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TYRANT  作者: サンダーむらやま
1/3

TYRANT~BATTLE OF 30~

世界が死んでから30年。鉄槌を下した神と人類はこの時の流れを濃密に過ごしていた。それは正確には神ではない。

【GOD】

と呼ばれる存在。殆どが謎に包まれている。分かっていることは人類に対する確かな殺意と圧倒的な力。

しかし、人類はその【GOD】の肉を喰らうことで彼等の力を手に入れた。これにより身体能力は飛躍的に上がりまともに戦かうことが出来る様になった。このことがあり、人類は【GOD】と濃密な時間を過ごす様になった。

TYRANT~GOD~



----------1st---------



いつからだろう…?

戦い始めたのは…?

いつからだろう…?

人じゃなくなったのは…?

あの日、涙を流した。

真っ赤な色の涙。


それから世界は変わってしまった。




-----2XXX年-------



-----旧日本国・旧首都東京-----



「いたぞ…。」



「ああ…。こちらも肉眼で確認した。」



「タイプ:ビーストか。」



「気をつけろよ。ヤツ等は早いからな。」



-----赤の空-----



西暦2XXX年。突如として世界は終焉を迎えた。空が真っ赤になり、宇宙空間から未確認生物が飛来した。



後にこの生物たちを



[GOD][ジー・オー・ディー]



GODは世界各地に飛来し、世界は終焉の時を刻み始めた。勿論、人類は戦いを挑んだが、圧倒的な勢力や突如として現れたことからの準備不足から人類は次々と大地を奪われていった。GODとの戦いで人類総人口の約4割の人間が死んだ。



-----旧首都東京-----




かつて日本の首都だった街。GODとの戦いで廃墟と化し、今ではGODが住み着き人はごくわずかしか住んでいない。



「ガァァァァァァ…」



ドシャ…



「すげ~…。あっという間にGODを殺しちまった…。」



「ああ…ビックリだ」



「隊長…。民間人を確保しました。」



「了解した。」



「大丈夫かい?あんたたち?」



「あぁ。それよりあんたたち何者なんだ?」



「我々はHUNTER。世界政府がGOD討伐のために結成した組織だ。」



「…!!!??GOD討伐!?あの化け物達と生身で戦うのか!?」



「ああ。その通りだ」



「さぁ、ヤツ等がまた来ないうちに引き上げるぞ。」





-----HUNTER-----


世界政府が結成した組織。GOD専門の組織。HUNTERは1~30番までの部隊があり、各部隊10人で構成されている。主に最前線での戦い・孤立民間人の救出・新種GODの調査・討伐を主な任務としている。


武器は特殊な剣を使う。これはGODの超再生能力に対抗するため。銃でも戦うことが出来るが、かなりの数の銃弾を撃ち込まなければならず、コスト・兵士の命を考えればそこで確実に命を奪えるこの方法が採用された。


しかし、誰もがHUNTERになれるわけではない。HUNTERになるには過酷な訓練を受けて、合格する必要がある。そして、もう一つGODと戦う時にネックとなる身体能力の差を補うために殺したGODの肉を食べること。GODの肉を食べることによって身体能力は格段に上がり、GODと対等以上に戦うことが出来るようになる。しかし、GODの肉を食べても自分の身体に適用出来なければ死んでしまう。適用出来る人間はごく僅かである。そして、食べたGODのタイプによって身体能力に違いが生じることがここ最近わかった。




-----旧神奈川県-----



ここにもHUNTERの基地があり、旧静岡県にも同様のものがある。民間人は旧神奈川・旧静岡の内側と旧山梨県に住んでいる。他にも日本には基地があるのだが、大都市はすべて廃墟と化し、GODが住み着いている。



-----横浜基地-----



ズゥゥゥゥゥン

小さく重たい扉が閉まる。



「お帰りなさい。レオン。」



「あぁ、ただいま。」



・・・アルベルト・レオン・・・

25歳・男・第6部隊所属・隊長・イギリス人



「何だよ…。俺には挨拶なしかよ…。」



・・・ナカハラ・アカリ・・・

20歳・男・第6部隊所属・隊員・日本人



「あら?失礼しました。仲原隊員。」



・・・サイトウ・ハナコ・・・

23歳・女・横浜基地隊員



「…あ~!!ヤダヤダ!!そんな事務的な挨拶!!」



嘆く灯



スタスタスタ…



「あ、お帰りなさい。心。」



「…ただいま…。」



・・・タチバナ・ココロ・・・

20歳・女・第6部隊所属・隊員・日本人



「元気ないね~。心。」



・・・ディーノ・クロノ・・・

23歳・男・第6部隊所属・隊員・ドイツ人



「…私はこれが普通…。」



心が小さい声で言う。



「ま、いいじゃねーか。こういうのも。」



・・・ホンダ・ユウト・・・

35歳・男・第6部隊所属・副隊長・日本人



「あれ?他のみんなは?」



尋ねる花子。



「ああ、他の奴らは今日確保した民間人の手続きをしに行った。」



「そうなんだよ…。今から俺たちは上層部に報告。面倒くさいぜ。」



ブーたれる灯。



「それはそれは。ご愁傷様。」



「…隊長…。私先に帰っていいですか…?」



心が尋ねる。



「!?何だって!?逃げるのか心!!?」



灯が食ってかかる。



「そんなんじゃない…!!!今日はただ疲れただけ…。」



心が睨みながら言う。



少し考え頷くレオン。



「…そうだな。今日は先に帰っていいぞ。」



「ありがとうございます…。では、失礼します。」



そういって心は一人宿舎へと帰って言った。



「ヤロー…。」



灯が悔しそうな目をする。



「まあまあ~。今日の心は凄かったよ。だから大目に見てやってよ~。」



ディーノが灯を宥める。



「まったくだ…。タイプ:ビーストを3体も殺したしな。時々だがアイツ少し怖いくらいに身体がキレてる時がある。

だけど、無茶しすぎだ…頼り無いのかな俺たち…。」



本田が少し悲しそうに言う。



会話をしながら上層部へ向かう。




-----横浜基地長官室-----



ウィーン・・・



「第6部隊。入ります。」



「失礼します。」



第6部隊の隊員たちが上層部の中に入る。



「おう。待ってました。」



・・・ナカガワ・ケン・・・

48歳・男・横浜基地長官・日本人



「報告します。旧東京・品川地区にて民間人を確保。その際、GODと遭遇、戦闘しすべて排除しました。GODのタイプですが、3体がタイプ:ビースト。残りの2体がタイプ:ヒューマンでした。GODのレベルはともにレベルBと予測されます。」



レオンが報告をする。



「ご苦労。しかし、全てがレベルBか…」



二人の会話に出てきているレベルとはGODの強さ・知能レベルを指す。レベルはE~Sと格付けされる。



一般にレベルBになるとある程度の知能がありレベルSとなるとその知能は人を超えるとされている。



しかし、レベルSの存在のほとんどは確認例がなく実態は謎に包まれている。



「………了解だ。お疲れ。今日はもう帰っていいぞ。」



「ハイ。失礼します。」



ウィーン



扉が閉まる。



第6部隊が報告を終え宿舎に帰る。




----HUNTER宿舎-----




先に帰っていた心は深い眠りについていた。



「…なんで?なんでサヨナラなの?…よく聞こえないよ。ねぇ………。ママ……。」



心の目から涙が零れ落ちる。そして、目を覚ます。



「…いつもの夢…。でも、現実に起こった事…。あの日母さんがなんて言ったのか分からないまま。」



一息ついてからベッドを降りる。



「寝汗…。またシャワー浴びなきゃ。」



部屋を出てシャワールームへ向かう。その途中で同部隊のアイン・ロックハートに出会う。



「お疲れ様です!心。今からシャワーですか?」



…アイン・ロックハート…

20歳・女・第6部隊所属・隊員・フランス人



「うん…。寝汗かいちゃったから。ご飯の前にシャワー浴びようと思って。」



「そうなんですか。エヘヘッ!私もです。…えっとなんて言ったっけ…こういうの。日本語で……。」



アインが考える。



「奇遇?」



心が尋ねるように答えるとアインの顔がパァっと明るくなった。



「そうそう!それですよ。キグウキグウは~すっきりした!!」



ニコニコするアイン。



「奇遇ってことはアインもシャワーに行くのね。」



「ウン!その通り~。エヘヘヘヘッ。キグウのぐう♪キグウのぐう♪」



アインの変な歌に心の顔も明るくなる。



「ふふっ。なにその歌。変なの。」



アインは日本語が少しずつ分かってくのがうれしくてシャワールームまで歌っていた。




-----シャワールーム-----




温かいお湯の粒が頭から降り注ぎ全身を覆う。



「ねえ、心。心はどうしてそんなに強いの??」



アインが話しかける。



「う~ん……。どうしてだろうね?私は自分が強いとは思わないし。…でも誰かを守らなくちゃって気持ちがあるから戦えるのかな。」



心が少し切なそうに答える。



「ほんとに~???…でも心は優しいね。だから、強いんだね。」



ちょっとだけ悔しそうにアインが言った。



「…そんなことないよ。アイン。アインもやさしいよ。私は大切な人を失うのがただ怖いだけ。だから必死になって戦うの…。」



あの日が心の頭を過ぎる。



「ヘヘ…。アリガト…心。」



キュキュッ。蛇口をひねる。



「もう、出よっか。アイン。」



「うん。身体拭いたら、コーヒー牛乳だね!」



シャワールームを出て身体を拭く。そんな時アインが前々から疑問に思ってたことを聞いてみる。



「ね…。心…。心の背中にある傷。それ、どうしたの?」



………少しの沈黙のあと心が話し出す。



「…これはね…GODにやられたの。」



アインがハッと息をのむ。さらに心が続ける。



「話すと長くなるんだけど。ある日母さんに怒られて私、防御壁の外に抜け出したの。もちろんお母さんがすぐ来てくれると思って壁の近くでウロウロしてたの。でも、どれだけ待っても母さんこなくてさ…。あとでわかった事なんだけどその時お母さんはGODの討伐に行ってたの。それでね、辺りが暗くなってきて急いで帰ろうとしたときにGODに襲われたの。幸い相手は1体だたし、何よりGOD討伐から帰ってきた部隊近くを通りかかって助けられたの。その時やられた傷…。」



心が悲しく話した。



「そうだったの…。…心…。生きててよかったね。」



アインは悲しく温かい目をしている。



「…そうね…。」



「そうだよ。そうじゃなきゃこうやって一緒にシャワー上がりにコーヒー牛乳飲めなかったよ!!」



ニコニコするアイン。そんなアインに心が一言。



「あのね、アイン……。」



「ん?なに?」



「私は…シャワー浴びた後はフルーツ牛乳って決めてるの…!!!!!」



人間は死んでから目覚めた。世界が死んでから。

人間は夢から目覚めた。地獄を感じてから。



----------1ST----------

----------END----------




この世界では人類こそが生態系の頂点だった。しかし、それは過去の話。人類は叩き落されたのだ。その王座から。そして、戦いこそが生きる意味となってしまった。己を守るために。

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