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三人称書きの筆者は、一人称読みの読者様の作品解釈に戸惑う

半年前くらいに書いて放置していたエッセイです。

尚、今回は愚痴っぽい内容になります。(^^;)

 たまには自分の葛藤系エッセイでも書いてみようかと思い、今回初挑戦。

 エッセイは、出来るだけ誰かの役に立つ内容で書きたいと思いつつも、どうしても「何故こういう解釈をされた!?」という感想を貰ってしまう事が多い筆者なので、そのモヤモヤ感を今回エッセイで書いてみました。(苦笑)


 さて、この『一人称』と『三人称』。

「違いは何ぞや?」という部分ですが、ちょっと同じ状況のシーンをそれぞれのパターンで、筆者的にお話っぽく書いてみました。(笑)

 某ゲームを彷彿させる内容ですが、筆者が元ゲーマーなのでご了承ください。



【一人称で書いた場合】


 ◆◆◆


 俺は奴の背中を見て苛立ちを覚える……。

 まるで物干し竿のような長すぎる剣を背中に携え、周りの人間の迷惑も考えずに我が物顔で歩き回っている奴のふてぶてしい態度に……。


 そもそもあんなに長い剣で、とっさに攻撃など出来ないはずだ!

 あれがカッコイイとでも思っているのか?

 だとしたら奴はバカだ。

 バカな上に周りに配慮が出来ない大バカヤローだ……。

 だから俺は、皆が痛々しい存在でも見るかのように遠慮して言えないでいるこの状況を察して、奴にハッキリとその迷惑行為を訴える事にした。


「おい! セフィロス! その邪魔臭い剣を使うのはやめろ!! お前が動き回る度にぶつかりそうになって、皆が迷惑しているんだ!!」


 皆の代表意見として俺がそう訴えると、奴は何故か俺の事を鼻で笑った……。


「クラウド、そのバカデカい剣を携え、動く度に皆にぶつけているお前に俺を咎める権利はあるのか?」


 俺は奴のその言い分に愕然とした。

 自分も奴と同じ迷惑行為をしていたという事に……。


 ◆◆◆



【同じシーンを三人称で書いた場合】


 ◆◆◆


 クラウドはセフィロスの後ろ姿を忌々し気に睨みつけた。

 彼は何故か物干し竿程もある長すぎる剣を好んで使う為、未使用時に背中に携えている際、周囲に多々ぶつけそうになるので、仲間内から迷惑がられている。


 だが仲間達は、その迷惑行為をやめて欲しいと彼に訴える事は出来なかった。

 何故なら彼が、あの長剣を使いこなせる事で『自分はカッコいい』と感じ、陶酔している事を皆は、同情すると共に察しているからだ……。

 そんな周囲から痛々しい目で見られている事に全く気付かず、配慮のない行動を繰り返すセフィロスにクラウドの怒りは、頂点に達していた。

 そしてクラウドは、ついにその不満を皆の代表として訴える事を決意をする。


「おい! セフィロス! その邪魔臭い剣を使うのはやめろ!! お前が動き回る度にぶつかりそうになって、皆が迷惑しているんだぞ!?」


 しかしセフィロスは、そんなクラウドを鼻で笑った。

 その態度にクラウドは、何故か自分がバカにされたと感じてしまう。

 だが次の瞬間、彼が放った言葉で、その態度の意味をクラウドは理解する。


「クラウド、そのバカデカい剣を携え、動く度に皆にぶつけているお前に俺を咎める権利はあるのか?」


 その言葉を聞いたクラウドは愕然とし、悔し気に唇を噛んで俯いた……。

 何故ならクラウドもセフィロスと全く同じ迷惑行為を無意識で行っていたからだ。


 ◆◆◆



 それぞれのパターンで同じ場面を筆者的に書くと、こんな感じですかね?

 某ゲームファンの方、例文で悪ふざけして大変申し訳ございませんでした……。

 という事で、仕切り直しで『一人称』と『三人称』を検証!


『一人称』は、主人公がダイレクトに思っている事で語られるお話の書き方。

 なので読者側は、まるで主人公と一体化したような感覚でお話読まれる事が多いので、自分がその主人公になりきっているような感覚で作品を楽しまれる?

 なんというか……作品の世界を主人公を通して疑似体験しているような感覚で、読んでいる感じですかね?

 あと主人公の心の声が駄々洩れなので、主人公に感情移入しやすいですね。

 感情の起伏も読み取りやすいので、三人称より話がテンポよく感じるかも。


 対して『三人称』は、物語が主人公ではなく、第三者の視点から語られているようなお話の書き方です。

 読者側では作品を読みながら、その文面から頭の中で、そのお話の場面を自分なりの映像に起こして、まるでドラマや映画を観ているような感覚でお話を読み進めている人が多いのではないでしょうか?

 もう少し分かりやすく言うと、読者側は作品の世界を外側から覗き見ながら、お話を見守って(傍観して)読み進めていると言う感覚? 

(ちなみに筆者が、こういう作品の読み方をします)

 一人称と比較すると、主人公だけでなく物干し竿剣士の人物像も周りからの評価や印象描写があるので、キャラ像を想像しやすい?

(あとどちらがマウント取ってるかなどの二人の関係性も分かりやすい)

 主人公だけでなく、それ以外の登場人物の様子や心境も想像しやすい感じ?



 この『一人称』と『三人称』ですが、それぞれこういうメリットとデメリットがあるのではないか……という筆者なりの考察が、このエッセイのテーマです。

 あくまでも小説書き始めて一年未満の素人筆者の考察なので、「そうかぁ?」と言う部分は、大目に見てください。(苦笑)



【一人称のメリット】

・主人公が全部体験談として語ってくれるので、読む時にあまり想像力を使わず、サクっと読みやすい。

(主人公になりきって疑似体験してるような感覚になり、ストーリー展開をイメージしやすい為、あまり本を読まない人でも読みやすい)


・冒険物等だと、主人公と一体化して作品を読んでいるので、実際では体験出来ない自分が冒険しているような疑似体験感覚が得られやすい。


・主人公に感情移入しやすいので、ハッピーエンドのお話などでは、読者自身も主人公と一緒になって幸福感や達成感を得られやすい。




【一人称のデメリット】

・主人公が体験した事しか語られないので、主人公が知らない裏で動いているお話の展開が書きづらい。その為、急に無理矢理な展開がやってきたと、読者側が感じてしまう事が発生しやすい。


 結構多いのがリアルタイムで主人公が話の展開を語っている形でお話が進んでいるのに急に「俺はまさかこの後、〇〇が××になるとは思わなかった」と、主人公が言い出している場面が出て来て「お前、未来予知が出来んのか!? エスパーかよ!!」とツッコみたくなる状況とかもそうですかね……。

 ここで「ん!?」となる読者様は、読書力高そう。

(ちなみに筆者は気付けないw)

 ちなみにこれは、三人称では『神の視点』とか言って成り立つ書き方らしい。

 あと筆者的には、こういう部分で一人称は、お話の伏線を張るのに書き手の技術がいると感じてしまいます……。


・読者が主人公になりきって読むので、作中主人公が受けるストレスを読者側も一緒に受けてしまう……。


 よく「ヘイト管理しっかりして!」と訴えてくる読者様は、恐らくこれ?

 主人公が酷い扱いをされている場面で、自身も主人公と一体化して作品を読んでいるので、同じようにそのストレスを受けてしまい、そのストレスに対して自身が満足するか、あるいはそれ以上のストレス解消展開がなかった場合、その不満を作者に訴えてくる感想とかが、こういう経緯で発生するのかな……。

 というかこの「スッキリした!」「スッキリしない!」感想、異世界恋愛でよくお見かけしますが、恋愛部分の感想がほぼ無いのは、どういう事?(苦笑)


・主人公の性格が、好きではないタイプだった時は感情移入しにくく、自分に合わない作品になりやすい。


 例えばチーレム系で、たまにいるゲスい主人公とか……。

 異世界恋愛系でいる思い込みが激しくて、ありえない方向に勘違いして自分を卑下し過ぎてるヒロインとか?

 個性が強すぎる主人公で一人称だと、人によっては「この主人公キャラが濃すぎて感情移入しづらい!」になりやすいかと。



 逆に三人称の場合では、どうでしょうか?


【三人称のメリット】

・主人公が知らない所で展開している話が書いてあるので、読者側が急展開時にその矛盾点を感じにくい。 (あと先程の『神の視点』が使える)


 一人称だと主人公が見聞きした事しか語られないので、その裏で行われていた動きを主人公の視点から語らせるのが書き手の技量がいるので難しい……。

 その為、「そのキャラ、急にどっから出てきた!?」や「なんか急に話が飛んだ!」と読者側に違和感を与えてしまう状況になりやすいです。

 でも三人称だと、第三者視点で書かれているので主人公以外の人物の行動も「一方、その頃……」という出だしで、書く事が出来る。


・作者が細かく情景描写を書いている場合が多いので、そのお話の世界観を映像として細かく想像しやすい。(部屋の規模や登場人物の容姿等)


 同じ人物描写文から読者側が、それぞれ自分好みの舞台設定や配役で、その物語の世界観を想像して、作品を読む事が出来るという事ですね。

 例えば……『サラサラの金髪に宝石のような碧眼の美しい長身の王子』と書いてあったら、人によってそれぞれ違う『サラサラの金髪に宝石のような碧眼の美しい長身の王子』のイメージ像で、各自が自分好みの金髪イケメン王子をそれぞれ思い描いて、作品を読む事が出来る。

 でも一人称だと主人公が感じた事しか言わないので、ここまで鮮明に登場人物描写がなく、その映像イメージはしにくいかと。


・外側から作品を見ているような傍観者という立場で作品を読んでいるので、一人称の時のように主人公が受けるストレスを一緒になって受ける事が少ない。

(はずなんですけどねぇ……)


 一人称だと主人公と一体化するように作品を読んでいるので、主人公が困難にぶつかったり、周りから虐げられている場面を読むと、主人公と同じようなストレスを受けやすいです。

 でも三人称だと、傍観している立場でお話を読んでいるので「かわいそう」とか「辛そう」と思っても自身は「辛い!」とは、感じないはず。

 まぁ、言い方が酷いですが、「所詮他人事」として見る事が出来る感じ?

 なのでそこまでストレスは受けないはず。



【三人称のデメリット】

・どうしても情景や心理描写が多いので、説明文的になりやすく、読書慣れしていない人からすると、堅い文章に見えて取っ付きにくそうと感じられやすい。

(ようするに誰でも読みやすいのかと言えば、そういう訳ではない?)


・主人公だけでなく、他の登場人物にも感情移入出来るので、どの登場人物に感情移入したかによって、読者側で作品の解釈の仕方が大きく分れる。


 三人称だと主人公だけでなく、悪役側の状況描写もされているので、そちらにも感情移入する事がで出来ます。

 そうなると、作品の解釈が変わってきますよね?

 例えば悪役側だけが悪いのではなく、主人公側にも問題があると言う解釈をしてくる読者様も出てきます。

 なので作品の解釈が分かれやすいので、人によってはその作品の結末に納得出来ないという人が出てくる。


・想像しながら読むスタイルに適している為、人によっては読む際に疲れる。

(深く考えないでサクッと読みたい時などでは、あまり適していない)



 他にもまだまだ良い所も悪い所もあるとは思いますが……。

 作者側の筆者が、この『一人称』と『三人称』で「何でよぉぉぉー!!」と感じて悩んでいる部分が、この三人称のメリット部分の三番目と、デメリット部分の二番目。それによって起こってしまう以下の状態です……。


『一人称読みをされる読者様が、三人称作品を読んだ時に本来は発生しないように配慮されているはずのストレスを受けてしまう問題』


 先程、一人称のメリットで記載しましたが、一人称作品の良い所は、主人公と一体化して(なりきって?)作品が読めるので、想像力をあまり使わず、サクッと読みやすいという部分を挙げました。

 ようするに他の登場人物の心情も主人公が、そう感じたという部分のみを一緒に感じればいいので、作品内に複雑な心理描写があまりないというスタイル。


 でも三人称作品って、どの人物にも感情移入しやすいように各登場人物の心理描写が、丁寧に書かれている事が多いんです。

 その分、その登場人物達が「何でそんな酷い事するの!?」という動きをしてもその登場人物が、そういう行動をしてしまった経緯に至った葛藤部分なども書くので、そこまでストレス展開にならぬよう配慮しているはずなんですが……。

(例えば「こういう状況ならそういう考えになってしまうよね……」とか?)


 一人称読みの読者様(あるいはしか読まれない読者様)が、このどのキャラにも感情移入出来る三人称作品を読まれると、主人公が感じた事しか拾って貰えないので、他の登場人物の問題行動が、意味のない異常者のような行動に見えてしまうという感じになります……。


 結果、「〇〇みたいな人間は、異常だと思います」「このヒーローは、クズ過ぎですね……」「どうしてこういう意味の無い行動をして、主人公を痛めつけているんですか?」という感想が、まぁ飛んでくる飛んでくる……。(苦笑)


 作者側からしてみると……「いや、だからそういう風にこのキャラが歪んだ経緯を○○部分で書いてるよね? そこ読んでないの!? 読んでないのにこのキャラの事、全否定で苦情入れてくんの!?」になり、毎回感想返信で、延々とその部分の解説をするのが、たまに辛くなる時があるんです……。(泣)


 そもそもフィクションの作品なのに「私だったらこういう風にして〇〇を改心させます!」とか「私だったらこういう振る舞いはしません!」いうご意見と共に「よって、この作品はモヤっとする」という作品全体を否定するような締めの感想をランキング上位作品で、よくお見かけします……。


 筆者も以前、そういう感想を頂いた事があり、その時は悲しいとかショックとかの前に本当に申し訳ないのですが、ドン引きしました……。


「え……? これ、作り話なのにこの読者様、自分がガッツリこの作品の世界の一員になっている感覚で感想してきた……。いやいや! これ架空のお話よ!? 何でそこまで、このキャラに対して真剣に怒っているの!?」


 そこまで自分が作った作品にガッツリ没頭してくれた事は、本当にありがたいとは思うんですが……。

 その作品でそのキャラと勝手に一体化して、そのキャラが受けたストレスを勝手に一緒に受けてしまった苦情を作者に言われても本当に困る……。(苦笑)


 そしてその場合、大抵最後にくる一言が「なんだか読後感が良くない作品ですね」とか「非常に不快な気分になりました」とかです……。

 一個人の価値観でしか判断されていない状態で、不快な作品認定……。

 それをわざわざ感想欄に残して行くのだから、他の読者様がその感想コメントを読んだら「え……? この作品、そんなに嫌な話なの?」という風評被害も発生……。

(だから作者側は、感想欄を閉じる人が多いのだと思います)


 実は筆者はある作品でその状態になった事があり、その際に他の読者様(恐らく三人称作品を読み慣れている読者様)が、その状況を見るに見かねて擁護コメントをしてくれるという状況になった作品があります……。

(その時パニックになった筆者を助けてくれた読者の方々、本当にありがとうございました!)


 その作品は、ヒロインを傷付ける行動をしてしまったヒーローが、そうなってしまった経緯の描写をガッツリ書いたはずなんですが、何故かその部分は全く読み取って貰えず、ひたすら「ヒロインがかわいそう」なコメントがくる……。

 何でこんな現象が起こるのか、最初は全く分からなかったのですが……。

 ふと、過去の自分の事を思い出したんです。


「あっ! これ、私が昔、『星の瞳のシルエット』を読んだ時の『真理子、大っ嫌い!』現象だ!」


『星の瞳のシルエット』……。集英社のりぼんコミックスの少女漫画。

 筆者にとって「もうこの先、自分の中で最高と思える少女漫画は、この作品を越える物はないだろう!」と今でも思っている『耳をすませば』(ジブリで映画にもなってますが、私はあの話は別の作品認定する程、認めん!)の作者でもある柊あおいさんという少女漫画家さんの古い作品。

 ちなみに1巻と最終巻で絵柄もですが、主人公の性格設定なども大幅に変わっている部分に作者様の成長を感じるというある意味、当時の意欲作!(笑)

(もう40年近く前の全10巻の古い漫画です……)


 筆者はこれを小学生の頃、年の離れた従姉妹の姉ちゃん宅で読んだのですが……。まぁ、この『真理子』というキャラが、当時本当に嫌いでした。

 主人公香澄ちゃんの親友の真理子(どっちかと言うと甘えん坊で少し我儘っぽい性格?)は、その香澄ちゃん(控え目で大人しそうな性格)と、その想い人である久住くんが、両想いなのを知っているのに久住くんの事が好き過ぎて、強引にお付き合いを提案して、一瞬だけ付き合い出します。


 当時小学生だった筆者は「真理子が身を引けば、二人が幸せになれるのに……。しかも真理子は香澄ちゃんの親友じゃん! なんで親友が好きな人と両想いなのを知っているのに身を引かないの!? 私なら大人しく身を引く! というか香澄ちゃんが、かわいそう!!」という感じで、真理子をもの凄く嫌な人間だと決めつけて作品を読んでいました……。


 そんな筆者は、当時漫画ばっか読んでて、小説になんて一切興味のない子供。

「漫画は好きだけど、文字ばっかの本は面白くない!」という感じです。

 ですが、中学生になって友人の薦めで読んだ『赤毛のアン』で、小説という物の価値観がガラリと変わりました。


「なんだこれ! 漫画より、各登場人物の心情とかが細かく書かれてて、この人間関係ドラマが、スゲー面白い!!」


 それからはもう無我夢中で小説を読むような人間になってしまったんですが。

(下手したらご飯を食べるのも忘れるww)


 そういうお話の楽しみ方が出来るようになった時、もう一度この『星の瞳のシルエット』と読んでみました。

 すると……どうでしょう?

 不思議な事にこの大っ嫌いだった真理子の行動が、非常に涙をそそる健気な行動にしか見えないのです……。


 親友香澄ちゃんを好きな久住くんを諦められない真理子。

 でもその叶わぬ恋でも、自分という人間が好きだったという事を一時でもいいから、久住くんに知っててもらいたい……。

 もう二人のデートしているシーンなんて真理子が、かわいそうで仕方ない……。

 後ろめたい気持ちで気まずい笑顔しか向けてくれない久住くんに対して、その一瞬だけの夢のような『彼女』というポジションでの思い出作りの為、全力で楽しもうとしているんです……。

 むしろ優し過ぎて、ハッキリ断れない二人の女性に想われているイケメン物静か草食系男子の久住くんの優柔不断ぶりにイラっとしてくる!(笑)


 そしてその前までの話では、ちゃんと作者の柊あおいさんが、真理子が自分の我儘を通してでも久住くんと意地でも付き合おうと決意する経緯が、真理子の葛藤と共に描かれていたんです……。

 もうそれがね……。振られるの前提だと理解しながら、短い恋人期間中での思い出作りして、諦める為の準備を必死にしているようにしか見えない!!(泣)


 でも当時、小学生だった筆者は、主人公の香澄ちゃんしか見ていなかった。

 親友の為に好きな人を諦め、真理子の恋の成就を祝福する香澄ちゃんの健気さ。

 そこしか注目してなかったんです……。

(ちなみに作品連載中は、小学生筆者と同じ考えの読者様から作者様の元に「真理子、大っ嫌い!」というファンレターが、たくさん来たそうな……)


 では何故、そんなにも筆者の解釈がガラリと変わってしまったか……。

 それは小学生筆者が、一人称目線でしか、その作品を読んでいなかったから。

 香澄ちゃん目線でしか作品を読んでいなかったから、真理子が葛藤しているシーンをサラッとしか読まなかったんですよ……。

(ちなみにどーでもいい情報ですが、筆者はこの漫画の一番の押しカップルは、香澄ちゃんのもう一人の親友の沙樹ちゃんと司くんだったww)


 その事を思い出した筆者は、「ああ、こういう事か……。だから一人称読み慣れている読者さんにこういう解釈されるのかぁ……」と、やっとその不可解現象の原因に気付きました。


 だから今度は、ヒューマンドラマで三人称だけれど、主人公のヒロインにその他の登場人物の心情を「エスパーかよ!?」というくらい代弁させ、誰が読んでも各登場人物の心情が分かるようにガッツリ書いてみました。

 その結果、「読みやすかったです」の感想がたくさん!\(^o^)/

 これなら行ける! 一人称しか読まれない読者様でも読みやすい三人称作品!


 ですが……そういう主人公なので空気読むレベルを最強設定にしたら、「ヒロインが偽善者過ぎて病んでいるように見える」という感想が……。

 どないせいっちゅーねん!www


 なので筆者は一人称読みの読者様から、たまに飛んでくる全く予想していなかった作中キャラに対しての批判的なコメントが、何故発生してしまうかの経緯が分からない時が結構あります……。

「このキャラ、何でこんなに嫌われたんだろうか……」と。

 作者側からしてみれば、「いや、そういう行動しちゃった経緯、ちゃんと書いてあるじゃん……」なんですが、一人称読みの読者様には、主人公が感じた事や受けた行為しか注目して貰えない……。

(まぁ、筆者がガッツリ人間の嫌な面を書くという作風も原因なんですけど)


 そしてそういう感想を頂くと、毎回「それはここでこういう過去があるのを書いているので、その時に拗らせてそういう卑屈な考えをするようになって……」と、毎回毎回作品の丁寧説明というか、言い訳的な感想返信をするのが、もの凄く苦痛に感じる事が、たまにあります……。

「しっかり読んでくれれば、ここに書いてあるよ!」と長々の返信文……。

 その返信文を書いている労力もですが、まずそれが長文解説になる事にも何だか言い訳しているみたいで、自己嫌悪な気分になってくる。

 最終的には「何やってんだろう……。私、返信じゃなくて書いた作品を誰かに読んで楽しんで貰う為に作品投稿したはずなんだけど……」となる。(泣)



 三人称の作品って、恐らくその無駄な動き(あるいは問題行動)と思える行動をしてしまうそのキャラが過去に挫折や葛藤部分をしている場面をちゃんと作者様は、書いているはずだと思うんですが……。

 何故かそこを読んで貰えず、主人公視点でしか読まれなかったであろう感想で、他の登場人物に対して否定的なコメントが来る事が、結構あります……。


 それが恐らく筆者的な言い方をすると『真理子、大っ嫌い!』現象。(笑)

 三人称作品を一人称作品的に読んだ場合に出てしまう弊害なんですかね?

 でもそうなる経緯は分かっても、それを防止する方法は思い付かない……。

 だから三人称書きの筆者は、一人称読みの読者様の作品解釈に戸惑ってしまう。

 これ、同じ事で悩んでいる作者様、いるのかなぁ……。


 筆者のポリシーに反しますが、最近そういう風に読まれた場合、筆者が過剰反応してしまいそうな思い入れのあるシリーズ作品の感想欄を閉じる事に決めたので、その事をよく考えてしまいます……。


 そのシリーズ作品自体は、温かいコメントが一件くらいし付いていないのですが、別作品でそういう「何でこんな解釈された!?」という感想を頂く機会が結構あったので、「一個人の読み方の違いで作者の意図してない解釈を勝手にされ、更にその作品に全否定なコメントきたら嫌だなぁ」と思う思入れの強い作品のみは、感想欄は閉じる事にしたのですが……。


 でもまぁ、そうなると「このチキン作家め!」と言われるのも嫌なので、作品自体の感想欄を閉じて、作品のあとがきだけをまとめて別作品として投稿(もちろん、検索除外設定)して、そこに「感想どうぞ」にしてますね。

 そうすれば「読者様ご意見をシャットアウトしてないぞ!」とも言い張れるし、批判的コメントがきても自分しか見ない場所なので、その作品を気に入ってくれた人の目に付かなくていいかなぁーと。(笑)


 こんな風に感想欄問題は、何とか対策を思いついたのですが……。

 この一人称読みの読者様が三人称作品を読んだ時にこちらが意図していない方向でキャラ解釈されてしまう事への対策は、全く思いつかない。

 これは書き手側の執筆技量で何とか出来る事なのでしょうか……。


 かと言って一人称で書くと、その主人公の性格で好き嫌いがあるから、感情移入のしやすさが左右されたり、三人称の売りでもある誰もが自由に自分の好みのキャラ像を想像して作品を読むが出来なくなってしまう。

 何よりも主人公が見聞きした事でしか作品展開が出来ない縛りが難しい……。


 あるいは三人称作品でも一人称読み読者様にも読みやすいと思って頂ける書き方ってあるのか?

 でもこれは、突き詰めるとキリがなくて永遠のテーマな気がする……。


 こういう筆者と同じ事で悩まれている作者様っていらっしゃいますか?

 もしいらしたら、読者様から自身が意図していないキャラ批判が来た時、どういう風に向き合い、対応されているのか知りたい……。


 そして皆さんは、一人称読みと三人称読み、どちらを好んでされていますか?

 三人称で書かれた作品では、同じ作品でも一人称風で読み進めた後に三人称風に読み直すと、また作品の印象がガラリと変わる事があります。

 なので三人称作品の場合、一度読んで「何だよ! コイツ! 何でこんな嫌な行動すんだよ!」と感じた場合は、二度目はその意味不明な行動をした嫌な奴の立場になって読んでみると、そのキャラが何故そういう行動をしてしまったかが、少しは理解出来るかも。


 まぁ、その辺すっ飛ばして作品書いてしまう事もある筆者が、こんな偉そうな事言えないのですが……。

 最近、ランキング上位作品の感想欄で、明らかにその読者様の好みが合わなかったというだけで「この作品は読んでて非常にイラッとする作品だと思います」とか「この人物は、頭がおかしいのでは?」みたいな感想をよく見かけるので、ちょっとそれは違うような気がしてしまう事が多いんですよね……。


 でもたまに「コイツが何故こういう嫌がらせとしか思えない行動を嬉々としてやりまくったのか、その経緯や背景がよく分からん……」という作品もお見かけするので、それもそれで感情移入するキャラを変えても意味不明な動きとしか思えない作品にも遭遇してしまいますが……。

(特に一人称書きのざまぁ作品での悪役令嬢じゃない腹黒ヒロイン)


 書き手側からしてみると、この『一人称』と『三人称』で作品の解釈の仕方がガラリと変わってしまう問題を他作家様がどう対策されているのか、非常に気になる今日この頃です……。


お手に取って頂き、ありがとうございました!

尚、筆者は特に執筆関連をしっかり学んだ人間ではありません。

なので一人称と三人称の違いは、あくまでも筆者独自の考えで語っております。

プロの方が読まれた場合、「それ、違うんだよな~」と思われるかもしれませんが、そこは温かい目でスルーして頂けると助かります……。


誤字報告ありがとうございます。

漫画のタイトル間違えてました。

『星の瞳に』ではなく『星の瞳のシルエット』ですよね。

本当すみません……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここまで深く一人称や三人称に関して考察できるなんてと、とても驚いてしまいました! 私も「一人称は日記みたいだな」とか「三人称は客観的情報が読者に伝わりやすいけど硬さが出るよね」程度は考えて…
2021/09/21 20:55 退会済み
管理
[良い点] 大人になると別の視点から読めるようになって印象が変わる作品とか、あとの方で知らされる事実によって、今までのキャラの行動ってそういうことだったのか……と二度美味しい作品は良作だと思いますw …
[気になる点] この辺は個人の感覚だというのは重々理解してるので、ケチつけるつもりないんですが。 一人称形式→読書慣れしてる人も読みやすいって意見はちょくちょく見ますが、自分には懐疑的なんですよね。 …
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