛くて...可愛くて...俺の心に刺さっていった。


ここで俺は今までの自分を思い返す。


————————————————————————


やっぱり、何かを忘れているようだった。


12歳のころの自分は、由比さんについて何を考えていたんだろう。って。


俺はあの時鮮明に覚えてる。


クラス替えで...聞いたこともない名前で...だけど見たらかわいいくって。


背の順でも...いっつも俺の一個前だったな。


でも4年も経てば...あんな近かった背が引き離されて。


俺と由比さんの間に3.4人は入るようになった。


君との距離がだんだんと離れていく。


家も...背も...列も...


何もかも離れていく。






————————————————————————


『キーンコーンカーンコーン』


学校のチャイムが学校中に響く。


「よ~し朝のホームルーム始めるぞ~」


先生がいつも通り出席を取り始める。


「上田由比。江田翔。尾田圭亮。尾上...」


と出席確認は続いていく。


俺はこの時間もず~っと勉強をしている。


「東雲時一!」


「あっはい!」


俺はいきなり呼ばれてびっくりしてしまった。


「おい。勉強をするのは良いことだが、出席確認時ぐらいはしまいなさい。」


「すみません。」


別にいいだろ。教室にいれば...




————————————————————————


『キーンコーンカーンコーン』


長かった。時間が。やっと昼食だ...


「ねぇねぇ時一君。」


由比さんが携帯を持ってこっちに来る。


「ん?どうした?由比さん。」


「雨雲が近づいてるって。しかもかなり強いのが。」


「まぁ確かに雲行きが怪しいな。」


実は2時間目ぐらいから雲行きが怪しくなっていた。


そして由比さんが続きを話す。


「それで、この雨雲、長崎を通って今佐賀市全体にかかっててあと30分後に降る予定らしい。」




『ザァァァァァァ!!』


轟音と共に雨が降ってくる。


「やばい!やばい!屋上で食ってるやつらは?」


「屋上は今日封鎖されてた。」


由比さんが答える。




————————————————————————


今日は大雨だから部活はないらしい。そのまま帰る。


俺は傘も持ってない。


由比さんも困った顔で雨宿りをしていた。




俺はひらめいた。


俺は冷え込むだろうと思いジャージを着てきていた。


これを由比さんに着せた。


「よし。これでいい。」


「え?どうゆうこと?」


戸惑った様子で由比さんはこっちを見る。


「とりあえず、制服が透けられたら困るから...」


「ははは!やっぱり時一君はヘンタイだな。」


由比さんは俺を揶揄う。


「い、いや!俺がヘンタイなんかじゃ!」


俺は慌てて答えた。


「ふっ。でも、ありがとう。」


「ああ。いい。駅までダッシュだ!」


俺らは駅に向かって走り出した。




————————————————————————


『まもなく、西鉄福岡です。お出口は...』


いつも通りの放送。だけどこの後、耳を疑うような情報が入ってきた。


『鹿児島本線、小倉~鳥栖間、大雨により運転を見合わせております。』


俺は小声で由比さんに話しかけた。


「え、どうしよう。」


由比さんからも返ってきた。


「私の家は香椎なんだけど...」


「え、これって...」


俺は察するように言う。


「二人とも帰宅難民?」


声をそろえて言う。


————————————————————————


外に出てみる。やっぱり土砂降りの雨だ。


俺は親にメッセージを送る。


俺『外が土砂降りで帰れないんですけど。』


母『鳥栖まで止まってるみたいね。』


俺『どうしたらいい?』


母『明日休日でしょ?ならお金あげるから近くのホテルで泊まりなさい。』


俺『こっちには女子もいるんだけど...一つ屋根の下で年頃の男女が二人っきりって...』


母『あ?彼女?別にいいでしょ。仕方がないんだから。』


やっぱり俺の親は無神経だ。


このやりとりを由比さんに見せたら...


「私は別にカノジョなんかじゃ...」


といって顔を真っ赤にさせていた。


「まぁいい。近くのホテルで部屋空いてるか聞きに行こう。」




つづく

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