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88.【???】ダンジョンの行末

「それで、深緑のダンジョンはどうだったのだ?」


 我らを前に、さして緊張した様子もなく1人のSランク冒険者が答える。


「いい感じですよ」


 ふん、こやつがそう言っても全く信じられんな。


「具体的にどういう状態となっているのか説明せよ」


 冒険者はクスリと笑い、雄弁に語りだした。


「まず、ダンジョンマスターですが、まだレベルは低く、少々甘さはあるものの、戦闘能力、知能ともに高く、ダンジョンの役目を果たすには十分な素質を持っているかと」


 それを聞いて、ワシの斜向いにいた年老いた一人の男は、ホッとしたような様子を見せたのも束の間、堂々と言う。


「当然じゃ。優秀な者を選出しておる」


 冒険者が話を続ける。


「脇を固める魔族はさすがにまだランクの低いものばかりでしたが、獣人が1人いたようです。こちらもあなたが?」


「う、うむ……。森を司る深緑のダンジョン、万が一があってはならんからのぅ。補佐としてもうひとり有能なものをつけたのじゃ」


「そうでしたか。なかなか面白いスキルを持っているようでした。今後が楽しみですね」


 ふん、魔族のことなどどうでもよい。それよりも重要なのはダンジョンだ。


「それで、順調に拡大しているのか?」


「えぇ、驚くほどのスピードで拡大しているようですよ」


「ほぅ」


 それは重畳。

 深緑のダンジョンが拡大すれば、自然豊かな森が広がることだろう。


「すべてを踏破しようとしたら何日もかかるような長大な洞窟でした」


「……は?洞窟?」


 ワシだけじゃない。冒険者を除く、その場にいる者すべてが呆けたように冒険者を見る。


「今、深緑のダンジョンが洞窟として拡大していると申したか?」


「えぇ」


 ニッコリといい笑顔で冒険者は言う。


「深緑のダンジョンは森を司るもの。それがなぜ洞窟じゃ!」


「ダンジョンコアの力を使えば、森を広げるのが簡単なことはバカでも分かるだろう!」


 まったくだ。

 なにをどうしたら、洞窟になるのだ……。


「どうやら自力で穴を掘っているようですよ」


「「「……」」」


 みな言葉にならない。

 そりゃそうだ。ダンジョンを掘るなど聞いたことがない。


「というか、そもそもあの場所はもとから森でしたからね。広げるも何もって気もしますけど」


 冒険者がなにか言っておるが、あんまりな報告にもはやみな耳に入っていない。


「仕方あるまい。こいつをくれてやろう」


 そう言うと隣の男が種を取り出す。

 だが、種にしては随分と大きい。拳くらいの大きさがある。


「ひとまずはダンジョンとして成長しておるならそれでよい。これを手にすれば、少しは考えも変わるだろう。それで、報告は以上か?」


「そうですね。そんなところですが……」


「なんじゃ、気になることがあるなら言え」


「いえ、これは俺の勘違いかもしれませんがね。どうも魔力の濃度が高いような気がするんですよね」


「ダンジョンはできたばかり。魔力溜まりの残滓の影響じゃろう」


「それならいいんですがね……」


「魔力溜まりほどではないんじゃろ?」


「えぇ、それはそのとおりです」


「なら、よい。深緑のダンジョンの話はこれで終いじゃ。お主は下がってよい」


 それを聞くと、冒険者はおとなしく部屋から出ていく。


「次は翡翠のダンジョンの捜索の件かのう」


「どうせまだ見つかってないんだろ。それより、ギアスのところが問題だ」


「なんだと!?フォレイアこそ……」


 やれやれ、まだ会議は長そうだ……。



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