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96.【レオン】ボスのために

 俺はボスに深緑のダンジョンのことについて報告した。ボスはルークになにやら耳打ちされた後、突然、深緑のダンジョンを攻めると宣言した。


 そして、ボスは言った。


「(深緑の森のダンジョンを探せ。探し出し、ダンジョンマスターを連れてこい。……いや、食い殺して首だけ持ってこい)」


「(承知しました!ボス!)」


 ドーレンが喜んで承る。


 ボスはどうしたというのだ?

 ダンジョンマスターを殺してしまえば、ダンジョンから魔力をもらうことができなくなってしまう。突然現れた男……ルークといったか?やつもそう言っていたではないか。


「(お待ち下さい、ボス。ダンジョンマスターを殺してしまってはボスが魔力を得られません!)」


「(!?)」


 ドーレンが驚く。……いや、さっきから言っているだろうに。血気盛んなのは構わんが、話をちゃんと聞け。


「(構わん。殺せ)」


「「(!?)」」


「ふふふ……」


 ルークが嬉しそうに笑う。このままではボスが死んでしまう。いったい、こいつはボスに何を吹き込んだのだ?

 そもそもなぜ、こんなところに人間がいるのだ!

 ルークに対する怒りがふつふつと沸き起こる。


「なんだか楽しいことになりそうだねぇ」


 その言葉をきっかけに、俺はルークへと飛びかかる。

 が、


「「キャイン」」


 次の瞬間には俺は頭を捕まれ、地面に押し付けられていた。

 しかも気づくと、目の前には同じように倒れたドーレンもいるではないか。


「ちょっと、躾がなってないんじゃないの?」


「ふん、そもそも無断で入ってくる貴様が悪い。放せ。(ドーレン、レオンよ、その男には構うな。お前らでは敵わん)」


「はいはいっと」


 手を離された俺とドーレンは勢いよく立ち上がり、ルークから距離をとる。

 コイツ、見た目はそうでもないのになんてスピードだ……。


 ……いや、今は人間のことなど気にしている場合ではない。


「(ボス、なぜダンジョンマスターを殺すのですか!?せめて殺さず、服従させて、魔力をボスに分けさせるべきです)」


 あのダンジョンマスターであれば、対立せずともなんらかの方法で協力関係を築けるのではないかとは思うが……。


「(……魔力については問題ない。お前らでダンジョンマスターを討ち取ってみせろ)」


 ボスにはなんらかの策があるのか……。

 ……もしかしてルークがなにか入れ知恵したのか?それは大丈夫なのか。

 あいつを信用することなどまるでできぬ。


「(さすがボスです。承知しました。我々、ダークウルフが討ち取ってみせましょう)」


 ドーレンが魔力は問題ないというボスの言葉を聞き、嬉しそうにボスの指示を受ける。

 いや、何を言うか。ダンジョンの件を見つけたのは俺らだ。


「(ボス、本件、スノーウルフにお任せください)」


「(ふん、たかだか20数頭しかおらん、貴様らにボスの命を果たせるとは思えん)」


「(脳筋のダークウルフに何ができる)」


「(あ?)」


「(やめい。ダンジョンマスターはデーモンなのだろう?獣人も傍らにいたと聞いた。どちらかだけでどうにかなるものだとも思ってはいない)」


 ダークウルフとスノーウルフの両方で当たれ、ということか。

 ……だが、冷静になって考えてみると、それでどうにかなるだろうか?

 湖のそばで、あのダンジョンマスターのカインと相対したとき、正直なところ、我らスノーウルフでは太刀打ちできないと感じた。あの場では引くわけにもいかなかったが……。そこにダークウルフを加えて、勝てるか?

 ドーレンと俺は同格。数はダークウルフの方が多いが、多いといっても2倍程度だったはず。相手はカインだけではないのだ。獣人もいるし、それ以外にも魔族はいるはずだ。


 ……いや、ボスがやれというのだ。それをなんとかするのが俺達の役目。命に代えてもカインを討ち取ってみせる!!


「(承知いたしました。ダークウルフとも協力し、必ずやダンジョンマスターの首を持ち帰りましょう)」


「(なに!?)」


「(ドーレン、俺にとっては、ボスの指示を全うすることこそ大事なのだ。そのためとあらば、お前と組むことなど何ということもない)」


「(……)」


「(おまえはどうする?)」


「(……ボスの指示が第一だ。ホワイトウルフの力など必要ないが、ボスのために多少は役に立つこともあるだろう)」


 コイツはなんでこんなに俺につっかかってくるんだか。だがまぁ、


「(決まりだな)」


 まずはダンジョンの場所の特定か。森は広いが、あの時ゴブリンがいた辺りにダンジョンもあるのだろう。そこを中心に探せばいい。まずはあの湖のあたりにでもダークウルフと行って、虱潰しにあたるか……。


「(では、我らはさっそく出立致します)」


「(ボス、お体に気をつけて)」


 ドーレンとともに、この場を離れようとする。


「ん~ちょっと待って」


 ルークが突然話し出す。


「なに?もしかして、スノーウルフとダークウルフだけでダンジョンを攻めるつもり?」


「そうだ」


「ちょっと厳しいんじゃない?キミ達の力を疑うわけじゃないけど、デーモンに獣人がいるんだよ?しかもダンジョンを攻めるってことは相手の土俵で戦うってことだ。なかなか厳しい戦いになると思うけどね」


「……何がいいたい?」


「キミのところ、カイザーウルフがいたろ?彼らにも加わってもらった方がいいんじゃないの?」


「……ハティとスコールは今、手が離せん」


 ハティ様とスコール様の2頭はまさにボスの片腕となるウルフだ。我々とは文字通り格が違う。

 確かに両名にご協力いただければ、ダンジョンの攻略ははるかに楽にはなるだろうが……。


 ボスは改めて俺達に声をかけてくれる。


「(ドーレン、レオンよ。簡単な相手ではないことは分かっているが、やってくれるか?)」


「(もちろんです!)」


「では行け。頼んだぞ!」


 俺とドーレンは改めてその場を後にする。

 ……ボスが俺達に期待してくれていることを嬉しく思いながらも、ルークの怪しげな笑みがどこか引っかかった。


ヘッジ「ボスのフェンリル、ふつーにルークと話してるっぽいっすけど、共通語話せるっすか?」

ティナ「ランクの高い魔族は共通語話せるのが多いのよ」

ヘッジ「そうなんすね~そういや、アルノルトもそうっすもんね。ん?でもルーク、狼種同士の話も理解してるっぽくないっすか?」

ティナ「……あの男はよくわからないわね」


◇◇◇◇◇◇


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