表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/172

82.【冒険者】どうしたらいい?

 俺は今、一人で暗い洞窟の中を歩いている。


 なんでこんなことになったのだろうか……。


 腕にひんやりとしたものがあたる。

 また上から雫が垂れてきたようだ。

 俺は足早にそこを離れる。


 これが危険なものだということは、イルミアさんから話を聞いて知っている。

 最初のうちは、魔道具で頭上を焼き払っていたが、もう魔石がない。

 雫が当たらないように気をつけるしかない。


 予備の魔石はたくさんあったのだが、それを持っていたのは俺じゃない。仲間の1人だ。

 だが、その仲間はもうみんな消えてしまった……。


 俺達は4人パーティだった。幸運にも最初の大きな落とし穴では、誰も大きな怪我をすることなく、着地できた。その後、イルミアさんの指示に従って、4人で洞窟を進んだ。


 途中まではよかったんだ。魔獣も、でかいトカゲを1匹見つけて、なんとか倒した。


 といっても、そのトカゲは危なかった。たまたま先の方に怪しく光る目のようなものが見えたので、気づくことができたが、そうでなかったら、魔獣がそこにいることにも気づかなかっただろう。探知の魔道具は持っていたのに反応しなかったのだ。


 おそらくあれはロックリザードだ。聞いたことしかないが、なぜか探知の魔道具に反応せず、奇襲攻撃を得意とする魔獣。そいつがいるところにはよっぽどの冒険者でない限り近づかないって話だ。俺達が倒せたのは幸運だったとしかいいようがない。


 魔獣に遭遇したのはそれくらいでその後は淡々と進んでいた。


 2時間くらい歩いただろうか?途中休憩もはさみながら進んでいたのだが、ある時、後ろの方で小さい悲鳴が聞こえたんだ。

 たぶん、空耳じゃなかったはずだ。


 それで振り返ったときには仲間が一人いなくなっていた。


 そいつはこんな状況で単独行動をするようなバカじゃなかったはずだ。

 当然、俺達は周囲を探した。ダンジョンの罠にでもかかったんじゃないかってな。


 だが、そもそもそんなわけはないんだ。


 だって、探知の魔道具は一切反応していなかったんだから。

 しかも、だ。いなくなったやつは最後尾にいたやつだ。

 もし、ダンジョンの罠なら、ひっかかるのは先頭にいた俺のはずだ。


 となると、考えられるのはロックリザードのような探知できない魔獣にひと飲みにされちまったんじゃねーかってことだ。ロックリザードなら、人間をひと飲みにできるほど大きくないから、やられたにしても欠片が残るはずだ。つまり、ロックリザードよりさらに大型のやつってことになる。

 その考えにいきついた時、俺達はすぐに決断した。


 撤退だ、と。


 今考えれば、そもそもロックリザードが出た時点で退くべきだったと思う。同じやつがまた出てきた時、次も都合よく奇襲を受ける前に見つけられるとは限らないのだから。大人しく撤退して、最初に落ちた場所の近くで他のパーティに助けてもらえるのを待てばよかったのだ。他のパーティも似たような状況だったのかもしれないが、イルミアさんがいる。少なくとも彼女だけは大丈夫なはずだ。


 まぁ、そういうわけでいなくなってしまった仲間の捜索は断腸の思いで諦め、俺達は来た道を戻った。


 そのはずだった。


 だが、途中で仲間の1人が言うのだ。


 この道あってるか?と。


 俺は何を言ってるんだと思ったね。迷うわけがない。なにせ1本道だったんだから。イルミアさんの指示でこの脇道の洞窟に入ってから、分かれ道は一度もなかった。その時はそんなわけないと突っぱねてそのまま進んだが、そのうち、またその仲間が騒ぎ出した。


 こんな道、来る時通ってない、と。


 何度も言われるとそんな気もしてくる。だが、来るときも、戻るときも分かれ道はどこにもなかった。そりゃ、道をくまなく全部照らして探しながら進んだわけじゃないから、天井とかに抜け道みたいなもんがあるとかなら、分からんが、少なくとも行きはそんなところは通ってない。


 じゃぁとりあえず、少し戻ってみるかという話になって、戻ってみると、なんと分かれ道があった。


 ……こんなものあったか?そりゃ洞窟の中は暗いからわかりにくいが、分かれ道があったら気づくだろ。


 そう思いながらも、まだ通ってないはずの方を進んでいく。当然、厳戒態勢で、だ。なんだかよく分からんが、なんかの罠にハメられてる可能性もあるからな。


 ……どんな罠なんだかよくわからんが。


 そのまま30分ほど進んだだろうか?


 そこで、冒頭に戻るのだ。


 俺は今、一人で暗い洞窟の中を歩いている。


 そのことに気づいた。


 そう、残った仲間の2人もいつのまにか消えてしまっていたのだ。


 いったい、どうしてこうなった?


 毒だか酸だかが時々上から落ちてくる。

 予備の魔石はもうない。

 仲間はいなくて俺一人。

 明らかにもう道に迷っている。

 ロックリザードもいるかもしれない。


 俺は……どうしたらいい?


ティナ「これ、どうなってるの?」

ヘッジ「ふっふっふっ。これぞ新ダンジョンっすよ!オレっち達の頑張りの成果をしかと見るっす!」

ティナ「どうせ、人間たち、みんな探知の魔道具持ってるんでしょ?なんで色々と気づかないのよ?」

ヘッジ「そこら辺は明後日っす!でも、お気づきのとおり、落とし穴をうまく使ってるっす」


◇◇◇◇◇◇


励みになりますので、ぜひ、「ブックマーク」や「評価」をお願いします〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ