赤い庭
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。が、かなり薄いです。
期待して読むとがっかりなさると思います。
注意事項3
ある意味供養です。
ムーンライト様では求められてない。
けれどもこの場面気に入っているし、消すのも惜しいという思いの元の投稿です。
なろう様では『今のところ』続く予定はありません。
(全然構成が見えて来ないので)
ムーンライト様では、抉りとった場面を更新するかも知れません。
真っ赤な彼岸の灯る庭。地面全体か赤く、赤く、燃えている様な庭先。年がら年中彼岸花が咲き誇り、私を楽しませてくれた。誰にも散らす事を許されない、私の庭。それが崩れたのは、とある日の事である。
空から何かが落ちてきた。ぼすんと、鈍い音を立てて。すまし顔で咲き誇っていた花弁が騒ぎ立て、舞い上がる。何事だと。何なのだと。
その一部始終を見つめていた私は、縁側から立ち上がり、その自分でさえ穢すことを許さなかった庭先に足を踏み入れた。脚先に当たる焔が怯えた様に擦り寄ってくる。あれを何とかしろ。と語りかけてくるようだった。悪いね。お前達。今まではお前達が一番大事だった。けれども二番手になりそうだ。
私は一連の出来事の諸悪の根源の元へ歩み寄ると、真上から見下ろした。一人の女子だった。それは胎児のように丸まって、この庭を揺籃として眠っていた。
髪は長く、伸び放題。艶は無くざらついた鈍い光沢を放っている。召した着物も汚れていて、所々に染みを作っている。間違っても、落ちた拍子に泥が付着したからでは無い。それとは別の汚れ。積年の。
「おい。君。早く起きろ。彼岸が煩く騒ぎ立てて敵わん」
「うぅ……」
膝を追って軽く肩を揺する。すると軽く身動ぎをし、瞼が持ち上がった。まだ堕落した衝撃で、意識が戻っていない様だった。そうしていること数秒。漸く自体が認識出来たらしい。突如体を強ばらせ、尻込みしたまま後ずさる。また花々が、ぐしゃりと悲鳴をあげた。
女子の顔には怯え。これからされる、乱暴な事を予測したような顔だった。まぁ、そんな事しないが。
私は怯え切って動けなくなった女の体躯を抱えると、そのまま屋敷に戻る事にした。
「全く。丁重に扱え。と言わねば人間というのは雑に扱うのか?」
「あの……」
女子は精一杯に一言。此方に向けて語り掛けた。身の詰まった果実のように縮こまる姿は可愛らしいが、まぁ、おいおい。
「決めていたんだ。私以外の奴で、この庭を穢す奴がいたら女なら嫁にしようと。男なら家臣にしようと」
この庭の美しさは言葉に出来ないほど。けれども、何時も考えていた。この不変な世界に何か異変が起きたのなら、きっとその衝撃で感情が動くだろうと。一番の気に入りになるだろうと。
綺麗なものはいい。幾つあっても。けれども退屈だった。
「宜しくな。嫁さん」
彼
この庭の主。村の人々は神様と呼んでる。
実際に神様。歳は何歳か覚えてない程。
彼岸の庭を愛しているが、この不変な世界に退屈している。
変化を落としてくれた者を大切にしようと決め、それに乗っ取り恋をした。
(前:多分好きになるな。後:うん。好きになった。嫁にしよ)
彼女
村の人々から虐待されて、生贄に落とされた。
兎にも角にも慰みものとして、暴力を振るわれていたため、警戒心強め。
手入れすれば美人。
気に入ってしまいました。