テンプレ通りとは
「あるところに、幼い頃から婚約者の王子様と令嬢がいました。令嬢はとてもとても身分制そのままというような高飛車傲慢な性格でした。令嬢は取巻きやその権力を利用し、王子様に関わる女性を退けていました。ある日王子様と令嬢が通う学園に、平民から養女になった令嬢が転入してきました。彼女は優しく、とても努力家で、貴族らしさのない明るい女性で、王子様は心引かれてゆきました。いつしか王子様の周りにも受けいれられ、恋心を隠しながら…しかし、我慢できなくなった婚約者は、彼女にありとあらゆる嫌がらせを行い、とうとう傷を負わせようとします。そして卒業パーティーで王子様たちによりその罪を暴かれ、婚約破棄やら追放やら処刑やら…」
「王子がアホなだけだね。それ。取巻きも。卒業パーティーとか大事な時に国内外に恥をさらして、その暴挙を一緒にやるとか。」
「殿下…
いやいや、性格の悪い婚約者に疲れはてたところ、天真爛漫なヒロインに癒されてって…ハッピーなお話ですよ」
「天真爛漫で、貴族らしくなく、婚約者のいる男性のそばにはべるような女性に王妃は務まらないね」
「そもそも、婚約者がいる状態で恋心のある女性をそばに寄らせるのも間違いだし、幼い頃から婚約者なら自ら矯正すべきだね。
その令嬢のやってること自体は程度をわきまえさえすればやって当たり前のことだよ。」
「ぬぬぬ…」
「他には?」
「えーと、流れとしては大差ないですが…ヒロインは魔法の能力に特化しているだとか、精霊愛されているだとか、国を救うとかの聖女で国中から王子様と一緒になることを望まれているだとか」
「…魔法はないね、この世界。精霊も聖女もいないとは言えないけれど、今のところ聞いたことないし…戦争もしばらくはなさそうかな。」
「というか、その流れだと、君が婚約者な時点で成り立たないね」
ん?なぜに?
「そもそもこの婚約は王家から申し込んで、無理矢理公爵に納得させたものだし、政略結婚ではない。
そして一番に…性格がきついはずの悪役令嬢とやらは表情は軟らかくないかもしれないが、ただの人見知りだし、実際は気弱で優しい子だし、取巻きどころか友人すらいない。
そして何より、悲しいかな意地悪するほど婚約者を愛していない……
まあ、その辺はこれからだけどね。
さらに今では中身まで入れ替わって締まったのだら、「悪役令嬢」らしくはないだろう?」




